「……わたしも……わたしも、ずっと先生の事………」
胸がつまって、それ以上言葉を続けられない。 「そうか……ありがとう……」 ううん、ううん。わたしの方が先生に感謝したい事、いっぱいいっぱいあって……。 嬉しい……… (君を、失いたくないんだ―――) 先生の言葉が、わたしの事を想ってくれていた言葉が、胸に、からだ全体に広がり、 「来なさい。伝えたいことがまだ山ほどある。ドライブをしよう」 わたしに微笑みかける笑顔は、眩しいくらい素敵で、輝いていて――― 我慢できなくて、わたしは先生に抱きついた。 そのあたたかさ…… わたしは一層強く抱きつき、その胸に顔をうずめる。 先生……わたしね……ずっとこうしたかったんだよ。 幸せにからだがふるえた……幸せで……嬉しくて嬉しくて嬉しくて。 先生の手が動き、少し心配するようにわたしの髪を撫でる。 瞬間、時間が止まったような錯覚。 ―― ドキン ―― 鼓動が一つ、高鳴った。 「さあ、行こう」 先生 ……… 今、キスするところだよ、キスするとこ! ……ま、いいか。『らしさ』に笑いもこみあがる。 先は長いよ。ね、先生。 「はい。どこまでも行きますから!」 その言葉に、ふっと笑う愛しい人。 差し伸べられる大きな手。 柔らかい春の陽射しに包まれ、光がきらきらと舞う中に (おわり)
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