歴史科学協議会

『歴史評論』２０１５年１１月号（第７８７） Historical Journal(REKISHI HYORON)　November 2015 vol.787

特集／２０１５年歴史学の焦点　“Recent Trends in the Historiography”

定価　８８５円 　編集長ブログも随時更新中。

　『歴史評論』では毎年１１月号は、「歴史学の焦点」を特集することが恒例になっています。この「歴史学の焦点」は、近年歴史学界において注目度が高まっている特定の研究課題を取り上げ、それに関して、５年から１０年くらいのスパンで研究動向を整理し、さらには、その先の研究を展望することを目的とするものです。私たち編集委員会は、研究対象とする地域や時代を異にする多くの編集委員から構成されていますが、その編集委員相互の密度の濃い議論を踏まえ、今回は、日本古代の女帝と女官、日本の戦国時代の城郭、ヨーロッパ近世のいわゆる「礫岩のような国家」、近代日本における農業や農村に関する歴史研究、２０世紀東アジア・中国を中心とする「医療社会史」、アメリカ黒人史研究、以上六つの研究課題をとりあげました。いずれの課題も、近年の研究蓄積の充実ぶりが著しい、まさしく「歴史学の焦点」にふさわしいものばかりです。
　お寄せいただいた六篇とも、それぞれのテーマのもとで蓄積されてきた成果を的確に整理・論評しつつ鋭く今後の方向性を提起する意欲的な論考です。これらの研究課題にこれから取り組もうとしている若い研究者にとっては研究を進める上での有力な指針になることでしょう。専攻を異にする読者の皆さんにも、他の研究領域に触れる一つの機会にしていただければ幸いです。
　現在、編集委員会では「２０１６年歴史学の焦点」に向け検討を進めています。来年の１１月号も魅力溢れる「焦点」をお届けいたしますので、どうぞ御期待ください。（編集委員会）