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第二十七課 愛の掟(二)

三、他人(ひと)に対する愛

  1. 他人を己の如く愛するとは、どういうことでありますか。

    他人を己の如く愛するとは、自分が望まないことを他人にせず、自分が望むことを他人にすることであります。(マテオ 7:12、ルカ 6:31)

  2. どのような人を愛さねばなりませんか。

    近い者から遠い者に及び、どのような人をも、仇敵(あだかたき)までも之を愛さねばなりません。

    「汝等の敵を愛し、汝等を憎む人を恵み、汝等を迫害し且讒謗(ざんぼう)する人のために祈れ」(マテオ 5:44)

  3. なぜ、すべての人を愛さねばなりませんか。

    総ての人を愛さねばならぬ理由は、一、それが天主の命令であるばかりでなく、二、すべての人が天主につくられ、三、すべての人がキリストの御血によって贖われて永遠の幸福に召されているからであります。(マテオ 22:39、イザヤ 45:12、チモテオ前 2:4)

  4. どのようにして、他人を愛さねばなりませんか。

    特に、霊的及び肉体的慈善の業を行うことによって、他人を愛さねばなりません。(ロマ 12:9以下、ルカ 10:26以下)

    霊的慈善事業の主なものは、一、子供や教理を知らないものに之を説き、二、不幸な人を慰め、三、罪人を戒め、四、生ける人と死せる人とのために祈ることなどであります。
    肉体的慈善事業の主なものは、一、病人を見舞い、二、孤児や老人を保護し、三、貧しい人に施与(ほどこし)をすることなどであります。

  5. 施与は義務でありますか。

    施与は愛の掟に基づく義務であります。その上、罪の償となり、天主の御慈悲を蒙る手段となりますから、各々その身分に応じて、之を実行しなければなりません。(ヤコボ 1:27)

  6. どのようなことが、他人に対する愛に背きますか。

    他人を憎み、怨み、ねたみ、あだがえしをなし、他人の不幸を見て、之を救い得るのに救わないことなどは他人に対する愛に背きます。

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