天高く揚げたアンテナからフィーダーを地上に引き降ろさなければ、アンテナカプラに繋げない。そして、無線機にもつながらない事になり、単に飾りに終わってしまう。また、平衡給電用の平行線フィーダーなのでこの線の間隔を保たなければならない。この為に、間隔を保つグラスファイバーでできたパイプのスペーサーを1m間隔で組み付けてはあるが、今度は支柱にしっかりと止めなければ、風に吹かれて何とやらである。
アンテナの簡易な絶縁物の材料として塩化ビニール製の物を使っているのをみかけるが、当地のような海岸では、台風時の荒れ狂う太平洋からの南風、三河湾から吹く冬の北西風は潮風である。過去に、水道用の塩ピパイプをダブレットアンテナの絶縁に使ったところ、強風の後に原因不明の受信感度の低下、送信の異常を呈し、そして、雨の後に回復するという現象に悩まされたことがあった。解かってみれば、単純なことで、塩ピパイプにそって放電した痕跡が見られ、炭化した条跡を発見した。この炭化した条跡が、絶縁破壊して導通状態になったのではと想像される。手抜きの最たるものだったので、早速、定番のタイト製の波型碍子に交換して、この現象から開放された経験がある。
この苦い経験(手抜き)から、アンテナ系の絶縁にはタイト製の部品を必ず使う事とした。この為に,ラグチュウに明け暮れるお馴染み局から譲って貰った(贈られた?or 無心した?)ノップ碍子を使い、一工夫してみた。これを支える絶縁物としては、安価な塩ピの水道パイプを止む無く使うこととしたが、一応フィーダー線はノップ碍子で高周波的な絶縁を保てるものとしてこの方式を採用した。