52 祈祷の使徒会
神父 
あなたは「祈祷の使徒会」のことをお聞きになったことがありますか。
青年 
いいえ、神父さん、それはどういう会ですか。
神父 
これは「イエズスの聖心」と心を合せてお祈りをする数千万というカトリック信者の会です。
青年 
「イエズスの聖心」といいますと、それは一体どういうことですか。
神父 
これは、救世主が此の世に真の人としておいでになりました時の、そのやさしい愛の源であった御心(その人性における聖心はもちろん神性と結び合っています)と、現在もなお各教会の聖櫃の中から、天主の人類に対する愛を以て燃えておられる御心を崇める信心の道です。
青年 
では、それは、祈りにおいてカトリック信者とイエズス御自身とが一致するということなのですね?
神父 
ええ、その通りです。
青年 
すばらしいことですね。どうすればその会員になることができますか。会員にはどんな義務があるのですか。
神父 
各自の所属している教会或いは学校等に、祈祷の使徒会の支部の設けられているところでは、そこにお申込みになればいいのです。まだ支部が設置されておらぬ地方、或いは住居、病気の関係で各支部の幹事と連絡ができないときには、直接、同会の本部にお申込みになればよいのです。会員の義務はただ、聖心のすべての御意向のために、そして他の会員の求めに応じて、毎朝その日のすべての念い、言葉、行いを、わが主イエズス・キリスト様に献げることであります。なお、その聖心の御意向は毎月教皇から公表されます。
青年 
自分自身の意向のためには祈れないのですか。
神父 
自分の霊魂のためにするという目的であれば、それはイエズス様の御意向にあいますから結構です。しかも三千万人の会員たちが、めいめいの祈りと善業とを部分的にはあなたのために捧げているわけですよ。
青年 
会員の義務はそれだけですか。
神父 
会員の実践事項としては、毎朝の奉献についで、毎月一度の償いの聖体拝領と、毎日少くともロザリオ一連を誦えることであります。この二つの実践事項は会員にとり随意であり、義務ではありませんが、切に要望されております。
青年 
非常に義務が軽くて大きな御恵みがありますから、私もその使徒会の会員になろう思うのですが、教皇がおきめになる毎月の特別の意向を、会員はどのようにして知ることができるのですか。
神父 
それは、毎月の小葉紙として印刷され、各教会等を通じて会員に配布されます。また、「祈祷の使徒会」の機関誌或いはカトリックの新聞などにおいて説明がされています。
大分前のことですが、今は聖人になっているフランスのある聖なる修道女は、茨の冠をめぐらし、焔を出している聖心を出してイエズスが御現れになったことがあります。その時主はこの修道女に、非常に人類を愛して来られた御心が、人の忘恩のために非常に悲しんでいるということをお諭しになって、毎月第一金曜日に償いの聖体拝領の行われることをお望みになられました。そして、九ヵ月の間引きつづいて毎月の第一金曜日に聖体を拝領するすべての人に、大きな霊的な御恵みを与えると御約束なさいました。この知らせを受けて教皇は、これを広く行うようにお勧めになり、これを奨励するために、第一の金曜日の夕方に「聖時間」が採用されたのです。イエズスがゲッセマニの園の御悲しみの時に、ペトロとヤコボ、ヨハネに仰せになりました「かくも汝等は一時間も我と共に醒めおる能わざりしか」(マテオ二六ノ四〇)という御言葉を思い出して下さい。
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