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神戸ワイン
〜輝け 西日本の巨星〜
外観
神戸市の西区にそびえたつ「神戸市立農業公園・ワイン城」。周辺には樹が繁り花が咲き、いったい何台停まれるのかもわからないほどの広大な駐車場も完備されています。何より圧巻なのはその周辺の丘陵地帯に延々と続く葡萄畑でしょう。総栽培面積300ヘクタール以上は伊達ではなく、まさに西日本最大のワイナリーの名にふさわしい外観を備えています。

ワイナリーが建設されてからすでに20年以上が過ぎているために、それほど施設そのものは新しい雰囲気はありませんが、赤レンガの続く道や植木の配置などはワイナリーらしい味わいを醸し出しています。
歴史
神戸ワインの歴史については公式ホームページに掲載されているのでそちらを参照してください。神戸というと葡萄栽培の実績がまったく無さそうなイメージがありますが、明治初期には政府の葡萄栽培奨励によって兵庫県に播州葡萄園と呼ばれるワイン用葡萄の大試験農場が作られていたことからもわかるようにけしてワインと無縁の土地ではありません。

公式ページに掲載されている情報とは別に、神戸ワインの基本的なコンセプトに多大な影響を与えた人物がいるので、本項ではその点について簡単に触れます。その人物とは神戸ぶどう果樹研究所所長であった三田村雅氏です(2004年現在は三田村氏は定年退職し農業部顧問に就任)。
三田村氏はドイツ・フランスで、ワインの栽培・醸造技術とその精神を学び、帰国後はマンズワインに就職し栽培などの研究に成果を残しました。その後、神戸みのりの公社の要請によりそのマンズワインを退職し、神戸の地で葡萄栽培の責任者として就任します。
三田村氏、ひいては神戸みのりの公社の運営で特に目立つものといえば、

・葡萄の凝縮感をワインに反映させるために、垣根栽培を徹底。
・輸入ワインや輸入原料はもちろん、他県産の葡萄もいっさい使用しない。神戸産葡萄のみを使用。

の2点でしょうか。前者はその葡萄が持つ個性を出すために行われていることですが、神戸ワインでは契約栽培畑の面積あたりの収穫量も制限する(制限の量は年ごとに異なります)などして、さらに凝縮感を高める努力をしています。垣根栽培と棚栽培のどちらが日本において優れているかは賛否両論あるので必ずしもこれが正しいかは判断できませんが、ワイン用葡萄の栽培に妥協のないことがわかります。
後者は1979年醸造を開始した、しかも大規模なワイナリーであることを考えるとワインに対する信念なしではなかなか貫きとおせない方針です。三田村氏が”ワインはその土地を表現するもの”という精神をヨーロッパで学んできたからこそともいえるでしょう。創立当初は輸入バルクワインの業者から頻繁に電話がかかってきて、それを断ると「使わなければやっていけるわけがない」とまで言われ、かなり不愉快な思いをしたこともあるそうです。
醸造方法は瓶づめも含めた低温による管理の徹底により、果実味のあるワインを作ることが念頭におかれています。加えて葡萄のポテンシャルを重視する方針であるため、可能な限り醸造工程を減らすなどといった工夫もされています。
他に面白いのは、社員に対しては絵画や音楽などの芸術に触れるのを奨励していることです。感性を磨かなければ良い葡萄を作ることはできない、という思想を明白にもっていることの表れでヨーロッパの葡萄栽培の発想を強く受けているように感じられます。

現在の生産量は約90万本。ごく少数、高価格帯のワインがありますが、2000円以下の低価格帯のワインが主力となっています。
畑に関しては、契約・自社合わせて312ヘクタールという広大な土地をもち、ワイン用葡萄のみを栽培しています。加えて前述のように、文句なし100%の神戸産ブドウによるワインのみを醸造しています。輸入ワインや、他県の原料に頼ることなく、年間90万本もの生産を行うことは志が高くなければできない偉業とさえいえるでしょう。
なお、株式会社神戸ワインは、神戸みのりの公社の関連会社で、こちらが販売等を担当している会社となります。

残念なことに神戸ワイン・神戸みのりの公社の経営状態は芳しくありません。売上げは1998年をピークに下がり始め、逆に農家の葡萄生産量は増えた関係で、売れ残った在庫がたまっている状態です。農家の生産葡萄を全量買い取る制度をとっていることも赤字の一因となっています。このため2003年には第三セクターの不採算部門の一つとして、営業方針の変更などが市議会の論議の対象となりました。
神戸ワイン・神戸みのりの公社は、売上げを確保しつつワインの向上を行うという、難しい舵取りをする必要にせまられています。

施設の概略
神戸ワイン城は有料の施設で、入場料は一人400円がかかります。他の施設と併設しているワイナリーなどは、その施設自体の入場料がかかりますが、ワインプロパーで入場料がかかる神戸ワインは少し珍しいワイナリーであるといえます。神戸ワインの自信のほどがうかがえるといったところでしょうか。

ツアーの項で記述しますが醸造施設の見学は自由で、ツアーを頼まなくても見て回ることができます。
ワインの販売所内では、ワインの販売及び無料のテイスティングが行われています。ここには神戸ワインの歴史や神戸の風土がワインに適地であることを説明したレセプションルームもあります。
試飲できる銘柄はかなり少なく、2000円を越えるようなものは試飲はありません。どうしても飲んでみたいというかたは直営レストランで飲むほかないでしょう。また、これだけの規模のワイナリーでありながら本格ワインに非常にこだわっているためワインを飲みなれない観光客向けの商品があまりないというのも特徴です。ただ、種類は多くありませんがフルーツワインも販売しており、こちらは無料試飲が可能です。

ワイン城内には「ホテル神戸ワイン」があり、宿泊できます。宿泊施設のあるワイナリーはかなり少数ですが、その少ない一つといえるでしょう。我々は宿泊する余裕がなかったので、このホテルについて詳しくコメントすることはできません。

他にも1000席以上もあるバーベキュー施設(※)や直営レストランもあり、家族旅行で楽しめる施設はほとんどそろっています。神戸ワインに行き、広大な葡萄畑をみながら神戸産のワインを飲み、バーベキューをするというのもなかなか贅沢な時間のすごし方といえるでしょう。

※このバーベキューは材料はワイン城内の売店で買う必要があります。販売されている牛肉は昔は神戸牛100%だったのですが現在はもろもろの事情によって100%は実現できていないそうです
銘柄: 神戸ワイン カベルネ・ソーヴィニヨン 2000
生産元: 神戸みのりの公社
価格: 5260円(税込)
使用品種: カベルネ・ソーヴィニヨン(神戸産100%使用)
備考 神戸ワインで最上位のワイン。私と、かのや酒販店の店主、馴染みのワイン・ビストロのソムリエの三者によるコメントを記載させて頂きます。
管理人「色合いはかなり色素が濃い暗い赤。抜栓したては閉じていましたが、時間とともにインクと金属の香り、わずかにカラメル香と杉の香りがしてきました。ワインの涙はアルコール分がさほど高くないのに複雑です。
タンニンはミディアムで、熟成による甘いニュアンスがあり、収斂味が明白にあります。余韻は中程度で果実香があります。バランスは高く、高級ワインの風格を備えています。」

かのや酒販店「開けたては落ち着きが無く、硬かった。しかし時間とともにマイルドになり熟成した甘味がでてきます。価格が5000円以上というのは高いが、余韻は長く、高級ワインの要素を持っています」

知人ソムリエ「色は濃い。果実味にはリキュールのような印象をもつ濃縮味があり、樹齢の古い印象を受けます。オーストラリアのワインに似た濃縮感も。
アタックは優しく、後半にかけて強さが現れます。含み香は枯葉、腐葉土といった深くて奥行きがあるもの。タンニンと酸にも奥行きがあり、ノーブルと比べると明らかに上級ワインです。」
飲んだ日: 2004年10月14日


外観  歴史  施設の概略  葡萄畑  直営レストラン  ツアー  テイスティング  購入方法  アクセス  管理人のワイン記録 
葡萄畑
神戸ワイン城内のレセプションルームにも解説がありますが、神戸は瀬戸内海に面している関係上、「日本の地中海」と呼ばれるように気候条件が特殊で降雨量が日本国内では比較的少く、国内ではブドウ栽培には向いている気候です。

それを反映してというわけではありませんが神戸ワイン城の中の斜面には、いたるところで葡萄が栽培され、わざわざ探さなくても必ず見つかります。
ワイン城内の葡萄は斜面の日当たりの良いところに植えられており、そのすべてがヨーロッパ品種・垣根栽培です。栽培方式はコルドン方式で、中には年数を経た樹もあり、このワイナリーの歴史の一端を垣間見る思いがします。

が、神戸ワインの葡萄畑は施設内にはとどまりません。というよりは、施設内にある葡萄畑はいわば氷山の一角(それでも並みのワイナリーとはくらべものにならない面積がありますが)。契約・自社畑の総面積312ヘクタールは伊達ではなく、このワイン城周辺の丘は全て葡萄畑といっても過言ではありません。
もし車などでワイン城の周辺をドライブすればひたすら葡萄畑が続く光景に驚くはずです。しかもその全てが垣根栽培でワイン用に醸造されているのです。
これほどに一つのまとまった広大な地域がワイン用葡萄畑になっているというのは日本ではここだけかもしれません。まさに”驚嘆”という言葉がふさわしい葡萄畑です。

直営レストラン
「レストラン神戸ワイン」では言うまでもありませんが、神戸牛を贅沢に使用した料理を食べることができます。
ただ材料が贅沢な分、値段にもそれが反映されていることも言うまでもありませんから、お財布の中身を確認したほうがいいでしょう。

このレストランでは自社ワインのグラス販売も行っており、売店の試飲に並んでいないような銘柄も、ここで飲むことができます。あまり無料試飲の銘柄が多くはないので、私たちも高めの有料試飲という感じでここでいくつかのワインのテイスティングを行っています。
ちなみに懐具合の関係で料理は無しでした(※)。

※ おいしそうに神戸牛のステーキを食べて談笑している家族連れの隣の席で、ワインだけを注文し、必死になってテイスティングのコメントを仲間同士で言い合う姿は、想像すると慄然とする光景です(−_−;。
テイスティング
テイスティングは無料で販売されている銘柄のいくつかを試飲することができます。試飲可能なワインのなかにはフルーツワインまでありますが、高価格帯のワインはテイスティングはできないようです。総じて試飲可能な銘柄はあまり多くないといえます。
以下に試飲した銘柄の簡単なテイスティングコメントを記述します。参孝程度に読んでください。
※このなかにはレストランのグラス販売で飲んだワインも含まれています。

セレクト 白(やや甘口):価格は1228円。リースリングなどを使用しており、ジャスミンやリンゴ、桃の香り。フルーティーでかなりすっきりしたワインなので、サラダのお供にしたり暑い時に飲むといいかもしれません。凝縮感は薄め。

セレクト 白(やや辛口):価格は1228円。シャルドネを主に使用。香りの第一印象は「桜餅」。ちょっと面白い香りのワインになっています。全体におとなしいワインなので、軽い味わいの食事にあわせるといいと思います。凝縮感は薄め。

セレクト ロゼ:価格は1228円。使用品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー等。カシス、チェリー、イチゴといった果物を連想させる香りがあります。わずかにタンニンがあり、果実香もあります。ただ、アタックやインパクトはそれほどないのでやはり軽い味わいの食事向きです。

リースリング:価格は2110円で、やや甘口。数多くのワインの論評家から好評を博したワイン。とにかく香りは驚くほど複雑で華やか。ローズマリーやミントなどの若々しいハーブ香やリンゴ香、ライラックを連想させる香りもあります。いざ口に含むとあまり神戸ワインの低価格ワインと変わらないおとなしい印象を受けました。特に酸味が不足しているために、海外の甘口リースリングと比べるとどことなく味わいに厚みがない気がします。
ところが、このリースリングは神戸ワインによると超長期熟成タイプで、リリース時点では全然飲み頃ではなく、リリースしてから2年(ヴィンテージから5年以上)の歳月が過ぎてから飲むと、非常にレベルの高いワインになるそうです。飲み頃に5年以上というのは、白ワインとしては極少数派に属するといえるでしょう。

総合的にみると収量制限などを行っているわりには、白ワインは香りはよいのですが凝縮感をそれほど感じない薄めのワインが多い気がします。赤ワインに関しては、管理人のワイン記録に譲りますがしっかりとした収斂味や、日本ワインとして標準的なレベルのタンニンもあり、「赤ワイン」という名に恥じないレベルです。神戸ワインの赤ワインには”エレガント”という表現が一番いいかもしれません。あまり強力な個性はないのですが、素直でバランスの良いワインです(注意参照)。

ただ試飲できる銘柄が少ない(4〜6種類ぐらい)というのは、ちょっと残念。3000円のメルローや5000円のカベルネの試飲をさせてくれとはいいませんが、それより低価格のものに関しては自由に試飲させて頂きたいところです。

注意⇒神戸ワインの赤ワインは飲んだ経験上、いわゆる「開く」のが遅い傾向がありました。従って、飲む1時間前から抜栓することをお奨めします。開けたてだと、香りもなく薄いワインですが、時間がたつと別物のように香りと味がのってきます。ただ、発売時点での熟成期間が長いこともあってか、低価格のワインほど飲み頃の時間が短いようで、スペシャルなどは4時間ほどたつとかなり香りが落ちます。
面倒なようですが以上の点に気をつけると、ぐっとおいしく飲めるかと思います。なお、管理人がこの事実に気が付いたのはほとんどボトルを空けてからでした・・・くやしい〜(T_T)
神戸ワインの方々も私と同じ認識をなさっているようなら、ぜひとも注意書きに「コルクを抜いてから1時間置いておくとよりおいしくなります」と書いて頂きたいところです。

購入方法 
ワインの販売はワイナリー内の販売店と、公式ホームページからの通販、酒販店などで行われています。神戸市内はもちろん兵庫県や近隣の県には多く出回っているので目にする機会は少なくないはずです。

ワイナリーアクセス

アクセスに関しては神戸ワインの公式ホームページに詳しく説明されているのでそちらを御参照下さい。

総論
巨大ワイナリーでありながら純国産に頑固というまでにこだわり、しかもほとんどがワイン用のヨーロッパ品種という凄まじいワイナリーです。これほどの骨太の方針を貫いているワイナリーは中小問わず、どれほど国内にあるのだろうと考えてしまいます。
この志高いワイナリーに対してあまり批判的なことは書きたくないですが、規模に比べて少々本格ワインに徹底しすぎている気がしなくもありません。第三セクターワイナリーの多くはワインを普段はほとんど飲まない高齢の観光客に向けて甘口ワインや甘味果実酒を作り、それを前面にだしていますが、神戸ワインはこういった側面をあまり持っていないように見受けられます。これは海外ワインをある程度飲んだ人間には受け入れられまた賞賛されるものですが、逆にいうとワインをほとんど飲んでいないような人にとっては少し敷居の高さを感じさせる面ではないでしょうか。少なくともまだまだ日本のワイン消費文化はヨーッロパには程遠い状態であるからには、もう少しその文化の差を埋めるワインを増やしてもいい気がします。

品質について個人的に飲んだ感想は、インパクトよりもトータルバランスや、エレガントさを重視した造りといった印象を持ちます。白ワインは香りは華やかなのですが、全体に味わいに欠けた感じが否めなかったのは残念です。もっとも神戸ワインのリースリングのように超長期熟成タイプの白があることを考えると、一概に「ダメ」とも言い切れませんが。
赤ワインに関しては、飲むのにふさわしい時間を選べば国産としては充分なレベル。日本ワインというよりはフランスワインに近い上品さを持っています。ただ、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローなどの高価格帯の銘柄は値段は少し高めかなという印象をもちました。

コストパフォーマンスでみるとそのほとんどがシャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、リースリングといったヨーロッパ品種で醸造されていながら2000円以下で販売しているというのは注目に値します。純国産ワインらしい繊細さや、滑らかな喉越しなどの特徴がありながら、これだけ気軽に買えるというのは消費者にとってはありがたいかぎり。銘柄によっては「やや不満」ということを私は書いていますが、値段のことを考えると、買って損はないことは確かです。ただ、テイスティングの項でも書いたように、熟成が進んでいる関係もあってか抜栓してもなかなか香りが開かず、一時間ぐらい置いておいてから華やかな芳香が漂ってくるなど飲み頃の見極めが難しいというのは楽しくもあり、困るところでもあります。

現在、経営が苦しく、存在が問われている神戸ワイン・神戸みのりの公社ですが、ワインはやはり50年、100年のスパンで考えるものである以上、まだまだこれからが真骨頂のはずです。
我々も一本でも多くの神戸ワインを買い、十年後、あるいはもっと先の神戸ワインに投資してみるべきでしょう。それだけの価値は充分にあることだけは間違いありません。
神戸ワインの自社畑。この写真ではわかりませんが、あちこちが葡萄畑だらけです。
社名  (財)神戸みのりの公社 / 神戸ワイン
住所 兵庫県神戸市西区押部谷町高和1557-1 電話番号 078-991-3911
取寄せ オンラインショッピングあり HP http://www.kobewine.com/
自社畑あり 契約栽培畑あり ツアー等 入場料400円
あり(無料・予約不要)
テイスティング可(無料)
栽培品種 リースリング、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、他 営業日 年中無休(9:00〜17:00)
★  2004年5月4日、2004年10月20日
備考:神戸産葡萄のみ使用、第三セクター、直営レストラン「レストラン神戸ワイン」経営、ブランデー製造、
    直営ホテル「ホテル 神戸ワイン」経営
地下セラー。樽もセラーもかなり年季が入っています。樽は全てフレンチオークとなります。
銘柄: 神戸ワイン ノーブル 2000
生産元: 神戸みのりの公社
価格: 1848円(税込)
使用品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー(神戸産100%使用)
備考 神戸ワインのアサンブラージュ(ブレンド)したワインの中で上位のワイン。今回は私と、かのや酒販店の店主、馴染みのワイン・ビストロのオーナーソムリエの三者によるコメントを記載させて頂きます。
管理人「色合いは黒みがかった赤。4年たっていますが、茶褐色の色合いはまったくなく健康的な印象。ワインの涙はアルコール分がさほど高くないのに複雑です。香りには金属香とカシス香がありますが、樽香はほとんど確認できません。タンニンはライト〜ミディアムの間といった感じで、濃縮感はありませんが収斂味がしっかりあり、酸味もしっかりしています。余韻は短いながらも果実香がきちんとあり、とても素直なワインという印象。おすすめしたい一本。」

かのや酒販店「短いながらも余韻があるのが好印象。収斂味は見事です。香りはおとなしいですが、バランスはよく、1800円の国産ワインと考えると充分なレベルのワイン。」

ソムリエ「カベルネ由来のししとう、ピーマン、カシスのほかスパイシーな香りも。軽快なワインという印象。酸もタンニンも温和でキュート。バランスが良く、含み香にはベジタブルなカベルネの香りと果実香があります。」
飲んだ日: 2004年10月14日
銘柄: 神戸ワイン スペシャル
生産元: 神戸みのりの公社
価格: 1375円(税込)
使用品種: カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー(神戸産100%使用)
備考 開けたては香りが完全に閉じていて、この時に飲んでもあまりおいしくありません。抜栓して一時間ぐらいしてからが、真価のようです。
色は明るく鮮やかな紅。口紅やイチゴ、えりんぎのような香りも。
味わいはマイルドで、濃縮感はありませんが、軽いタンニンと酸味があるので全体のバランスはとれています。
ノンヴィンテージですが瓶熟が進んでいるらしく、開けて4時間ほどたつと、香りが落ちてしまったので飲み頃がきたら早めに飲んだほうがいいかもしれません。
飲んだ日: 2004年10月23 日
銘柄: 神戸ワイン メルロー 2000
生産元: 神戸みのりの公社
価格: 3160円(税込)
使用品種: メルロー(神戸産100%使用)
備考 神戸ワインで厳選されたメルローで醸造された、上級ワインです。
開けたては香りが完全に閉じていて、この時に飲んでもあまりおいしくありません。抜栓して一時間以上置くのがよいようです。
おとなしめの果実香が主体。ワインに含まれるアミノ酸の甘さ味わいと、きめ細かいミディアムボディクラスのタンニンがあります。
喉を通った時の飲み心地がとても優しい、神戸ワインの特徴が良くでています。
値段相応かどうかは別にして、バランスのとれた上級ワインです。
飲んだ日: 2004年10月23 日
ツアー
ツアーは無料ですが、施設内にある受付で申し込む必要があります。申し込んでおけば専門の添乗員に神戸ワインの施設をめぐりながら説明をしてもらうことができます。

まず、水によって冷やされた貯蔵タンクをみながらワインの醸造についての解説があります。基本的には低温長期発酵によるフレッシュな味わいの残るワインを目指していることも説明されます。

次に地下のセラーに行き樽を見ながら、樽熟成についての説明があります。樽は樽香が少なくなってきたところで宮崎の洋樽メーカーに依頼し、削ってもう一度ローストして、再びその樽を組みなおして使用するとのこと。西日本のワイナリーのいくつかは焼酎メーカーの樽職人や、樽屋に渡して樽の再生を行うところがありますが、樽作りや修繕ができる職人や設備のある会社は日本では少数であるため再生するワイナリーは少数派です(※)

最後に外に出て自社畑を眺めながら、その広大な自社畑の広さや全てが醸造用に栽培されていることが紹介されます(このときにバーベーキューやレストランについての説明、というか宣伝もあります)。

短いツアーですので20分程度を目安にしておくのがよいでしょう。

※日本のワイナリーでは何度か使用して醸造には適さなくなった樽は、通常は廃棄されます。たまにこれを使って工芸品を作っているユニークなワイナリーもあったりしますが、どちらにせよ樽を再生できるのは職人が近い地域にいるワイナリーや、自社に準ずる技能を持った社員がいるところに限られています。なお、再生には削った樽材を組み合わせて規定の容量の樽を作るなど、高度な技術が要求されます。
ちなみに日本の樽の輸入会社は九州にありここで樽の再生を行っています。また樽修理ができる職人は四国や関西の焼酎メーカーに多くいるようです。
平成16年度の収穫中のリースリングの写真。非常に良年だっ
たそうです。ゆえにますます熟成に時間がかかることに・・・
(写真は神戸みのりの公社の資料より掲載致しました。ただし画
像圧縮により解像度が低くなっています)
こちらはワインオーナーのカベルネ・ソーヴィニヨン。樹の中央に
名札を一人一枚付けています。神戸ワインは樹に出資してその樹
のオーナーとなる制度があります。オーナーの特典等については
公式ページを参照してください。
(写真は神戸みのりの公社の資料より掲載致しました。ただし画像
圧縮により解像度が低くなっています)