第五条 古聖所(こせいしょ)に降(くだ)りて三日目に死者の中(うち)より蘇り、
イエズス・キリストの御死去の後、御肉身と御霊魂とはどうなりましたか。
イエズス・キリストの御死去の後、御肉身は岩の中に造った墓に葬られ、御霊魂は古聖所にお降りになりました。(ルカ 23:52-53)(ペトロ前 3:18-19)
古聖所とはどのような所でありますか。
古聖所とは、世の始めからの善人の霊魂が留まっていた所であります。
イエズス・キリストの御霊魂が古聖所にお降りになった理由は、善人の霊魂に救世の成就したことを告げて、彼等を慰め給うためでありました。
* イエズス・キリストの御死去の後、三日目に何がありましたか。
イエズス・キリストは、御死去の後三日目に、御自らの御能力(おんちから)によって、御自分の預言の通りに蘇り給うたのであります。之を救主の御復活と申します。(マテオ 28、マルコ6、ルカ 24、ヨハネ 20)
イエズス・キリストの御復活の事実は
一、イエズス・キリストが御自ら屡々弟子達に現れ給うて之を証明し(ルカ 24:13-43、ヨハネ 21:1-14)
二、反対者も之を認め(マテオ 28:11-15)
三、弟子達は之を証明するために、生命を献げた事等を以ても明(あきらか)であります。尚聖パウロは「若(も)しキリスト復活し給わざりしならば、我等の宣教は空しく汝等の信仰も亦空しく、而も我等は天主の偽証人となるべし」(コリント前 15:14)といって之を確証いたしました。
イエズス・キリストは、なぜ、御復活なさいましたか。
イエズス・キリストが御復活なさいましたのは、一、御自ら天主たることを確実に証明し、二、原罪の罰である死を滅ぼし、三、世の終に人の蘇るべきことを保証し給うためであります。
一、御自ら天主たることを証明し....自らの復活は、奇蹟中の奇蹟であって、ただ天主のみ、なし能うことであります。(ペトロ前 1:21、コリント前 15:21-29、同 15:12-14)
二、原罪の罰である死を滅ぼし、
三、世の終に人の蘇るべきことを保証する....イエズス・キリストは人類一般の頭でありますから、その御死去は世の終に於ける人々の復活の保証となります。(コリント前 15:20-22)
イエズス・キリストの御復活体は、一、苦しむことも死ぬこともなく(コリント前 15) 二、欲するままに速かに動き(ルカ 24:30-31) 三、如何なる物体をも自由に通りぬけ(ヨハネ 20:19) 四、天主の光栄に充ちて(コリント前 15:35-50)おりました。