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第六十一課 悔悛(二)

二、痛悔

  1. 罪の赦を受けるに最も必要なことは何でありますか。

    それは痛悔であります。

  2. * 痛悔とは何でありますか。

    痛悔とは、心の底から罪を忌み嫌い、今後決して犯すまいと決心することであります。

  3. 表面だけの痛悔ではいかがですか。

    表面だけの痛悔では何にもなりません。罪を犯すのは心に因るのでありますから、痛悔も心からしなければなりません。

  4. すべての罪を悉く痛悔しなければなりませんか。

    少なくとも大罪は、悉く痛悔しなければなりません。

  5. 小罪しかない人も、悔悛を受けるために、痛悔の必要がありますか。

    痛悔がなければ悔悛を受けられませんから、せめて小罪の中のあるものを痛悔し、告白しなければなりません。

  6. どれ程強く罪を痛悔しなければなりませんか。

    どんな禍よりも罪を忌み嫌わねばなりません。

  7. * どのような理由によって、痛悔を起さねばなりませんか。

    それは罪によって全能の天主に背いたこと、イエズス・キリストの御受難の因(もと)となったこと、天国の幸福を失い、地獄或は煉獄の苦しみを受けねばならぬことなどの、超自然の理由によって罪を痛悔しなければなりません。

  8. 名誉、健康、財産を失うような自然的理由のために、罪を悲しむのは、真の痛悔になりますか。

    それらの理由のために罪を悲しむのは、超自然の痛悔ではなく、従って真の痛悔になりません。

  9. 真の痛悔には幾種ありますか。

    真の痛悔には二種あります。それは、完全な痛悔と不完全な痛悔とであります。

  10. * 完全な痛悔とは何でありますか。

    完全な痛悔とは、天主を深く愛するこころから、その御旨に逆らったことを悲しみ、或はイエズス・キリストの御受難の因となったことを悔んで、罪を忌み嫌うことであります。

  11. 不完全な痛悔とは何でありますか。

    不完全な痛悔とは、天主を愛するためよりも、罪の醜さを恥じたり、天国の幸福を失い、なお地獄或は煉獄の罰を招くことを恐れたりして、罪を忌み嫌うことであります。

  12. * 完全な痛悔の効果とは何でありますか。

    完全な痛悔の効果は、秘蹟を受けなくとも、受ける望みさえあれば、すべての罪が赦されることであります。

  13. 不完全な痛悔でもすべての罪の赦しを得られますか。

    不完全な痛悔では、洗礼或は悔悛の秘蹟に依らなければ、大罪の赦は得られません。

三、遷善の決心

  1. 罪の赦を受けるには、犯した罪を忌み嫌うだけで足りますか。

    罪の赦を受けるには、起こした罪を忌み嫌うだけではたりません。尚、遷善の決心をしなければなりません。

  2. * 遷善の決心とは何でありますか。

    遷善の決心とは、この後更に之を犯すまいと、堅く決心することであります。

  3. 遷善の決心は、何によって知ることができますか。

    遷善の決心は、一、行を改めるように力を尽くし、二、罪の機会を避けるように注意し、三、犯した罪を償うように努めることなどによって之を知ることが出来ます。

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