コイルタップ端子の制作
引っ掛け型 巻き込み型 挟み込み型
手持ちのコイルのタップを取る為の端子を作ろうと考え、ならばとコイルを眺めて、検討した。
自作の3・5MHz&7MHzの2バンドカプラは、コイルに6oΦのパイプを使っている。予備の1・8Mhz&3・5MHzの2バンドカプラは、平角のいわゆるキシメン線となっている。モービルのアンテナカプラは、2Φoの銅線を使っている。また、やめやん商会から送られて来たカプラも6oΦのパイプのコイルだ。
引っ掛け型の端子
メーカー(JRC)製の平角コイルのタップ端子は、ベークライト棒に5oΦのネジを切り、中心に真鍮製のボルトの先端を加工し、リン青銅板の短冊で引っ掛かりが作くられていた。
画像の左の黒いベークライト製が、JRC製の端子。中央の白い物が、ポリペンコアセタール棒の自作品。ベーク棒を探したが、丸棒の適当な製品を見つけられ無かったのでこれにした。若干、硬度は、小さいけれど、十分な強度もあり、高周波特性もHF帯なら問題ないと考え購入した。右の画像が、実際にコイルに組み付けた状態。
JRC製の端子 自作した端子 実際の使用の状態
引っ掛け端子の構造
JRC製をそっくり再現したが、右側の自作品案ならば、絶縁体にネジを切る必要が無くなる。
中心の真鍮製のネジに引っ掛けるリンセイ銅板の平板を組み付ける。まず、ネジの片側を長さ5ミリ程削り、板状の突起を作った。その突起部分に1・2ミリΦの穴加工する。この穴は、板状の引っ掛け金具を固定するリベット代わりに1oΦの錫メッキ線を通す為。
引っ掛け用短冊を組付け、ハンダ上げする。その後、模式図の様に引っ掛け部分を曲げ加工する
ボルトの両端にナットを取付る。加工しない端側は、ダブルナットしてボルトへのヤスリ掛けで回転しないようにする。片面は、約2ミリ、反対側は約1ミリ削る。2ミリ側に引っ掛け金具を組付け、リベット代用の鈴メッキ線を差込み、バイスでしっかりと挟みこむ。その後、ハンダ付けをして於く。
挟みこみ型
これは、20年ほど前に作った6ミリφの銅パイプを使ったアンテナカプラのコイルに使った。
現在は、改良して画像の様になっている。 具体的な構造は、図にあるように文房具の目玉クリップに銅の帯板を沿わせて、銅パイプを銅板で挟みこむ構造にした。当初は、目玉クリップにリード線を付けるのみだったが、鉄の錆が発生してきたので一工夫した。同軸の編組線でと試したが、空間が多すぎるし、形状をしっかり保てない事から不採用。
目玉クリップの2つのつまみの部分にボルトを通して、内側にナットを2個入れて、外側に押せば、しっかりと挟める。
メーカー製の挟みこみ端子 実際の状態(ボルト締め)
巻き込み型の端子
基本構造
細い素線の場合、コイルピッチが、小さい為、ボルトの先端を長ナットから長く出して空間を確保する必要がある。
実際の形状と3ミリΦのボルトをコイルに見立てて仮組み立て。長ナットの部分をラジオペンチなどでしっかりと挟み、回転しないようにして組み立てる。
コイルに組付ける方法
まず、赤線の形状にして、予定位置に帯板を通し、内側から棒などで曲げて、次の隙間に出す。
帯板を予定の形状に曲げて、ボルトナットを組み込み、軽く絞めて少しゆすってからしっかりと帯板を巻きつかせる
右端の画像の様にしっかりと巻き付ける。
これらのタップ端子で実用になることを確認した。接触面積、接触力から判断すると、最後の巻き込み型が、良さそうだ。
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