大人の予防接種というとどんなものがあるでしょうか。毎年秋から冬にかけて大騒ぎしているインフルエンザが有名です。あとは、肺炎球菌ワクチンなどがあります。
インフルエンザワクチン これはインフルエンザに罹らない、または罹ったとしても軽症で済むように、とくにどの年齢の人にと言うわけではなく、勧められていますね。特に高齢者がかかると重症化しやすく、命をおとしかねません。でもこれは、風邪に罹らないためのワクチンではありません。勘違いしないでください。
肺炎球菌ワクチン 肺炎の中でも肺炎球菌によるものを予防できます。細菌による肺炎の中で、原因菌のうち肺炎球菌が占める割合は3割を超えています。しかも高齢になってこの肺炎に罹ると重症化します。予防できた方がいいに決まっています。現在肺炎球菌ワクチンには2種類あります。ニューモバックスと呼ばれるワクチンについて公費助成が受けられます。もう一つのプレベナーは助成は受けられません。
ワクチンの効果(期間、ブースター効果、対象血清型、再接種の必要性)から両方のワクチンをうつと効果が高いとされています。
当院でも時間的に余裕のある方は、最初にプレベナーを打ちます。半年経ったらニューモバックスをうつことを推奨します。
帯状疱疹ワクチン
小さいときに水ぼうそうはかかりましたか。そのウイルスが神経根というところにずっと潜んでいて、風邪をひいたり、免疫が落ちたり、日光に当たりすぎたりしたときに帯状疱疹を引き起こします。
1年間当たり、60才以上で1000人中6-7人、75才以上になると1000人中15人以上が罹るといわれています。とすると、60才から80才までに5人に1人が罹るくらいの計算になります。2020年に新しいワクチンが出ました。シングリックスというワクチンです。いままでの水痘ワクチンと比べると格段に効果が高いことがわかっています。今までの水痘ワクチンはアメリカでは推奨されなくなったのに伴い、当院も新しいワクチンのみを使用します。但しネックは値段です。1回2万2千円と高価であり、2か月後に2回目を打ちます。
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