9. フランス革命と秘密結社
英米フリーメーソンの方は、又余りよく人が知っておりませんので、この方は比較的害も少いと思っておりますから、革命的フリーメーソンの方の標語について、いささか論評を下してみたいと思います。これ〔=これについて論表すること〕は今日の社会を正状に帰せしめる上に於いて、私は非常に必要だと考えているのであります。
ロシア革命でも「自由(Свобода)、平等(Равенство)、友愛(Братство)」が叫ばれた。
自由、平等、友愛、これがロシア革命を結果した赤旗でありますが、その赤旗に書いてあるのが、これが自由、平等、友愛と云う字です。この三つの言葉を使って革命をやった第一回は何処であるかと云うと、これがフランス革命であります。世の中にはフランス革命というのは貴族、僧侶、富豪が非常に横暴を極めたので、その結果自然に起こったものであるという風に考えている人もありますけれども、なかなかそんな簡単なものではないのでありまして、その革命を勃発に導いた点については、フリーメーソンの隠れた努力が非常なものでありました。
フリーメーソンの教科書を見ますと、明らかに彼等が告白している。「我等は非常な努力をして、フランス革命をやったのだ」と云う色々な実証を十五項ほど挙げていますが、「革命をやった幹部は即ち吾々の結社員である」という事を明らかに述べているのであります。また1921年のグラントリアンの決議文を見ますと、あの中にも「かつて1789年のフランス革命に最も大なる役割を演じたフリーメーソンは、何時でも来たるべき革命に幹部を供給する準備がなくてはならぬ」と明言しております(1922年10月、グランド・ロッジの決議録281頁)。諸君、これが即ち大学教授初め学生やインテリを共産党に引き入れる指令の源泉であります。
また同じ結社の決議録の236頁には「今日まで国家革命をもって人道の為に尽して来たフリーメーソンは、世界革命と称する大革命をば成し遂げたいのである。この世界革命こそフリーメーソンの明日の事業である」と申しております。
諸君、彼等が平和の美名に隠れて秘かに世界大戦を準備しておりますのは、実に二、三年の後に世界に大乱を起こし、その後世界革命をやろうとして居るのであります。
私がシベリアにおりました頃、ロシアの革命家と話しますと、「フランス革命が出発点でお手本であるから、吾々はその真似をしてそれに改良を加えてやっているんだ」と言っておりましたが、これは彼等の偽らざる告白であります。フランスに参りますと、寺院、官衙、学校、裁判所の壁にはフランス革命のモットー「自由、平等、友愛」の三字が刻み込んであります。それは革命成立の時、直ちに秘密結社の奴共が、そう云う風に彼等が至る所にこの文字を刻み込んで、これでやって行かねばならないというので、強圧的にやったのであります。
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