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8. ユダ:
彼自身、他の悪霊、地獄について
俺は滅ぼされた! 永遠に、永遠に、永遠にだ! お前達、もしお前達が《永遠に滅ぼされる》とはどういうことかを、少しでも知っていれば! 俺は滅ぼされた!
俺は首を吊った。何故なら、絶望していたからだ。……俺は裏切った。
司祭
: 何故裏切ったのか。
ユダ
: 金が欲しかったからだ。
俺は出て行きたくない。俺に何処に行けというのか。
あれ(ルシファー)のせいで、俺は今、穴の中で屈んでいる。あいつが俺を引きずり降ろしたのだ!
ナザレ人はこのソサエティ
[1]
のために死んだ。しかし俺はそこから毎日たっぷりと〔霊魂を〕収穫している。だが、ほとんどの者はこれを信じない。
そのナザレ人に、俺は接吻した。そのナザレ人は、十字架にかかった。そして、俺は滅ぼされた、滅ぼされた、永遠に!
俺は偽りの父だ。俺は、あたかもそれが俺の本能であるかのように、嘘をつく。しかし……(視線を上に向ける)……が何度も何度も(真実を)言うようにと俺を強いる。
俺は出て行かない。下の場所はあまりにも恐ろしい。
大部分の者は俺の存在を信じていない。親愛なる司祭さん方も何も言わないのだ。
司祭
: お前は全ての神聖冒涜の長である!
ユダ
: そうだ! その通りだ!(エクソシズムのテキストから)
[2]
司祭
: お前がフリーメーソンに黒ミサをさせているのか。
ユダ
: そうだ! そうだ! 俺達はそれに実に熱心に取り組んでいる!
司祭
: 私が訊いているのは、お前はサン・ダミアーノに居たのかということだ。
[3]
ユダ
: そうだ。俺は同時にあらゆる場所に居ることができる。
司祭
: そんなことができるのは神だけだ! お前はまた嘘をついている。
ユダ
: もし俺にそうすることができるならば、俺は昼夜それ(聖櫃)の前に跪くだろう。
司祭
: マリアはお前の頭を踏み砕くだろう。
ユダ
: そうだ。しかし、まだだ。
ユダ
: 真理が二つあるわけではない。そこで、上の者達は真実をもってそれを示そうとし、俺達は嘘をもってそれを示そうとする。
俺は出て行かない。下のあの場所はあまりにも恐ろしい。
今、俺の横に別の者がいる。彼の横で十字架にかけられた者だ。(彼は名乗ることを拒否している)
俺達はあらゆる霊魂を獲るために戦うだろう。
俺達は出て行きたい。
[4]
管理人注
[1]
Gesellschaft: company, corporation, society
英訳者が society としているので、それをそのままカタカナ表記した。
これは「社会」というより「教会」のことを意味するのかも知れない。
[2]
「エクソシズムのテキストから」とあるのは、これは音声記録にはないからかも知れない。そのせいか、英訳者である司祭はこれを訳していない。
[3]
既にお分かりだと思いますが、頭に番号が振られた各言葉は、必ずしもその前後と連続性のあるものではありません。連続性のあるものとして読めば、11 と 12 とによって、私達はこの司祭が「黒ミサ」と「サン・ダミアーノ」とを結びつけているかのような印象を受けます。けれども、 12 と 13 の間に連続性がないのは明らかなように、11 と 12 の間にも連続性はないでしょう。
[4]
英訳版には「地獄から」とある。
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