5.空のしるし

 ある目撃者の報告──1969年4月20日、わたしは、ピエリナを訪ね、いろいろなことについて話しました。わたしはすぐに、「聖母のみ姿は、どのようでしたか」と尋ねました。ピエリナは、ほほえんで、次のように言いました、「聖母のみ姿は、大変優しく、言葉では言い表わせないほとの美しさです。もし、ある人が一度でも聖母を見たとしたら、その人はもう一度聖母を見るという唯一の望みしか抱かなくなるでしょう。聖母は大変お美しい、大変お美しいお方です」と。

 その日の午後2時ごろ、わたしは、19人の小グループといっしょに、フォンタネレにいました。わたしたちは、小教区の教会で、その日が、聖職への召し出しの日に当たることを聞きました。それでわたしたちは、そのために、ロザリオを数回となえました。わたしは3月に、ピエリナから手紙をもらっていました。それには、“聖母が、ご自身の勝利の時期を早めるために、空に、あるしるしを与えることを約束してくださったので、それを見に来るように” と書かれていました。

 悪天候で、空は灰色の雲で覆われ、肌寒い日でした。わたしは、どんなしるしが現われるのか、想像できませんでした。わたしたちは、井戸で水を飲み、ビンに一杯水をくみました。わたしたちの運転手がわたしたちに出発するように勧めました。井戸の上には小道があり、かれはそこを歩いて、行ったり来たりしていました。突然かれは、「ふり向いて、空を見上げなさい!」と、大声で言いました。わたしたちは、ふり向きました。そして、空の一部が消えてしまったのを見て、驚きました。暗くなり始めた空に、大きな空間が見えました。ついに、この空間は夜のように暗くなりました。わたしは時計を見ました。ちょうど午後4時でした。

 わたしはその時間に、それほど暗くなったのを見たことがありませんでした。そしてわたしは、隣の人に、「あの空間の上から、夜が迫って来ています!」と言いました。

 そのときすでに、星が見えていました。まず右側に、それから次々に星が出て、12個の星で大きな冠ができ上がりました。

 そのときわたしたちは、遠くに、小さくて、ぼんやりした円盤状の物があるのに気づきました。そして、それは、だんだん大きく目立ち始め、わたしたちの方へ近づいて来ました。それは、美しい陰影がある赤色になり、まるで嵐のときの手さげランプのように、あちこちに揺れていました。それは、雲の切れ目にたどりつき、落ちそうに見えました。わたしたちは皆、恐ろしくなり、ひざまずいて、神のおん助けを求めました。わたしは、最後の審判の時が来たのだろうと思い、わたしの子どもたちが救われるようにということだけを考えていました。太陽の落下は止まり、火の輪のように、その軸を中心にして、初めは右へ、それから左へと回わり始めました。そして、地球に大きな炎を投げかけていました。

 空は一面赤色に染まり、言葉では言い表わせないような恐ろしい光景でした。それから太陽は、廊下のようなその暗い空間に戻って行き、再び出て来ました。それは、あちこちに揺れて、まるで空に激しい嵐が起こったかのようでした。その時はすでに、空の赤色は消えて、雲は真っ白になり、太陽は輝く白色に見えました。太陽は、暗い廊下から出て来て、少し揺れながら、わたしたちの方へゆっくりと動いて来ました。そして、しばらくの間、12個の星から成る冠が残っていました。それから、二つに分かれて、光の十字架が見えました。

 空はすでに黄色に染まっていました。雲は、黄緑色のように見えました。太陽は真っ黄色になって、その暗い廊下から出て来ました。そして、空で再び激しい嵐が起こったかのように、それは、あちこちに揺れていました。そして雲の切れ目にたどりつき、火の輪のように回わりながら、地球の方へ落ちてくるように見えました。大きくて黄色い炎が、地球へ転落して来して来る〔ママ〕ようでした。この光景は何度かくり返えされました。

 しばらくして、その暗い空間は明るくなり、星の輝きは弱まり、雲が再び空一面を覆いました。それから長い間、空には黄色い点が見えました。そしてその後もなお、そこから約12キロ離れたロナートという村からも、この点が見えていました。わたしは、腕時計を見ました。午後4時15分でした。この光景は、15分間続いたのです。

 わたしたちは皆、大変感動していました。これは、聖母がピエリナを通してわたしたちに知らせてくださったしるしなのです。わたしは、他の人たちと同様に、このしるしの意味がとても良くわかりました。きっと嵐が来るでしょう。わたしたちはつぐないをしなければなりません。なぜなら、神が、ひじょうに多くのぶじょくを受けておられるからです。

 その赤色は、3回見えました。それは、おそらくもっと多くの祈り、つぐない、苦行が必要とされていることを意味しているのでしょう。わたしたちには、白と黄色は、たった一度しか見えませんでした。

 新しい空のしるし──1969年12月8日、わたしは再びモンティキアリにいました。わたしたちは、午後2時ごろ、その井戸の所にいました。突然、ひとりの少年が、「見て! 太陽が踊っているよ」と叫びました。皆、上を見ました。誰も、サングラスをかけていませんでした。空は青く、太陽は暖かそうに輝いていました。しかしわたしたちは、容易に太陽を見ることができました。太陽は、ピンク色になり、それから、ご聖体のホスチアのように白くなりました。そして、その左右両側から3本の光線を放っていました。真中には、もう一つの太陽のような輝くものがあり、それは、大洋の真中にある燈台のように継続的な光を放っていました。太陽はさらに、軌道を中心にして、ゆっくりと回わっていました。それから、太陽は黄色になり、ゆっくりと回わり続けていました。少したって、それは時々、赤、黄や白に色を変えました。それが白色になったとき、継続的な光を放つ光線が再び現われました。そのとき、わたしはあることに気づきました。つまり、その光線は、3回短く、3回長く、そして3回短いのです。そして、3回くり返えされたのです。それは、モールス信号の Save our Souls!(救いを求める声)に似ていたのです。

 S O S──それから太陽は、ピンク色に変わりました。そして、その中心には、小さな青い点が見えました。その点はだんだん大きくなり、左右に数多くの光線を放ちながら、円盤のように回転していました。その光線の先端には、青い球が付いていました。それらは空を跳び回わっていて、はっきりと見えました。突然、目に見えない手がそれらを集めて、幾何学模様を作りました。それから、それらは地球の方へ、ゆっくりと降りて来て、ちょうどわたしの前で止まりました。それは約10cmの高さの所にありました。わたしは、数を数え始めましたが、これらの模様は大変多かったので、すぐにあきらめなければなりませんでした。

 それらはすべて、ロザリオから連なって出て来たもので、先端にはメダルが付いていました。わたしは、うっすらと雪で覆われた畑を見渡しました。そこには、空から降りてきたこれらの模様の陰が映っていました。それで、それらはただの幻ではありませんでした。

 そのとき、光景が変わりました。太陽は白くなり、以前同様、光線を東に向けて放っていました。その光の信号は再びはっきりしていました。3回短く、3回長く、3回短かかったのです。わたしには、それがはっきりとわかりました。天が自ら、「霊魂の救いを求めよ」と呼びかけていたのです。

 そのとき、太陽は黄色に変わり、それから赤くなりました。青い点が再び現われ、大きくなって、また青い光線を放ちました。しかし今度は、それらはほんの1mくらいの長さで、中にネオンライトのような光がありました。その先端には、青い球が付いていました。

 とつぜん、多くの光線が空から斜めに降りて来ました。人々はわたしに、その意味を尋ねました。その意味は、わたしにもわかりませんでしたので、わたしはかれらに、それを見続けるように言いました。そのとき、横の光線が、縦の光線の間に入って来て、それは、はしごのように見えました。それは空からゆっくりと降りて来て、地上にたどり着きました。それらを数えるのは不可能でした。

 それから太陽はまた色を変えて、茶色とバラ色がかった黄色になり、その後で再び赤になりました。するとまた、青い点が現われ、大きくなり、先端に青い球を付けた、数多くの矢と稲光を放ちました。雪で覆われた畑には、またそれらの陰がはっきりと映り、それらが土の中にしみ込んでゆく様子がはっきりとわかりました。それらによって、畑は青くなりました。

 帰宅すべき時間になっていました。それでわたしは人々に、バスの所に行くように言いました。わたしたちは、それ以上長くそこにいることはできませんでした。わたしはまず泉に降りて、それから再び階段を登って行きました。登って行くとき、わたしは、そこにいる皆が虹色に輝いていることに気づきました。わたしは、太陽を見るために振り向きました。

 すると、そのとき、太陽は、ちょうど丸い虹のように見え、光線の束を地球に向けて放ちながら、輪のように素早く回転していました。わたしはそれを見て “平和のしるし” という印象を受けました。その色は、ゆっくりと薄くなり、太陽はまた、いつもの自然の色に戻りました。わたしたちはもはや、黒いサングラスをかけずに太陽を見ることができなくなっていました。わたしたちは、それまでの45分間、目を守るものは何もつけずに太陽を見ていたのです。そこには約120人の人々がいましたが、全員、同じ光景を見ました。

 その後、ピエリナはわたしに、わたしと同じ光景を見た多くの人々から報告があったことを知らせてくれました。それからわたしは、その全光景を描こうとしました。しかし、もちろん、その言葉では言い表わせないほど美しい色の太陽を紙に描くことは不可能でした。わたしの印象は次のようなものでした。つまり、天は、わたしたちにつぐない、祈り、犠牲、そしてロザリオをとなえるように強くお求めになっています、そしてまた、わたしたちが聖母のお望みを果たすなら、母としての聖母のみ心に通じる安全な救いのはしごを約束してくださるということです。これらのしるしの意味については、ピエリナもわたしと同意見でした。

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