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第二部 守るべきこと

第二十六課 愛の掟(一)

  1. * 救霊(たすかり)を得るには、天主の御教(みおしえ)を信ずるだけで足りますか。

    救霊(たすかり)を得るには、天主の御教(みおしえ)を信ずるだけでは足りません。罪を避け、徳を修め、すべての御掟を守らねばなりません。

    汝若し生命に入らんと欲せば掟を守れ」(マテオ 19:17)(マテオ 7:21)
    霊なき肉体の死せるが如く、行いなき信仰も亦死せるなり」(ヤコボ 2:26)

  2. * 公教信者の完全な生活を示す掟は何でありますか。

    公教信者の完全な生活を示す掟は、愛の掟、即ち万事に超えて天主を愛し、又他人(ひと)を己の如く愛することであります。

    「汝心を尽し、霊を尽し、意を尽して主たる汝の天主を愛すべし、是最大(もっともおおい)なる第一の掟なり。第二の掟 も亦是に似たり、汝の近き者を己の如く愛すべし」(マテオ 22:37-39)

一、天主に対する愛

  1. 万事に超えて天主を愛するとは、どういうことでありますか。

    万事に超えて天主を愛するとは、大罪を犯して天主に背くよりは、寧(むし)ろすべてのものを棄てる覚悟を以て天主を愛することであります。

    「死も生も天主の愛より我等を離し得るものなし」(ロマ 8:38-39)

  2. なぜ、万事に超えて天主を愛さねばなりませんか。

    天主は、一、限りない善に在し、二、又、我等をつくり、我等に永遠の幸福を与え給う御方であるからでありま す。

  3. 天主を愛することは、何によって知られますか。

    天主を愛することは、特に天主の御掟を守り、万事について天主の御意(みむね)を何よりも重んずることによって知られます。(ヨハネ 14:15、同 14:21、ヨハネ一書 5:2-3)

  4. どのようなことが、天主に対する愛に背きますか。

    天主を憎み、怨(うら)み、病気災難等の不幸を天主の無慈悲に帰し、天主よりも他のものを、大切にすることなどは天主に対する愛に背きます。

二、己に対する愛

  1. 己を正しく愛するとは、どういうことでありますか。

    己を正しく愛するとは、此の世の幸福よりも救霊を重んずることであります。

    「人全世界をもうくとも、若しその魂を失わば何の益かあらん」(マテオ 16:26)
    健康、財産、名誉等この世の幸福は、すべて救霊の手段として求むべきであります。

  2. 救霊を重んずるとはどういうことでありますか。

    救霊を重んずるとは、困難、誘惑その他どのようなことがあっても、何時も天主の御意に従って生活することであります。

  3. どのようなことが己に対する愛に背きますか。

    この世の生活のみに心を用いて救霊を忽(ゆるが)せにし、殊に目前(めさき)の楽しみにかられて、天主の御意に背くことなどは己に対する愛に背きます。

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