『歴史評論』2014年11月号(第775) Historical Journal(REKISHI HYORON) November 2014 vol.775

緊急小特集/特定秘密保護法問題 “Issues in State Secrecy Law”

定価 885円  編集長ブログも随時更新中。


昨年の今ごろ、国会で審議中であった「特定秘密の保護に関する法律」に対して、日本全国から法案に反対する声があがっていました。歴史科学協議会も、参議院での審議が行われる中、昨年11月に開催された第47回総会において、「特定秘密保護法案の廃案を求める総会決議」を採択しました(『歴史評論』第765号に掲載)。行政機関の長の判断により、際限なく「特定秘密」の範囲が拡大し、何が「特定秘密」であるのかさえ秘密にされるという法案に内在する危険性を指摘し、廃案にすべきことを強く訴えました。しかし、昨年12月6日、多くの反対の声に耳を貸すことなく、法案は参議院を通過してしまいました。法律の施行は公布から1年以内と定められており、今やそれが目前に迫っています。今、改めて、日本の秘密保護法制の歴史と特質に学びながら、特定秘密保護法に内在する問題点への理解を深めるべき時ではないかと考えます。  例年11月号は、「歴史学の焦点」を特集することが通例となっ ていましたが、特定秘密保護法に孕まれる問題の重要性に鑑みまし て、緊急小特集として皆様にお届けすることと致しました。  本年7月、安倍政権は、憲法第9条が禁じ、かつ、歴代の自民党 内閣も「違憲」とした集団的自衛権行使を、一片の閣議決定で「容 認」しました。安倍内閣の暴走は止まるところを知りません。この 情勢の中、私たちはいかに考え、行動して行けば良いのか。この小 特集が、その指針の一つとなれば幸いです。   (編集委員会)
  *  歴史科学協議会第48回総会・大会案内
  *  特集にあたって 編集委員会
論  説 秘密保護法をめぐる状況とその廃止運動の展望
State Secrecy Law and Its Oppositions: Toward the Abolition of the Law
海渡 雄一
KAIDO Yuichi
論  説 日本における秘密保護法制の歴史
History of State Secrecy Policy Measures in Japan
瀬畑  源
SEBATA Hajime
論  説 アメリカの機密指定制度と日本の法制
National Security Classification System in U.S. and State Secrecy Law in Japan
三木由希子
MIKI Yukiko
第48回大会準備号
《歴史における社会的結合と地域U》
ポスト高度成長期の地域政策と地域社会
高岡 裕之
第48回大会準備号
《歴史における社会的結合と地域U》
なぜ、教育委員会制度改革か?―地域から遊離し、地域を支えない教育―
中嶋 哲彦
第48回大会準備号
《歴史における社会的結合と地域U》
権威主義的「教育改革」と学校・地域―大阪の場合―
仲森 明正
第48回大会準備号
《歴史における社会的結合と地域U》
近世和泉国におけるかわた村と地域社会―泉郡信太地域を事例に―
三田 智子
第48回大会準備号
《歴史における社会的結合と地域U》
カースト制度と不可触民差別
太田 信宏
第48回大会準備号
《歴史における社会的結合と地域U》
「穢れ意識」と図像分析―中近世ネーデルラントを中心に―
奥田真結子
科学運動通信 天武・持統天皇の真陵への立入り調査―宮内庁の情報公開が進む野口王墓古墳―
白谷 朋世
書  評 須田勉著『日本古代の寺院・官衙造営』
荒井 秀規
書  評 西澤美穂子著『和親条約と日蘭関係』
吉岡 誠也
書  評 マーク・ガリキオ著、伊藤裕子訳『アメリカ黒人から見た日本、中国 1895―1945』
小阪 裕城
紹  介 奥村弘編著『歴史文化を大災害から守る』
齋藤 瑞穂
  *  加盟組織の活動報告

  *  加盟組織の機関誌案内

声  明 集団的自衛権行使を「容認」する閣議決定への抗議声明

 

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