この度、歴史科学協議会全国委員会は、「高校日本史教科書検定で沖縄戦における「集団自決」の強制を削除したことに抗議する」声明
  を採択致しました(2007年6月4日)。
                                           

「高校日本史教科書検定で沖縄戦における「集団自決」の強制を削除したことに抗議する」声明


 二〇〇七年三月三〇日に公表された教科書検定で、沖縄戦でのいわゆる「集団自決」に日本軍の強制があったとする内容に検定意見
がつき、修正されたことが明らかになった。
 その理由のひとつには、自決命令を出したとされる元日本軍守備隊長らがおこした訴訟が挙げられている。しかし、これは、現在なお
訴訟継続中のものであり、しかもそこでの検定意見は、その原告の主張のみを取り上げたものである。
 沖縄戦における「集団自決」が日本軍の強制によって行われたことは、すでに多くの証言と歴史学の研究によって明らかにされてきた
ことであり、従来の検定も、それを認めてきた。それにもかかわらず、今回、ひとつの訴訟の、しかも一方の主張だけを取り上げて検定
を行ったことは、余りに恣意的なものであり、強い憤りを感じざるを得ない。
 すでに各方面から多くの抗議の声が挙がっているが、私たちも今回行われた、沖縄戦の事実を歪める教科書検定に対して、強く抗議し、
検定意見の撤回を求めるものである。
   
   
                                              歴史科学協議会全国委員会


戻る