2011.12.31

「自由・平等・友愛」 に対して明白に好意的であったヨハネ・パウロ2世教皇様 3

前教皇様のことを「責める」ためではなく、あくまで天主様の御心を訪ねるために最近の一人の(しかし傾向が顕著な)教皇様の御事を検討させて頂きます。
「自由・平等・友愛は、深いところで、キリスト教の理念なのです」
「自由・平等・友愛」とワンセットで言われる言葉に対して、ヨハネ・パウロ2世教皇様は明らかに好意的だった。
もちろんそれはヨハネ・パウロ2世教皇様に限らないだろう。パウロ6世教皇様も使っておられたようだし、現在のベネディクト16世教皇様ですらたまに使っておられるようである。(ヨハネ・パウロ2世教皇様を愛する人達、あなた方はこう聞いて「安心」するのだろうか。)
しかし、ともかく、ここではヨハネ・パウロ2世教皇様に焦点を当てる。
以下は、それを窺わせる二、三の事例である。
1980年
ヨハネ・パウロ2世は「自由・平等・友愛」を讃える
1980年6月1日、パリの近くのル・ブールジェ空港で捧げられたミサでの説教で、ヨハネ・パウロ2世は「自由・平等・友愛」を讃えた。
右は『ヨハネ・パウロ2世の教え』のカバー、右下はその中のページを写した写真、下はその写真のハイライト部分を我々が訳したものである。
あなた方の国の息子たちや娘たちは、人間の知識のために如何に多くのことを為して来たことでしょう! それは、彼らの不可侵の諸権利を公式化することで人間性を表わすためでした。
自由、平等、友愛という理念があなた方の文化の中で演じている役割はよく知られています。深いところで、それらはキリスト教の理念なのです
とは云え、私は、この理想を最初に公式化した人達は人間と永遠の知恵との協調のことを言っていたのではないこともよく知っています。しかし、彼らは人間の利益のために行動したかったのです。
Vol. 3/1: 1980
LIBRERIA EDITRICE VATICANA
(John Paul II, Homily at Le Bourget, June 1, 1980, Insegnamenti di Giovanni Paolo II, 1980, vol. 3/1, p. 1589)
ここで取り上げられている書物は、「LIBRERIA EDITRICE VATICANA」とあるように、バチカンが教皇様の言葉を集めて定期的に発行していた刊行物のようだ。ただし、この事実を確認するために、私達はその古い書物を探さなくてもよい。バチカンの公式サイトで確認できることである。必要なら、次の場所で「1 juin 1980, Le Bourget」という文字列を探してください。CLICK
一応フランス語のその部分をコピペしておく。
Que n’ont pas fait les fils et les filles de votre nation pour la connaissance de l’homme, pour exprimer l’homme par la formulation de ses droits inaliénables! On sait la place que l’idée de liberté, d’égalité et de fraternité tient dans votre culture, dans votre histoire. Au fond, ce sont-là des idées chrétiennes. Je le dis tout en ayant bien conscience que ceux qui ont formulé ainsi, les premiers, cet idéal, ne se référaient pas à l’alliance de l’homme avec la sagesse éternelle. Mais ils voulaient agir pour l’homme.
また、その説教の最後の部分を読み上げておられる教皇様のビデオがここにある。4shared なのでアカウントをお持ちであることが必要だが。
http://www.4shared.com/video/rIQTpv-F/Bourget1980.html
さて、フランス人権宣言は「人の譲りわたすことのできない神聖な自然的権利」と言い、また「神聖かつ不可侵の権利」と言った。そして教皇様も、それに倣うかのようにして「不可侵の諸権利(inalienable rights)」と言うのである。
そして、教皇様は「自由・平等・友愛という理念は “キリスト教的” なもの」だと言うのである。──これは本当(真理)だろうか?
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