いとうわんぱくクリニック

3.ワクチンの効果と副作用


2.ロタウイルス胃腸炎とは

ロタウイルスワクチンについて

1.「ロタウイルス」とは?

2020.9.2 改訂

 ご希望の方は以下をよくお読みいただいた上,オンラインで予約をお願いします。
当院では2回接種のロタリックスに加え,2016年7月1日から3回接種のワクチン(ロタテック)の扱いを開始しています。2020年10月1日から、2020年8月1日生まれ以降の小児を対象に公費接種がはじまります。

2種類のワクチンがあります。
3回接種の「ロタテック」は5種類のロタウイルスに対するワクチンです。
2回接種「ロタリックス」は1種類のウイルスに対するワクチンです。
どちらのワクチンを使用しても効果に大きな差はありませんが,受けられるのはどちらか一方のワクチンのみです。

どちらのワクチンも生後6週から14週6日までの間に接種を開始するようにして下さい。
(1) ロタリックス: 生後6週から24週の間に,4週間以上開けて2回接種します。24週を超えると接種できなくなります。
(2) ロタテック: 生後6週から32週の間に,4週間以上の間隔で3回接種します。32週を超えると接種できなくなります。

四種混合ワクチン,Hib,肺炎球菌ワクチン,B型肝炎との同時接種ができます。
免疫の異常がある方,腸重積の既往・胃や腸の先天異常をお持ちの方は接種できません。

4.接種方法

ウイルスが口から入ると,数日で発熱,嘔吐,下痢が始まります。嘔吐,下痢とも激しく,1日に数十回嘔吐
したり下痢することもあります,発熱も40℃くらいになることもあります。便は「白い便」と言われるようなクリーム
色になります(これはロタウイルスだけではなく,他のウイルスの胃腸炎でもよく見られます)。
症状が激しければ脱水,低血糖だけでなく,肝機能異常・腎機能異常や,まれにけいれん,脳症を起こすことも
あり,この点がノロウイルスに比べて怖いところです。

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右の写真の様な形のウイルスで,こどもの嘔吐下痢症の原因の代表格です。最近ノロウイルスの方が有名ですが,毒性はノロウイルス以上です。伝染力が非常に強く,大人も感染し,「一家全滅」させるくらいの毒性を持ちます。アルコール消毒は効果なく,家庭では塩素系洗剤が有効です。
ヒトに感染するウイルスは大きく3つのタイプがありますが,細かく分けると700種類以上になります。

ワクチンは飲むワクチンです。ロタウイルスのすべてのタイプに免疫を作ることはできません。
予防効果は90%程度です。内服後数%程度で嘔吐,下痢が見られることがありますが,
重大な副作用はないとされています。ただ内服後不機嫌になる場合が5-10%あるようです。
接種後,便から10日くらいワクチンのロタウイルスが排出されます。この間はしっかり手洗いなどをして下さい。
接種後激しい嘔吐が見られるときは診察が必要です。
接種後は約3年効果が持続するとされています。

全額自費です。接種の補助はありません (2020年10月1日から公費接種が開始されます)

5.料金

ロタリックス(2回接種)    1回 13,500円

ロタテック(3回接種)     1回   9,000円

非常に高価なワクチンとなります。上記をお読みいただき御納得の上,接種されるようお願いいたします