メルコのSDAT方式HDD DSC-UE3.2Gを改造する

DSC-UE3.2GのHDDを入れ替えると動かない

 ノートPCで使っていたIDEの2.5"HDD(20GB)をX68030に内蔵しようと思い、SCSI⇔IDE変換タイプの外付けHDDのジャンク DSC-UE3.2G をハードオフで買ってきました。ところがこの DSC-UE3.2G、もともと入っていたHDDは正しく動くのですが、他のHDDに入れ替えるとエラーを示すLEDが点滅しっぱなしになり、動作しません。大容量のものがダメなのかと思いきや、4GBのHDDでもダメです。
 これではほんとにゴミを買っただけになってしまう。もったいないのでダメもとで改造してみます。

改造できるか検討してみる

 SCSI⇔IDE変換基板を眺めると、ワンタイムROM・PLCCパッケージの27C256がソケットに挿さっているのがわかります。このROMに変換基板のコントローラであるH8のコードが入っています。ファームウェア書き換えについては、PLCC版27C256の入手がめんどくさい&たぶん高いので、この際もともとついていたROMを上書きしてしまうことにします。ワンタイムROMとはいえ書き込み(ビットを1→0にする)は何度でも可能で、都合のいいことにH8のNOP命令は 0x0000 ですので、現在ROMに書かれている命令をNOPで上書きすることならできます。

パッチを当ててみる

 ATAコマンドのIDENTIFY DEVICEを投げているとおぼしきところから追っていくと、怪しい部分が2つ見つかりました。  ということで、これらのチェックでエラー処理に飛んでいる分岐命令をNOPで上書きしてみたところ、20GBのHDDを接続してもエラーにならずに起動するようになりました。めでたしめでたし。当たり前ですが、20GBのHDDを接続しても9.1GBまでしか使えません。

【変更箇所】
オフセット変更前変更後
1B165800
1B174000
1B180000
1B191400
オフセット変更前変更後
44385800
44396000
443A0000
443BA400
※ファームウェアのバージョンによってはこの通りでない可能性があります

内蔵しましょう

 といってもこちらのページの通りにしただけ。2mmピッチの40ピンコネクタが入手困難なため、ターミネータを取り外してソケット化する方法がたいへん参考になります。X68030の内蔵HDD用ステーは2.5"SCSI HDD用で、2.5"IDE HDDと穴の位置が異なるため、そのまま取り付けるとネジ2本でしか固定できません。そこで、ドリルで3.5"HDDに合う穴を開け、AT互換機の3.5インチベイに2.5"HDDを取り付ける金具と金属スペーサを使って「ステー - 変換基板 - HDD」の2階建て構造にしています。

まとめ

 SCSI⇔IDE変換基板目当てでジャンクを漁るときは、DSC-UExxGには気をつけましょう。DSC-UxxGTRとかI/O DATAのHDVS-UMxxを探すのがいいらしい?


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