MZ-800のお部屋

 MZ-800はMZ-700との互換性を持った後継機で、海外でのみ販売されました。外見はMZ-1500に似ていますが異なるアーキテクチャのマシンで、ハードウェアスクロール可能なグラフィック画面を持っていたり、640×200ドットモードで80桁表示ができたりと、かなり700/1500とは毛色が違います。

 2011年7月、eBayで海外発送可能な業者からMZ-800が出品されているのをたまたま発見して、落札してみました。

海外仕様を日本で使えるようにする

 MZ-800は色々な部分がヨーロッパ仕様になっていますので、日本で使うには困る部分があります。特に の2点をなんとかしないといけません。

 電源は国内版MZ-700/1500のものに入れ替えてしまうのが一番簡単です。外付けプロッタプリンタMZ-1P16用の電源ジャックが無い以外は完璧に置き換え可能です。

 映像出力の問題は、PALのコンポジット出力を受け付けるモニタを使うか、PALの垂直周波数50Hzに対応している機器の組み合わせでアップスキャンコンバートする(マイコンソフトXRGB-2とEIZO L997など)なら無改造のまま使用可能です。
 そうでない場合は、出力をNTSCに変更して使うことになります。

(2012/4/24 追記: マイコンソフトXRGB-mini FRAMEMEISTERがPALに対応したので、これを使ってDVIやHDMIを受け付けるモニタやテレビに無改造で出せるようになりました)

NTSC化改造

 MZ-800のマザーボード自体は、PALだけでなくNTSCでの出力にも対応しています。NTSCに固定するだけなら、水晶発振器の近くにあるジャンパ(JP1)を取り外し、17.7344MHzの水晶発振器を14.31818MHzのものに交換するだけでOKです。NTSC化すると一部クロックが変わりますので注意が必要です。

 手持ちのMZ-800では簡単にPALに戻せるようにしておきたかったので、通常は使用しない外付けデータレコーダの極性反転用のディップスイッチから線を引っ張ってきて、14M/17Mのクロックを選択する回路を載せました。

NTSC/PAL各モードでのクロックの違い
クロックPALNTSC
Φ17.734475MHz14.31818MHz
CPU φ3.546895MHz
(Φ/5)
3.579545MHz
(Φ/4)
8253 Ch.01.1084MHz
(Φ/16)
894.88625kHz
(Φ/16)
8253 Ch.1
(HSYN)
15.611kHz
(Φ/1136)
15.7kHz
(Φ/912)
VSYN50.036Hz
(HSYN/312)
59.922Hz
(HSYN/262)

PixelPALNTSC
HDISP320320
HBLANK248136
HTOTAL568456
VDISP200200
VBLANK11262
VTOTAL312262

 NTSC化することでRGB出力は国内版MZ-700と同様に使えるようになりますが、カラーエンコーダがPAL仕様のままのため、コンポジットビデオ出力は正しく発色されません。MZ-700/1500のカラーエンコーダとの交換は、コネクタのピン配置が一部異なる(C-VIDEO→GNDなど)ためやめておいたほうがよさそうです。

RGBIの16色表示

 MZ-800はRGBIによる16色表示が可能ですが、当然ながらRGBIモニタが必要です。

 MZ-800は700/1500と違い複合同期信号(CSYNC)を出力していないため、21ピンRGBコネクタを経由して出力するなど複合同期信号を必要とする場合は水平同期信号と垂直同期信号から作ってやらねばなりません。

 というわけで、カラーエンコーダを置き換える形でRGBI→アナログRGBコンバータを作ってみました。アップスキャンコンバート機能はないので15kHzの映るモニタが必要ですが、VGAコネクタからLCD-8000Vなどに・ミニDIN8ピンコネクタからFRAMEMEISTERに接続し、16色表示ができるようになりました。
 パレットの正確な仕様はわからなかったので、I=0のカラーはRGB成分をだいたい50%・グレーは33%と66%ぐらいに適当に設定しています。

(以下工事中…)


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