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独 り 言 (2010年11月分)
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2010年11月30日(火)
午前中。 『死者の書』(ジョナサン・キャロル 浅羽英子 創元推理文庫)を読み終わる。 これって、名作なんだろうか? 基本的に「田舎町の秘密」パターンのホラー。 インテリが田舎町に行ったら、そこの住人が何か変で、隠された町の秘密が明らかになって行くに従って恐怖の事件が! ……というやつ。 私が10代の頃にちょうど横溝正史が流行っていて、このパターンの作品は嫌になるほど読んだ。 (お陰でしばらく「田舎町恐怖症」になってしまったぐらいだ) だからどうしても比べてしまうのだが、どうも主人公の行動が馬鹿みたいで、読んでいて「なんでわざわざ?」と思うよう な、納得のいかないことをやり過ぎる。 (これはアレか? 『シャイニング』のジャックみたいに魔物に取り憑かれてこういう馬鹿な行動をとっているのか?) 昼過ぎ。 ユラユラと、揺れの大きな地震。 時刻:12時25分 震源:小笠原諸島西方沖 深さ:約480km 規模:マグニチュード6.9 東京の震度は、2〜3ぐらいかな? 午後。 パソコンをポチポチ書類書き。 夕方。 買い物に出て、そのまま夕食も済ませて帰宅。 書類書きの続き。 夜。 ちょっと休憩。 「みんなの家庭の医学」で、鬱病特集をやっていた。 周囲に気を使い、頼まれたら嫌とは言えず、やるべきことはきちんとこなすようなタイプが鬱病になるらしい。 鬱病にならない人って、つまりは「嫌な奴」なんじゃ……? ところで、この「鬱」という漢字、常用漢字に入る事になったらしい。 「常用」されるようになって来たのだな「鬱」。 ところでこの漢字の書き順なんだけど「凵」の中の「※」って、「×」を書いてから点で、いいのかな? 休憩、終わり。 しつこく、書類書きの続き。 ……気がついたら1時になっていたので、そろそろ寝る。
2010年11月29日(月)
空も晴れて、気持ちの良い朝。 空が青いので、白いシャツを洗濯して干してみる。 風に揺れて並ぶシャツは、なかなかいい感じ。 昼。 ヘルシーなレタスサンド……に、マヨネーズをぶっかけ、ぜんぜんヘルシーじゃなくして食べる。 午後。 『死者の書』(ジョナサン・キャロル 浅羽英子 創元推理文庫)を再読。 自分が好きな作家の伝記を書こうと思い立った主人公が、作家の家のある村に出かけて行くと……。 出だしは主人公(高校教師)のうんざりする日常が描かれている。 読んでいて、 (アメリカの高校生は、『アッシャー家の崩壊』とかをテキストに授業を受けるのかぁ。羨ましいな) と、本筋にぜんぜん関係ない感想を抱いてしまった。 (細かいことだが「英語教師」という訳語、間違いではないと思うけれど、これはアメリカの話なんだから「国語教師」 の方が良かったのではないかい?) で、予習をして来なかった生徒が『アッシャー家の崩壊』のあらすじを言えと先生に言われ、 「この話に登場する家には案内係(アッシャー)が住んでて……」 と、御期待通りのことを言ってくれ、先生、すっかり教えるのが嫌になる。 ……ちょうど半分ぐらいまで読んだところで日が暮れた。 ニュース。 例の公安警察から流出したっぽい資料の書籍化ついては、やっぱり出版差し止めになったようだ。 まあたぶん、その辺のところは織り込み済みで仕掛けたんだろうな、左翼系出版社。 出版関係で、もうひとつ。 「東京都青少年健全育成条例」の改正案(前に一度否決された法案の改訂案)について、漫画家団体が再度反対声明を出 したそうだ。 この改正案、同じ内容の作品でも、「小説は良いが漫画はダメ」「実写は良いがアニメはダメ」と、石原都知事の作品と その映像化作品だけはうまく引っかからないように出来ているのだ。 (本当に「青少年を保護する目的」だとしたら、普通に考えて、絵で描いたものより実写のほうがまずいと思うが) 「俺と同じジャンルの作品を、より新しい表現方法で発表したものは規制する」というのは、表現者として、どうよ? ……さてと、風呂に入って、寝ようか。
2010年11月28日(日)
天気は良いし日差しは強いのだが、やはり11月。 昼からメンサの例会。 どうせ日が暮れてから飲む予定なので、クリーニング屋に寄って、預けたままのコートを受け取って行こうと思ったら、 日曜日はクリーニング屋が休み。 家までジャンパーを取りに戻るハメになってしまった。 例会。 漢の王昭君の話とか。 絵師が、自分に賄賂をくれなかった王昭君の姿を醜く描いて皇帝の判断を誤らせたという話。 「報道」を行う立場の者にも利害というものはあるのだから、その辺を考慮して判断しないと、判断を誤るというのは、 今も昔も変わらない。 ところでこの逸話、『今昔物語』にも「漢の前帝の后王照君(※)、胡国に行ける語」として載っているのだが、その結 びの文章は、 「此れ、形を憑みて絵師に財を与へざるが故也とぞ、其の時の人謗りけるとなむ語り伝へたるとや」 となっている。 つまり、自分は美人だからとうぬぼれて、素直に絵師に賄賂を渡さなかったのがいけなかったという意味か? (うーむ、当時の人の常識だとそうなるのだろうか???) ※王照君 「今昔物語」の表記では「昭」の字が「照」になっている。 さて、例会では、遅れてやって来た内山氏が、 「崎田さんの声が嗄れている」 とかのたもうて、また鍼の実演。 効いたかどうかは、微妙なところ。 飲み会は北口の「天狗」で。 ビールとカクテルとシャブリという、よく分からない飲み方をしてしまった。 家に帰って、寝る。
2010年11月27日(土)
朝。 昨日、二日酔いに効くという「ウコン」というのを飲んで寝たのだが、効き目は…… どうかなあ? そもそもあんまり二日酔いというのを体験しない節度ある酒飲みだからな、私は。(←この件、重ねて御意見無用!) アメリカのオバマ大統領がバスケットボールの試合中に怪我をしたそうだ。 ソファーに寝転がってプレッツェルを咽に詰まらせるよりはマシな話だとは思うけれど、こういうややこしい時期なんだ から、VIPはもう少し自重して欲しいな。 ところで、この事件を報じた読売のウェブ記事、見出しで「オバマ大統領」ではなく「オバマさん」としていたのは何か深 い意味があるのか? 午後。 公安からネットに流出したと疑われるデータを、書籍にして出版してしまった出版社が現れたそうだ。 この出版社の社長、どうやら公安に個人的に恨みがあったようで(つまり左翼系)、いわゆる、 「わたくし、公安様を困らせることでしたら、どんなことでも致します」 系の動機っぽい。 このデータの流出で困るのは、公安当局と掲載されたイスラム教の関係者。 どっちも共産主義者とは仲が悪いわけだから、彼らが両方とも困ることにおいては、痛くも痒くもない立場なのだ。 そういう色々な立場の人間がいるということを踏まえ上で、日本は情報管理について根本的に見直した方が良いだろうな。 夜。 夕べ録画しておいた「宇宙犬作戦」を観る。 前後編の前編で、自然災害に見舞われた惑星が弱みにつけ込まれて独裁的国家の侵略を受け、それに抵抗する活動家がDC 号に逃げ込んで来て……という話。 前々回あたりからコメディ色を押さえた演出になっているのだが、今回、脚本と演出を担当したのは及川拓郎氏。 ゴールデン版の「ザ・クイズショウ」の脚本を担当した人だ。 舞台劇風の演出で、風間トオル扮する独裁者は歌いながら登場。 敵艦隊との空中戦があったりして、 (これは最終回も近いし、予算を思いっきり使ってしまうことにしたのか?) と思ったのだが、よく見ると独裁者の親衛隊員たちが持っている銃の種類が全部違う。 公式ブログを読んだところ「美術スタッフの私物を使ったため」だそうだ。 そう、節約はそういう細かいところでコツコツとね。(笑) 今回「いいなあ」と思ったセリフ。 主人公であるパイロットが敵の攻撃を右へ左へとかわした挙げ句、敵戦闘機を本艦に激突させて大破させてしまうシーンで、 「あなた、いま人を殺しましたよ」 特撮SF映画のパロディとしては、最高のツッコミ。 そう、ヒーローは人殺しをしているのだよ。 あと、もう少しで終わっちゃうんだよなあ、この番組。 第2期とか、ないかな? 寝る。
2010年11月26日(金)
朝。 窓を開けたら空がどんより。 雨の降った形跡もある。 ウィルキー・コリンズの「家族の秘密」を読む。 医療事故を扱った物語で、なんか重苦しい話だった。 シャーロック・ホームズを読んだ時にも思ったのだが、19世紀のイギリスでは、医師の社会的地位は、かなり低かったの だろうか? 「手術室で不潔な作業をしている」って、まあ、それはそうなのだが、今の感覚では手術室における医師の仕事について、 こういうイメージの描写の仕方はしないよな。 夕方。 空想小説ワークショップへ。 今日は黒崎先生が代講。 プロットのまとめかたについて。 演習は、16ページの漫画(奈知未佐子さんの「越後屋小判」と「妖精のネジ」)を読んで、そのあらすじを文章にまとめ ること。 放課後の飲み会は、いつも通りの「大馬鹿地蔵」。 ビールを飲んで寒くなったので、途中から燗酒に変える。 あんこう鍋をつついて、徳利を傾ける。 すっかり冬の酒宴の風景。 いい感じに酔ったところで、家に帰って、寝る。
2010年11月25日(木)
夕べ『ノルウェイの森』(村上春樹 講談社文庫)を読みかけで寝たら、なんか嫌な夢を見た。 で、その『ノルウェイの森』を午前中に読了。 ストーリーをざっくり言ってしまうと、「一流私大の学生が女とハメまくっているうちに、周りで人が自殺する話」。 主人公のあまりに節操のない下半身に、お仕舞いには「その女とまでやるのかよ?」と、笑いが出る。 しかし、主人公は自分は至って真面目なつもりらしく、年がら年中「自分の内面」を見つめているのだ。 で、「僕は乾いている」とかなんとか言いながら、セックスしまくる。(笑) 普通、こんなことをやっていたら、どこかで修羅場に遭遇すると思うのだが、主人公の周囲の女性達は、みんな物わかり が良いので、そんな主人公を理解し、励ましてくれる女ばかり。 「スクールデイズ」のエンディングで、女の子たちが口を揃えて、主人公に、 「あなたは自分に正直な人なのよ。自分を責めちゃいけないわ」 と、言っているような、そんな感じか? 昭和40年代半ばの学生生活について興味がある人には、参考になるかも知れない。 「どうせ親父の金なんだから」とか言って豪遊するバカ学生は、確かにいたかもね。 年代的には、そういう連中が今の社会の中核にいて「昭和はいい時代だった」とか言っていることになるな。 午後。 駅前までちょっと出かけた。 陽は照っているが、風は肌寒い。 帰宅して、ソニーが来月発売する電子書籍リーダーのニュースを読む。 モノクロの電子ペーパーを使った製品だ。 文字を多く読むユーザーには、カラー画面タイプのものより、こっちの方が使い易い気がする。 問題は、書籍データの互換性。 早く企画統一をしてくれないと…… うちにはベータのビデオデッキとVHD(そんなものが存在した事を知っているか?)のデッキがあるんだぞ!(泣) 夜。 咽が痛くなって来たので薬局で買った風邪薬を飲んだら、2時間ほど爆睡してしまう。 目が覚めたら、9時過ぎ。 起きるのも面倒なので、このまま寝る。
2010年11月24日(水)
朝のニュースは、北朝鮮の砲撃事件の続報。 仙谷さんが朝鮮学校の無償化手続きを停止すると言ったそうな。 朝鮮学校無償化に関しては、すると言えばアッチがうるさく、しないと言えばコッチがうるさいと政府にとって頭の痛い 問題だっただけに、仙谷さん、今回の事件にが大喜びで飛びついたんじゃないか?(笑) 野党は、こんなことで「与党を中心に結束」なんてことになったら大変だとばかりに、 「アメリカのオバマさんは、あなたより3時間も前に非難声明を出したのよ」 と、小姑みたいなことを言っていた。 別に日本政府がアメリカの対応を見てから動くのは今日に始まったことじゃないのに、いかにも「そんなことをしたのは 菅政権だけ」みたいにマスコミにアピールしていた。 やれやれ、こんな時にも永田町の「お家騒動」か。 「陸軍と海軍が派閥争いをやっているうちに戦争に負けた」と揶揄された日本の伝統芸かね? 昼。 映画化されるとかいう『ノルウエイの森(上・下)』(村上春樹 講談社文庫)を、古本屋で手に入れて来たので、読み 始める。 安保闘争時代の大学生の日常が、淡々と描写されている。 主人公を取り巻く人間達は、普通に考えるとかなり「変」なのに、その「変」にまったく気づいていないかのように行動 する主人公。 読み易い文体の文章ではあるのだが、どの辺が面白いんだろう? 夕方。 上巻を読み終わって、下巻に入ったのだが急に活字の大きさが変わったので違和感を覚える。 そう言えば、表紙のデザインも違っていたから別の版なのかも知れない? (どうでもいいけど、第6章の途中で巻を切ったのは何の都合だ、講談社?) 夜。 原子力空母「ジョージ・ワシントン」が、韓国西岸での米韓合同演習のために横須賀を出港したというニュースをやって いた。 しばらくは、この関連で騒がしそう。 寝る。
2010年11月23日(火)
今日は良い天気だ。 昼過ぎに家を出てサンシャイン60へ。 池袋は地下道の発達した街だが、駅からサンシャイン60に行くには、グリーン大通りの35番出口を出てから東口五差路 を左折し、東急ハンズまでの間だけは地上を歩かなくてはならない。 この間にある「地上の道」というのがいわゆる60階通り。 池袋一の繁華街である。 (ここに地下道を作るなんぞと言ったら、たぶん商店街の人たちがみんな暴れちゃうのだろう) そんなわけで、地上の道を4分間も(!)テクテク歩いてから、再び地下へ。 (サンシャインも、最近なんだか寂れたなあ……) などと思いながらウロウロ。 少し買い物をしてから外へ。 その辺をウロウロしているうちに5時も回ったので、天狗で一杯飲んでから帰宅。 ニュースをつけたら、北朝鮮が韓国を砲撃したとかで騒いでいた。 (いつもの小競り合いかな?) と、よく聞いたら、韓国側に民間人を含む死傷者が出たのだという。 韓国では、非常事態警報が発令され、国会の審議もストップしている状態だとか。 ここは日本政府としては、迅速に情報を収集して冷静かつ適切な対応を取らなくてはならないところだと思うが、たぶん、 日本の場合、その手の情報収集はアメリカ頼みというのが現実だろう。 そこで問題になって来るのが、つい先日の海保の映像流出のような事件。 米軍に、 「あんたのところにうっかり重要な情報を教えて、またYoutubeにでも流されたらかなわん」 と、言われてしまったら困るのは日本の自衛隊。 その原因を作った海保職員を擁護する発言を繰り返しているのが、田母神元幕僚長。 こういう情報管理意識を持った人間が幕僚長をやっていたというのだから、自衛隊が米軍に信用されないのも無理はない。 「防衛庁」が「防衛省」に変わった時に、 「これで米軍の信頼も高まり、重要な情報も流してもらえるようになるはず」 と、喜んでいた人がいたが、名前を変えても中身が変わらないんじゃダメなんだよ。 で、日本のマスコミの報道を見たら、案の定「菅政権のピンチ」みたいな報道の仕方で「日本の」という視点で事態を見て いない。 こういう連中は、仮に本当に北からミサイルが飛んで来たりしたら、 「 “民主党の日本” が攻撃されたぞ。ザマアミロ」 とか思うのだろうか? いい加減「お家騒動意識」を卒業して「国家」という視点を持って日本の外交を報じて欲しい。 寝る。
2010年11月22日(月)
午前中のニュースで、法務大臣が辞任したと言っていた。 支持者の前で「法務大臣という立場における発言の不自由さ」をネタにした自虐ギャグを披露したところ、そのギャグの フリの部分を「国会軽視」と叩かれたのが理由だそうだ。 馬鹿みたいな理由だが、野党としては、 補正予算の審議を遅らせる→予算編成が年を越してしまう→それを政権の責任だと追求する→与党の支持率が下がる というのを狙っているので、ともかくなんでもいいから難癖をつけて予算審議を遅らせようという作戦なのは見え見え。 そういう場面で、揚げ足を取られるような言葉を口にしてしまった柳田さんも迂闊だな。 野党にとっては、「問題のある発言か否か」ではなく「問題のある発言だと騒げるか否か」がポイントなのだから。 一番嫌なのは、この調子で行って次の衆院選で政権交代というシナリオ。 つまり、 「自民党が良いから自民党に投票しよう」 ではなく、 「民主党は悪いみたいだから自民党にでも投票してみるか」 というような投票行動の結果、政権が交代してしまうパターン。 そんな形で政権が変わったら、政府にちょっとでも不満があれば、 「もともと自民党を支持して投票したわけでもないし」 と、支持率が一気に下がって、またまた政局が不安定になってしまう。 政府の足場が安定しなければ、思い切った経済政策も取れないから、景気回復が望めない。 外交的にも弱腰になり、周辺諸国につけ入られる隙が出来る。 いいことはないのだ。 昼。 気がついたら雨が降っている。 郵便受けを見たら、喪中葉書が届いている。 なんかテンション下がる。 夕方。 雨は止まず。 部屋で本を読んで過ごす。 夜。 雨は止まないどころか土砂降りに。 今日が「いい夫婦の日」だったことをニュースで知る。 「いい夫婦の日をすすめる会」が、一般からの公募によって選んだ今年の「パートナー・オブ・ザ・イヤー」は、 野村克也・野村沙知代 佐々木健介・北斗晶 の2組なんだそうだ。 (そうかあ、「いい夫婦」になるには、野村沙知代や、北斗晶のようなタイプを嫁に貰えばいいんだあ……) 全国の婚活中のみなさん、そういうことなので、頑張ってくれ。 寝る。
2010年11月21日(日)
朝。 部屋の床に落ちていたくるみ割り人形を拾い上げたら、いきなり腕が動いて持っていた槍の先をこちらに向けられる。 どうやら夕べ寝ぼけて人形を倒し、腕を踏んで壊してしまったらしい。 持ち上げたはずみに1本だけ残った釘を支点に腕が回転して槍の先がこちらに向いたのだが、一瞬、顔が怒っているよう に見えたのは、気のせいか。 「ゴメン、ゴメン」と、人形に謝って、木工用ボンドで修復する。 くるみ割り人形は、背中の突起を引っ張ってくるみを人形の顎にはさみ、梃子の原理で割るオモチャ。 (今では珍しいオモチャかな?) 但し、試してみたところでは、本当にはくるみのような硬い殻は割れない。 割れるのは、せいぜいぎんなんの殻ぐらいか。 童話の「くるみ割り人形」では、確か子供に大きなくるみを無理に突っ込まれて顎が壊れてしまったのだと記憶しているか ら、もともとがそんなに丈夫な作りのものではないのだろう。 昼。 佐藤編集長を誘って、東池袋のスペイン料理の店へ。 ついでにむかしワールドインポートマートがあったサンシャイン60ビルの6階に行ってみたが、ガランとしていて、何も なくなっているようだった。 5階のパスポートセンターの近くにある旅行用品店で、外国土産っぽいチョコレートが500円でワゴンに並べてあった ので、買う。 建物を出て、ボークスという人形の部品を売る店へ。 ここの「スーパードルフィー(商標)」という球体関節人形の部品を眺めるのが好きなのだ。 あくまで眺めるだけだが。(こんな高いものが買えるか!) 私の叔母は、日本人形を作る職人で、子供のころ家に遊びに行くと、人形のパーツがいっぱい置いてあった。 なんだか分からないような形をしたパーツを折り曲げて形を整え、顔を付けて目や唇を描き、髪を貼り付けて結い上げて 着物を着せると、人間そっくりの「人形」になる。 子供心に、その過程を近くで眺めているのが楽しかった。 そんなわけで、私にとって人形の部品には、個人的なノスタルジィがあるのである。 帰宅。 ずっと懸案だったプリンターは、結局「有線LAN」で繋いだ。 ドライブを入れて動かしたら無事に動いたので、この件は解決とする。 買って来た外国のチョコレートは、脂肪がベタついて舌に残る味だった。 売れ残って500円のワゴンに入れられているのも無理はないか…… 寝る。
2010年11月20日(土)
午前中。 近所の高校の公開授業に出かける。 最初の授業は「国語表現」。 最近の若者が、話し言葉で行うメールのやり取りに慣れ過ぎて、自分の考えを論理的な言葉に組み立ててコミュニュケー ションをとる能力に劣るという話。 教員が生徒に、 「メールの即レスは止めるように」 と、言っていたが、その言葉の意味を生徒が理解出来たかどうかが、ちょっと怪しい。 不完全な文章も、即レスで何回かやり取りしているうちに、なんとなく意味が通じてしまう。 それに慣れてしまうと、複数の情報を接続詞で繋いで論理的に筋の通った文章を作る能力が衰えてしまうということ。 次の授業は「政治経済」。 授業そのものは面白かったのだが、問題は、それを聞く側で、分かっている生徒は分かっていて、分かっていない生徒は 分かろうとしないという状態。 分かっていない生徒は、分かっている生徒が「正解」を言うのを待って、それをノートに書き写して覚えてしまおうとい う考えらしい。 こういう子供たちが大人になったら、自分では何も考えず「私の言うことが正解だ」という人間にゾロゾロついて行って しまうのかなあ? これは、困ったことだな。 つけ睫毛をつけて、厚化粧をしている生徒がいたので、校長に会って、 「貴校の服装指導は、どのようになっているのか?」 と、尋ねたら、 「女子生徒の化粧については、特に指導を行っていない」 という返事。 「17〜8歳の娘の化粧は “女の身だしなみ” と考える保護者もいるので」 とのこと。 「学校で指導の基準を設けてくれないと地域の住民が高校生に注意をしても、相手が何で注意されたのかが理解できない ようなので」 と、言ったら、難しい顔をして考え込まれてしまった。 昼は、ハンバーガーで済ませて、午後からの会議に備えて書類の作成。 午後の会議は長引いて、帰宅は夕方の6時過ぎになる。 夕食後。 なんか疲れたので、録画してあった「宇宙犬作戦」をぼーっと観る。 この番組、前回あたりから、話がややシリアス系になっている。 今回は、DC号の船長とパイロットが「謎の立方体」に捕まって閉じ込められるという話。 もしも船長がパイロットを裏切り、パイロットが船長を裏切らなかったら、船長だけ解放され、オーブ(これを手に入れ る事が彼らの任務の目的)はDC号のものに。 逆に、パイロットが船長を裏切り、船長がパイロットを裏切らなかったら、パイロットだけ解放され、オーブはDC号の ものに。 船長がパイロットを裏切り、パイロットも船長を裏切った場合は、2人とも解放されないが、オーブはDC号のものに。 船長がパイロットを裏切らず、パイロットも船長を裏切らなかった場合は、2人とも解放されるが、オーブは手に入らな い。 但し、船長もパイロットもお互い、相手が自分を裏切るかどうかが分からない。 さて、2人は、どうするのだろうか? ……という話。 (ヒントは、船長はどんな時でも任務の遂行第一の論理的な人で、パイロットは自己中なタイプ) まあ、「宇宙犬作戦」らしいオチだった。 最終回が近いけど「第2期」ってのは、ないだろうな、この番組。 櫻井翔主演でやったりして。(笑) 寝る。
2010年11月19日(金)
朝。 動かないプリンターとの戦い継続中。 10時の営業開始を待って、無線LANのルーターのメーカーに電話するが、やはりというか、予想通り話し中。 午前中、何度か電話を掛けてみるが、繋がる気配はない。 昼。 天気も良いのでビックカメラに「有線LAN」のルーターの価格を見に行き、ついでにUSBハブを買う。 歩いているうち、垂れかかる前髪がうっとうしくなって来たので床屋へ。 床屋で髪を切る度に、床に落ちる髪が白くなる。 普段は鏡なんて見ないから、大きな鏡で久しぶりに自分の顔を眺めてみると、また死んだ親父に似て来た。 親が年をとってから生まれた子供だったので、私が覚えている自分の父は、白髪頭の老人だった。 その老いた男の顔に、自分の顔がどんどん近づいていく。 私もそろそろ「自分の顔」というものに責任を持たなくてはならない年齢か。 床屋を出て、リブロへ。 『玉工乙女』(勝山海百合 早川書房)を探すが、見当たらない。 案内係に聞いてみて、その案内係が、さらに店内の別の店員に聞いて、あちこち探してやっと平積みの本の山の陰に置いて あるのを発見する。 (勝山先生の御著書を、そんな目立たない場所に並べておくから、店員の人手が2倍もかかるのだ) 帰宅。 『玉工乙女』一気に読了。 初長編ということだが、読者を引き込む筆力は、長編でも健在。 舞台は清の時代の中国。 絵師としての腕前はあるのに、どういうわけか「蓮」だけが描けないという謎の男。 石印の鈕を彫る職人になることを夢見る少女。 幼い弟を魔物から護るために、身代わりに男装させられている少女。 3人の運命は、見えない糸で繋がっていて…… よく考えるとものすごい事件がいくつも起きているのだが、淡々と描かれているので別に何も起きていないように見え、 一見何事もない日常の描写中に事件の断片が少しずつ織り込まれて、最後に物語の全体像が見えるという仕掛け。 自分たちの運命の関わりを、登場人物たち自身が少しも気づいていないというところが面白い。 下手な作家だと、つい「予感がした」とか、「何かを感じた」とか書きたくなるところでも、そういうものはなく、ただ 読者だけが「そうだったのか!」と驚くという趣向。 コケ脅しは一切なく、まるで普通の世間話をするように語られる怪異譚。 怖いというより、摩訶不思議。 小説を読む楽しさというものを堪能できる1冊だった。 ところで…… 表紙の絵の椿っぽく見えるこの花は、何だろう? 読見終わっての感想としては、ここに描かれるのは蓮の花であって欲しかったのだが。 さらに言うなら、ここに描かれている2人の少女は誰なのだろう? ヒロイン2人か? この表紙の絵から内容を推測して買った人は当てが外れたかも知れないなあ。 別に「百合っぽい話」は出て来ない作品だから。(笑) 寝る。
2010年11月18日(木)
朝刊に国際研究チームが反物質の閉じ込めに成功したという記事が載っていた。 反物質というのは、陽子と電子の電荷が逆の物質で、通常物質と出会うと対消滅をしてしまうというアレである。 通常物質に出会った途端に消えてしまうような不安定な物質を、0.2秒間とはいえ装置の中に留めたのだというのだか ら、これはすごい話である。 (もっと詳しい記事はないかな……) と、ネットの新聞サイトを見て回っていたら、読売新聞のサイトに“「天使と悪魔」に登場…反物質、瓶閉じこめ成功” と いう見出しの記事があった。 「天使と悪魔」(※)って…… それは一番、挙げちゃいけない例だろうが!(笑) で、記事の最後で、 “今回の手法では短時間に消滅してしまい、爆弾に使える量をためるのは不可能という” と、断っているが、“今回の手法では” という言い方が、いかにも残念そう(?)。 だから、爆弾は作ってないって言うのに。 ※『天使と悪魔』 ダン・ブラウンのサスペンス小説で、映画化もされた作品。 作品中、反物質が「非常に危険な爆弾の素材」という印象を与える描き方をされており、東大教授がわざわざ 「誤解や不安を与える可能性がある」との指摘を行う騒ぎがあった。 昼。 パソコンで書類の作成。 2時半過ぎに完成して、あとはプリントアウトだけ……という段階になって、またプリンターが動かない。 設定をやり直したり、ドライバを再インストールしたりを試してみて、どうにもならないのでプリンター会社のサポセンに 電話。 どうもIPアドレスの取得でトラブっているらしい。 「では、いったん機械の電源を全て切ってみて下さい」 と、サポセンのお兄さん。 「これ、複合機なので、電源を切ると電話も切れてしまいますが……」 「ええと……携帯電話をお持ちですか?」 携帯電話にあっちから掛けたり、こっちから掛け直したり、いろいろやってみたが、やっぱりダメ。 パソコンの方のサポセンに電話して聞いてみたが、それでもダメ。 ルーターのメーカーのサポセンは、ずっと話し中。 夕方5時で、サポセンの業務は終了。 その後、夕食を挟んで夜8時まであれやこれや、なんやかんややってみるが、てんでダメ。 しょうがないので、1号君(同じ町内のアパートに住んでいる大学生)に電話して、 「君にデータを送るから、プリントアウトしてくれないか?」 と、聞いたら、 「俺のパソコン、いまネットに繋がってねえっス」 という使えない返事。 「USBメモリに落として持って来てくれたら……」 「そんなものは、持っていない」 と、言ったら、ちょっと考えてPSPを持って家に来た。 これをパソコンにケーブルで繋いでデータを送る。 ……とりあえず、1号君のプリンターで、プリントアウトは出来たものの、 「買っておいた方がいいですよ。USBメモリ」 と、教育的指導を受けてしまう。 気がつけば、夜の9時。 結局、丸半日、何も出来なかった。 だから嫌いなんだ、無線LANは! 寝る。
2010年11月17日(水)
朝刊に、ヤクルトのあの瓶が立体商標として認められたという記事が載っていた。 乳酸菌飲料と言えばあの形という感じで、いろんなメーカーからあの瓶に入った製品が出ているが、そういうのは今後ど うなるのだろう? 昼過ぎ。 気がついたら雨が降っている。 午後から本屋に行こうかと思っていたのだが、ちょっと待つことに。 部屋にある本を読みながらときどき窓の外を見るが、雨はだんだんひどくなっていく。 予定がすっかり狂ってしまった。 仕方がないのでネットの無料動画で「おじいちゃんは25歳」を観る。 雪山で雪崩に巻き込まれた男が、そのまま氷づけになって46年後に生還。 50代になった息子とその子供たちの家に同居する事になった……という話。 氷づけの人間が長期間生存していた理由の説明みたいなものがあるかと期待したのだが、なかった。 昔よくあった「江戸時代の人が現代にタイムスリップ」と同じパターンのコメディらしい。 46年前の25歳と言うと、安保闘争とかそういう世代の若者のはずなのだが、その手の話は一切出て来ない。 昭和の暗い歴史の部分は、どうやらなかったことになっているらしい。 実際の昭和30年代は、そんなパラダイスじゃなかったんだけどね。 私の記憶にある46年前の東京は、歩道の敷石はデモ隊が投石に使わないようにと剥がされ、警官がジェラルミンの楯を 持って並んでいた。 私なんか今でも、敷石がちゃんと敷いてあるのを見ると、 (ああ、これを剥がして投げる人間がいないということなんだな) と、しみじみ思ってしまう。 あの時代に比べれば、今の若者は火炎瓶は投げないし、ゲバ棒も振り回さない。 家の玄関に、いきなりヘルメットを被った学生が「カンパしろ」と言ってやって来ることもない。 それなのに「いまの若者は乱暴で何をするか分からない」とか言う人間がいるのだから、わけが分からない 昔の若者の方が、ずっと乱暴で危なかったよ。 一体いつから昭和は「理想の時代」にすり替わってしまったんだ? 山本弘さんの「MM9」じゃないけれど、過去は現代から遡って作られていくものなのだろうか? 怖いのは、こうして過去が「改変」されてしまうことによって、歴史の失敗から何も学べなくなってしまうということ。 あの当時の「普通の若者」にとって、岸総理は「問答無用の悪」だった。 「だって安保とかやってるじゃん。だから悪いに決まっている」 であって、 「安保のどこが悪いんだ?」 とか聞いたら、それこそ無知蒙昧なバカか、アメリカの奴隷みたいな言われようをした。 ともかく悪いに決まっていることを悪いと言わない人間は悪いのだ。 そして今も当時とほぼ似たような状態が起こっているように見えるのだが……、 「菅総理は、ともかく悪い」 「当時といまとは全然違う。当時が安保という “全然悪くないもの” に反対していたのに対し、いまは “本当に悪いもの” に反対しているわけだから」 当時の人も、日米安保は “本当に悪いもの” だと信じていたのだ。 昔の人間はバカだ。 間違ったことを信じていたからな。 その点、俺たちは違う。 正しいことを信じているからな。 (これって、宗教か?) 日が暮れても、まだ雨。 「はやぶさ」のカプセルから、0.1〜0.01ミリの比較的大きい粒子を回収したというニュース。 (おお、やったじゃないか!) 関連情報を探そうと、ネットをウロウロしていたら、 イトカワの粒子が最初に発見された直後の記者会見を記録した動画 というのを見つけた。 ロイターの外国人記者が、JAXAの人たちから「今回の発見で世界の宇宙開発の中での日本の位置づけが上がった」と いう主旨の言葉を引き出そうとしているのが、とても分かり易くて笑った。 どこのマスコミも、似たようなことをするのだなあ。 寝よう。
2010年11月16日(火)
朝刊の記事によると、例の映像流出犯は、逮捕見送りになったそうだ。 検察は、現政権と仲が悪いから、予想は出来た事態だが、この先、日本はどうなるのか? 国全体の安全に関わる業務を行っている機関には、パニックや国民の混乱を考慮して公表を差し控えている資料など、山 ほどあるはずである。 それを個々の役人が、自分独自の判断で周囲の情勢も考えずにてんでに公表し出したら、どういうことになるのかね? (APECの直前というタイミングで情報流出騒ぎを起こしたこの海保に、もし日本国への害意がなかったのだとしたら 「周囲の情勢をまったく考えていなかった」ことになる) 動機について、当の海上保安官は、 「(多くの国民が映像を見る事で)一人一人が考え判断し、行動して欲しい」 と、言ったそうだが、これってクーデターを煽動しているのか? 国家機関の各部署で情報端末の前に座っているオペレーターが、それぞれ一人一人の考えで判断を下して行動している光 景を考えると、背筋が寒くなる。 国という機関がグズグズに崩れてしまうことになるからだ。 (船員さんに分かりやすく言うと、船板の1枚1枚が自分の考えで行動していたら、船底に穴が開いて船は沈んでしまう ということだ) 小さないくつもの穴から水がしみ込んで、少しずつ沈んでいくことになるのか日本は? ……すっかり気持ちが暗くなってしまったが、ここで良いニュース。 「はやぶさ」のカプセルの中に「イトカワ」の粒子がいくつも入っていたのだそうだ。 やったなあ、よかったなあ。 涙が出ちゃったよ。 夕方。 吹き矢の講習。 マウスピースを使ったら、途端に命中率が良くなった。 道具が使いやすいと本来の目的に集中できるという当たり前のことを実感する。 帰宅。 「はやぶさ」の記事を改めて新聞で読む。 これは政府も是非「はやぶさ2号」の開発に予算を付けて欲しいな。 成果の上がらない事業を切る代わりに、成果を上げている事業にその分を回す、それが正しい事業仕分けだろう。 「はやぶさ」の技術は、海外からも宇宙開発業務の発注を受けられる水準なのだ。 国益に繋がる事業は、大いに優遇して欲しい。 寝る。
2010年11月15日(月)
午前中。 曇り。 昼までに雑用を済ませて、午後に出かけようとしたら、雨が降って来た。 (小雨だから、しばらく待っていれば止むかな?) と、「MM9」を見始めて、結局、最終回まで全部観てしまう。 不毛な1日。 ちなみに「MM9」の最終回は、環境庁と喧嘩した気象庁の職員が警察官に苛められているところに自衛官が助けに来る という話だった。 (日本の省庁って楽しいなあ) 伏線を引きっぱなしで終わってしまったので、たぶん第2期とか作るつもりなんだろうね。 夕刊の社会面は、また海保画像流出事件で、もういい加減、飽きた。 ちょっと前に、民放のテレビで元海上保安庁の人がちらっと喋っていたのだけれど、あの流出画像にあるような事件に近 い事は、実は日常茶飯事なのだそうだ。 じゃあ、なんで「今回に限って」船長逮捕までやったのか? 私としては、そっちの方が知りたい。 あの流出画像はテレビでも放映され、私も何度も見たけれど、中国船は、明らかに故意にぶつけている。 「逃げようとしてぶつけた」というより、「ぶつけようとしてぶつけた」ように見えるのだ。 つまり、最初から「船をぶつけて逮捕される」までが向こうの筋書きだったんじゃないかと思うのだ。 (「ここまでやれば、いくら日本の海保でも逮捕するだろう」という作戦) 事件が起こる前までは、尖閣諸島は日本の領土ということで、国際的に一応、落ち着いていた。 これが事件が起きたために「尖閣諸島は中国も領有を主張している地域」という認識が世界中に広まってしまったのだ。 「尖閣諸島には領土問題が存在する」というのが世界の共通認識になれば、中国が尖閣諸島に手を出すチャンスも出て来 るわけである。 内閣府が今日発表した2010年第3四半期の経済成長率によると、日本の国内総生産(GDP)は1兆3719億ドル。 これに対して中国のGDPは1兆4115億ドルと、2四半期連続で日本を上回った。 これまで日本が中国に対して強気の立場を取れたのは、経済力において中国を上回っていたから。 (と、少なくとも中国人は見ている) 搶ャ平が「尖閣問題は棚上げに」(※)と言ったのも、明らかに経済的力関係が理由。 そう考えると経済力を上げた中国としては、尖閣問題を棚上げにしておく理由がなくなってしまったことになる。 取れない理由がなくなったら「そろそろ手を出そうかな?」と、思うのは当たり前。 (海上保安庁、ひょっとして嵌められた?) ※搶ャ平の「尖閣諸島問題棚上げ発言」 1978年に彼が日中平和友好条約の批准書交換のために来日した際に日本記者クラブでの質問に答えたもので、 「(尖閣諸島領有に関する)この問題は、しばらく置いてよいと思う。次の世代は我々より賢明で、実際的な解決法を 見つけてくれるかも知れない」という発言。 ここは慎重にやらないと、問題は尖閣諸島だけでは済まない……と思うのだが日本国民は、みんなそういう考えだよね? よもや、 「高度経済成長期やバブルで景気のいい頃、日本が何を言っても外国がみんな頭を下げて来たのだから、日本経済が落ち 目になった今も前と同じように威張っていれば、日本の言い分が通るはず」 とか、思っていないよね? 眠くなったので、寝る。
2010年11月14日(日)
午前中。 篠笛で遊ぶ。 「打ち指」ばっかりずーっとやっていたが、ぜんぜん上手くならない。 午後。 新馬場の六行会ホールに「天河鈴の幽怪病症録 〜蠱の巻〜」を観に行く。 「天河鈴の妖霊病症録 〜鬼の巻〜」の続編。 怪談関係のいろんな有名人が実は正体は妖怪だったという設定のファンタジー。 「花木田國男」だの「北方熊透」だの、モデルの分かり易い名前の人物がぞろぞろ出て来る。 物語は殺生石に封じられた九尾の狐が復活するところから始まる。 狐がペーター・ハンという片目の作家(実は狼男)の妻子を人質に脅をかけて、封印を解かせてしまったのだ。 人類を滅ぼそうとする狐。 安倍晴明(人間と狐のハーフ)は「身内の不始末」を解決しようと、主人公である天河鈴とその仲間である花木田國男や 北方熊透らの協力に乗り出すのだが、北方が葦屋道満の生まれ変わりだったりすることから、人間関係がややこしくなっ たり……。 ストーリーより役者の演技を楽しむ芝居。 声優さんが多い劇団なので、「安倍晴明はニャンちゅうの声の人だ」とか「花木田國男はガンダムのカミーユだ」とか、 お子様はそういう風に楽しんでいたようである。 戸部公爾さんは、前回に引き続き「北方熊透」役。 飛田展男さんとの静と動のコンビネーションは、毎度の事ながら息がぴったり合っている。 佐々河太郎(モデルは、佐々木喜善か?)を演じた加藤大悟さん、河童の化け物なのだが、人間に混じって妖怪がいたら こんな風なんだろうな、という「人外」の雰囲気を見事に演じていて、 「このひと、幕が下りても人間に戻らなかったらどうしょう?」 と、一瞬、心配になった。 (本当に「ヌルリッ」という感じで動くのだよ) 帰りに池袋で軽く飲んで帰宅。 篠笛で少し遊んでから、寝る。
2010年11月13日(土)
午前中。 昨日届いた「狩野泰一の篠笛を吹いてみよう」を見ながら笛で遊ぶ。 実はこれ「教則本」だと思って発注したら「教則DVD」だったのだよな。 写真や図版より動く映像の方が分かり易いから、それは別に問題ないのだが、お洒落デザインのiMacは、DVDを入 れるスリットも前面ではなく側面にあるのだ。 出し入れが手探りになるのが鬱陶しい。 まあ、入れてしまえばあとはいいわけで、お陰で「打ち指」の動きが分かったし。 (「分かった」からと言って出来るわけではない) ちなみに、「打ち指」というのは、息を切らずに同音の連続音を鳴らすための技法で、息を続けながら指を一瞬、穴から 離すこと。 これによって、「ピー、ピー」ではなく「ピー、ヒャラ、ピー」という、あの篠笛独特の音が出せる。 午後。 『MM9』(山本弘 創元SF文庫)読了。 我々の住むビッグバン宇宙とは違う、ビッグバン宇宙の中に神話宇宙(「ミス・ユニバース」と読む。駄洒落である)の 物質で出来た「怪獣」が存在している宇宙を舞台にした物語。 この宇宙で全ての怪獣が退治されてしまうと、神話宇宙が消滅して、我々の住むビッグバン宇宙になるのだという設定。 竜型怪獣の首が「見えない糸で吊られているように」動くという辺りには、懐かしのピアノ線特撮への作者の愛を、暴れ る怪獣と戦う巨人が「銀色の宇宙人」ではなく「全裸の少女」だという辺りには、作者のロリコン趣味を感じた。 分かったよ、好きなんだね山本先生。(笑) 博学な著者のお陰で、どうでもいいような知識が増えるので、私的にはおトク感があった小説。 ヤマタノオロチ伝説の原型が中国にあったというのは初めて知った。 考えてみると、イザナミが死んだ後のマザコンぶりや、高天原でのバカぶりから見て、あそこでスサノオのキャラが急に 変わっているのだよな。 別人の伝説を突っ込んだのなら無理もない。 もう1つ。 ヤマトタケルが女装してクマソの王を倒したのではなく、本当は別の「女」が行った行為をヤマトタケルの逸話に組み込 んだという説があるというのも、なるほどという気がした。 いくらなんでも「女装した男」が短剣で刺せるほど近くまで来たら、気がつくんじゃないかとは、私も前々から思っては いたのだ。 (前後の話から考えて、ヤマトタケルが女に見えるほど華奢な体型をしていたとは思えない) 読み終わって、ついでなので動画配信サイトでドラマ版「MM9」を何話か観てみる。 設定は原作から借りているものの、個々のエピソードはテレビ・オリジナルのもののようだ。 少なくとも最初の4話までには肝心の「怪獣」が出て来ない。 それは予算の都合なのだと理解するとして、ヒロインである藤澤さくらのキャラが、生真面目で一途な少女から、訳の分 からない「自分ルール」を振り回す面倒臭い性格の娘に変わってしまっていたのは納得できない。 「今風」にしたつもりなのかも知れないが、見る側が共感出来ない不愉快なキャラになってしまった。 第3話の「ヒロインが雑誌の取材を受けて大喜び」のエピソードには、苦笑い。 原作には「マスコミの取材を受けて迷惑する」というエピソードはあったのだがな。 テレビ局関係者の間には「素人はマスメディアに取り上げられれば喜ぶもの」という都市伝説でもあるのか? 夕食は魚介類の鍋……で一杯。 体が暖まったので、寝よう。
2010年11月12日(金)
朝起きて、昨日が「ポッキーの日」だったことを知る。 (だからなんだと?) 午前中。 「日本鬼子(ひのもとおにこ)」のキャラデザインの基本が既に決定していたことを知る。 (すいません、萌えました) 出来れば、お供の「小日本(こにぽん)」もキャラ化して欲しい。 台湾では「日本鬼子」は、すでにテレビのニュースとして報道されているらしい。 頑張れ、日本鬼子! 午後。 「MM9」の第4話「密着! 気特対24時」を読む。 ドキュメンタリー番組を作るというのでテレビ局の取材を受けた気特対の面々が、ディレクターの勝手な要求に辟易する という話。 「ドキュメンタリー」と言いつつ「カメラの前でこういうことをして下さい」とか「こういう言い方をして下さい」など 細かい指示をされ、撮った映像は局の思惑に合わせて編集され、ナレーションを被せられる。 著者が何度も体験していることだからだろう、非常にリアル。 夕方。 空想小説ワークショップ。 授業開始時に教室にいた人数は3人。 遅れて2人やって来て、5人。 資料として配られた300字小説に、小学生が書いた「もしも子供が政治を行ったら」というテーマの作品があった。 作者である小学生は、「(子供が政治をやったら)多分、学校をなくしたり、お小遣いの少ない子供に手当を支給したり するだろう」と考え、そうなったら「日本は破滅する」と、恐れる。 よく考えればこれを書いている「子供」自身が、そんなことをしたら「日本は破滅する」と知っている以上、子供が政治 を行っても、そんなことにはならないはずなのだが、小説は「考えているうちに怖くなり、私は頭を横に振って、今の思 いをかきけした」と、結ばれている。 つまり、思考を故意に停止しているのである。 昔の子供は「子供には出来ない」と言われても「出来るもん」と反発したものだが、今にの子供は「ハイ、出来ません」 と、素直に納得してしまうようだ。 そして「どうやったら出来るか?」などと考える前に、思考を止める。 今の若者の流行り言葉に「自由すぎる」というものがある。 身勝手な人間を非難する言葉で、最近の若者にとって「自由」という言葉は負のイメージを持っているらしい。 この言葉を使った若者を 「自由の何がいけないんだ?」 と、問いつめてみたところ、 「責任も取れないのに自由なんて我がままだ」 という答えが返って来た。 そして、 「じゃあ、ちゃんと責任をとればいいじゃないか」 と言うと、 「そんなの無理!」 と、断言された。 いまどきの若者は、我々の若い頃に比べると素直で規則もよく守る。 しかし「責任は取れない」のだ。 確かに素直で規則を守る子供は、大人としては扱いやすいが、こんな人間たちを量産していて、日本の将来は大丈夫なん だろうか? 放課後の飲み会。 K山さんの「タクシー運転手のこぼれ話」など聞きながらビールを飲む。 「酒に酔った俳優を乗せたとき、芸名で呼びかけたらビシッとなった」とか。 (さすが、プロ。瞬時に「お仕事モード」になるようだ) あとはなぜか「墓」の話。 (それにしても「自分が入る墓」の話題が出るとは、我々ワークショップメンバーも年をとったのだな) つまみは「鮟鱇のバター味噌鍋」。 これに最後にご飯を入れて食べたのだが、非常に美味。 楽しいひとときを過ごし、家に帰って、寝る。
2010年11月11日(木)
朝。 なんということはなく忙しく、朝食をとるのが遅くなった。 トーストを齧りながらテレビをつけたら、ワイドショーみたいなのをやっていて、ゲストコメンテーターらしき人物が海保 の情報流出事件について、 「情報を流したのは悪くないが、Youtubeを使ったのは問題」 とか喋っていた。 じゃあ、どういう方法での情報流出なら良いのかと言うと、 「テレビ局に持ち込むべきだった」 のだそうだ。 (ヤクルト吹きそうになったぞ) マスコミにとっての「正義」とは、視聴者ウケする情報を自分たちのところに持って来ることなのね。 「テレビ局に持って来れば、公開するかどうかの適切な判断が出来たはず」 とか、もっともらしいことを言っていたが、そんなに言うほど「マスコミの判断」が適切だとは、誰も思わないぞ。 昼。 ビックカメラにUSBのハブを買いに行く。 デザイン重視のiMacは、そういうものの差し込み口が全部ディスプレイの背面に付いていて、見た目はいいが、始終抜 き差しするものに使うのには不便。 帰宅。 ハブをくっつけて、ついでに買ったまま放置していた外付けのハードディスクもつないで「Time Machine」を起動。 画面が無駄にカッコイイのに笑う。 (こういうつまんないところに凝るからMacにはファンが多いのだろう) 午後。 『MM9』(山本弘 創元社SF文庫)を、途中まで読む。 怪獣が自然災害の一種であるという設定の世界。 自然災害なので、怪獣出現の「予報」は、気象庁で行われることになる。 実際の攻撃とかは自衛隊がやるので、気象庁の特異生物対策課、通称「気特対」の仕事は、専ら予報や分析。 予報が外れて観光地などに損害が出たと怒られたりする。 (どうでもいいけど「気特対(キトクタイ)」って、ウルトラマンに出て来る「科特隊(カトクタイ)=科学特捜隊の略」 の駄洒落だよな) 馬鹿話を大真面目にやる「馬鹿SF」に分類される小説なのだと思うが、「全裸の幼女そっくりの怪獣」が出て来るのは、 やっぱり山本先生の御趣味か? そろそろ寝よう。
2010年11月10日(水)
天気が良くて、気温も暖か。 本当に冬に向かっているのか? 季節が逆戻りしているのか? 最近の気候は良く分からない。 昼。 池袋をブラついて東武の7階で本を買い、「藩」で昼食を摂ったら置いてあるノンアルコールビールがいつのまにかオール フリーに変わっていた。 サントリー、着々とシェアを拡大中か? リブロで、店内を歩いていたら『MM9』(山本弘 創元社SF文庫)の背表紙が目に飛び込んで来たので、買う。 前々から存在は知っていたが、ちょっと私向きじゃないと読まずにいた小説なのだが、なんかあまりにも真っすぐ目の前 にあったので、運命の出会いかと……。(笑) 地下道を歩いていたら、「海保自白」というタブロイド紙の見出しが目に入った。 (ビデオ映像漏洩の犯人が捕まったのかな?) 夕方。 近所の居酒屋で軽く飲んで帰宅。 やはり漏洩事件の犯人が分かったようだ。 夜。 寝る前にネットで関連ニュースを見ていたら、読売テレビの記者が数日前に容疑者の男と接触してインタビューを行い、 その内容を今日の夕方のニュースで流したのだと書かれていた。 つまり、この記者は、真犯人である可能性が極めて高い人物が誰かを知りながら警察に黙っていたということになるわけ で、これって「犯人隠匿」に当たるんじゃないだろうか? それより非常にまずいのは、読売テレビのみならず各社マスコミが、いわゆる「愛国無罪」の理屈を言い始めているとい うこと。 つい先日まで「中国では違法デモをなぜ取り締まらない」と言っていた日本人が、今度は「違法行為を行った海保職員を 逮捕するな」と、180度違う意見を言い始めているわけである。 これは法治国家の基盤を危うくする危険な考え方。 これがエスカレートすると、総理大臣や官房長官に直接的な暴力を行使する事まで「天誅だ」なんて言い出す馬鹿が出て 来かねない。 日本は、首相官邸を見下ろせる位置に堂々とホテルの建物がそびえているようなセキュリティの甘い国。 「捕まったって英雄になれる」とばかりに、逃げる事を考えず、犯行の実行のみに目的を絞って馬鹿をやらかす奴が出て 来たら、収拾が付かないことになる。 とりあえず、法律は守る。 法治国家として、これだけは国民に徹底させて欲しい。 寝る。
2010年11月9日(火)
朝。 ニュースにざっと目を通す。 インド訪問中のオバマ大統領が、演説で、 「世界を率いる米国とインドは国際安全保障におけるパートナーになれる」 「いずれ国連安保理が改革され、インドが常任理事国となることを期待している」 と、持ち上げたそうだ。 (これも対中国包囲網の一環かな?) 日本のマスコミは、「尖閣諸島、尖閣諸島」と、そればっかり言っているが、あれはレアアースの値段をつり上げるための 単なるイチャモンのネタであって、中国の本当の狙いはレアアースの市場独占支配の方なのだと思うのだけど。 で、これはアメリカに付いた方が日本に有利な気がするな。 昼。 この季節に何のアレルギーなのか、咽が腫れて微熱が出る。 症状として大したことはないのだが、不快なことには違いない 午後。 Googleの急上昇ワードに「中板橋26−1」という言葉が入っていた。 (中板橋?) 東武東上線で池袋から7分ぐらいのところに中板橋という駅があるのは知っているが、あの町にそんなに全国的に話題に なるようなものがあったっけ? 調べてみると、この番地には現在「ネパール創作ダイニング だいすき日本」というネパール人が経営するカレー屋がある ようだ。 どうやら先月開店したばかりの店で、しかも客が入らないらしい。 困った店の経営者ピカス氏がツィッターに載せたのがこの「つぶやき」。 「きようも とっても つらいランチ でした ひと くみでふたり おわってしまった ちらし くばりとか やってますけど ちら しもってきた きやくは いまのところ きてない びかす どうなちゃうだろ ほんとに こわくなってきました」 この「つぶやき」が、ツイッターからツイッターへとリレーされ、 「都内に住む人は、ぜひピカス氏の店にカレーを食べに行こう」 という運動(?)が広まった結果、店の前に客の行列が出来たのだそうだ。 ちょっと前には、ツイッターに流されたデマにより、竹下通りでパニック騒ぎが起きたが、短時間に大勢の人間に一斉に 行動をとらせてしまうこのツール、ピカス氏のように上手く使えば優れた宣伝媒体として効果を発揮し、使い方を誤れば 事件に結びついてしまう。 新しいツールの開発によって格段に速くなった情報の伝播のスピードに、司法や行政の仕組みは対応出来ているのかな? と、ふと不安になった。 夕方。 政府の行政刷新会議が、これまでの事業仕分けで「廃止」や「見直し」と判定されたにもかかわらず、その結果が十分に反 映されていない112の事業を発表したというニュース。 これらの事業に関しては、来週からの再仕分けで議論されるが、再仕分けの対象になるのは、過去の仕分けでの廃止や予 算縮減などの結果が反映されていない「見直し不十分型」の事業や、仕分けられた事業の名称を変更しただけの「看板付 け替え型」の事業など。 該当省庁側としては、たぶん、 「民主党政権は長くない。自民党政権になれば、蓮舫さんもいなくなるので、それまでなんとかのらりくらりと切り抜けよう」 という腹なんだろうな。 だから、事業仕分けに関しては、なんとか民主党政権のうちに成果をあげないといけない。 でないと、せっかく政権を交代した意味がなくなる。 日本の国は赤字なんだよ。 貧乏な国は、外交でも馬鹿にされる。 そういうことがどうも役人にピンと来ていないんだよな。 寝る。
2010年11月8日(月)
朝。 知人のブログで西崎義展プロデューサーの訃報を知る。 船からの転落死だそうで、ネットには、さっそく「殺人説」が流れているそうだ 最後の最後まで、どこか普通じゃない人だったな。 ちなみに、船の名前は「YAMATO」。 “西崎プロデューサー「ヤマト」から転落” と、スポーツ新聞の見出しのようなことを考えてしまった。 午前中。 「いろんなもの入れ」に使っていたトレイを床に落っことして、充電前の電池と充電済みの電池を混ぜてしまう。 100円ショップに電池チェッカーを買いに行ったら、大学へ行く途中だという1号君に会う。 「課題で、イベント・プロデュース論のレポートを書かなくてはならなかったので、SF大会について書いた」 とのこと。 (そんなのでいいのか、大学の提出レポート?) 午後。 そのまま池袋をブラついていたら、2号君に会う。 「道に迷ってひどい目に遭った」 と言う。 池袋で道に迷うなよ。(笑) 初めて行く建物への道を通りすがりの警察官に聞いたのがいけなかったらしい。 国際会議が近い時期の通りすがりの警察官は、しばしば他の地域から応援に来た人。 そういう人に道を聞いてはいけない。 (しかし、よく考えてみると土地勘のない警察官って、実際に事件が起きた時に、どの程度戦力になるのかな?) 帰宅。 ニュースサイトを開いたら、菅総理が衆院予算委員会で、今後の政権運営について「石にかじりついてでも頑張りたい」と 言ったそうだ。 つまり、あと3年は、総理大臣は菅さんなわけだな。 夜。 ホセ・バスコンセロスの「宇宙的人種」を読む。 要するに、白人至上主義の優生学に反対する立場で、未来の世界のリーダーとなるのは混血人種だという意見なのだが、 優生学とはまた別の方向に暴走してしまっていて、その暴走のしかたが凄い。 例えば…… 「われわれは黒人女性と白人男性の結婚を見ると、心底からおぞましいものと感じる。もしそれが、黒人のアポロと金髪 碧眼のウェヌスの間の結びつきであったなら、そうした反撥を覚えることはあるまい。このことは、美がすべてを聖化す ることを証拠立てている」 「毎日毎日市役所やら教会やらから出てくる新郎新婦のうち、大略90パーセントに近い比率が醜悪であるのを見るのは 忌まわしいことである。このように世界が醜悪さにみちているのは、われわれの悪徳、われわれの偏見、われわれの貧困 に問題があるのだ。愛による生殖が、すでに健やかな子孫を生み出すのに好い前提である」 「快適な社会の法則、共感の法則、美の法則にしたがって成就される人種間の混血は、かつて存在したいかなる個体型と 比べても限りなくまさって優れたひとつの個体型を生み出すはずだ」 要するに…… 醜悪な人間が結婚できてしまうのは、そいつが金や社会的地位を持っているからで、そういうものがなくなれば醜悪な人 間は結婚できなくなる。(^^; なぜなら人間の愛の対象となるのは、美しい人間であって、醜悪な人間は愛の対象にはならないからだ!!!? 従って、人間が社会的地位のようなものへの偏見をなくし、また金銭目的の結婚というものがなくなれば、結婚できるの は美男美女だけということになって、醜悪な人間が淘汰され、美しい人間たちだけの理想の人類が出来上がる??? で、これを人種を越えた規模で行い、出来たものが「宇宙的人種」というわけだ。 論文というよりディストピアSFのようだが、著者はメキシコの初代公教育大臣。 「劣等の人種は教育を受けるにしたがって多産であることを控えるだろう」 「自発的な絶滅によって、もっとも醜い血統はもっとも美しい血統に道を譲るだろう」 なんてことを言っている人が公教育大臣って、怖いよな。 ブスに自分は滅びなくてはならないということを学ばせるために教育を行っていたのか? この人の言う「理想の人種」が支配する世界に生まれなくて良かった。 寝る。
2010年11月7日(日)
午前中。 夕べ録画した「バブルへGo!」を観る。 日本経済の破綻を防ぐために、タイムマシンで1990年の日本に行って当時の大蔵省の失策を防ぐという話。 2007年の映画なのだが、タイムマシンで過去へ行くことを躊躇するヒロインが、 「過去を改変しないと、あと2年で経済格差と失業率が大変なことになる」 と、説得されるシーン、微妙に現実の日本経済の「2年後」と合っていて、苦笑してしまった。 昼食。 カツ丼。 (太るよな。分かってるんだ……) 夕方。 SF乱学講座へ。 本日の講師は、SF作家の仁木稔氏と、RPGライター、SF評論家、翻訳家の岡和田晃氏。 タイトルは、「仁木稔と語る、歴史を動かした驚異の(擬似)科学」 ということで、前世紀の「科学」である優生学やら ソビエトのルイセンコフ主義やらについて。 ホセ・バスコンセロスの論文「宇宙的人種」の日本語訳のコピーを貰って来たので、これはあとでじっくり読もう。 この論文、レムリア大陸文明を作ったのが黒色人種で、アトランティス文明を作ったのが赤色人種で、中華帝国を作った のが黄色人種で、ヨーロッパ文明を作ったのが白色人種、そしてこの白色人種の文明が、来るべき第5の人種、すなわち 「宇宙人種」との架け橋になるのであり、この「宇宙人種」を生み出すために、ラテン・アメリカは重大な使命を帯びた 場所なのだ。 ……と、まあ、冒頭からそんな話で始まっているわけで、これは楽しい腹筋運動が出来そうな予感がする。 放課後の飲み会。 なぜかメンサの内山君が、いつのまにか紛れ込んでいた。(笑) 「うちの職場で臨時職員を雇おうかという話になって、崎田さんを提案してみたんですけど断られました」 と、薫子ちゃん。 「なんで?」 「ええ、 “西原理恵子みたいな性格の人” だって言ったら……」 (お前が、そういう訳の分からん説明の仕方をするからだ!) 念のため、崎田の性格は、漫画家の西原理恵子氏とはだいぶ違うと思う。 (あっちはお前、有限会社とりあたまの社長&土佐の肝っ玉かあさんだぜ) 「……ところで、尖閣諸島問題、いま日本が勝っているところなんだよね?」 「そうですよねえ」 「中国がレアアースを戦略兵器に使おうとしているというイメージを広げて欧米を味方につけ、アジアの方には、中国は簡 単に領土を侵犯する国というイメージを広げて味方につけてしまったわけだから、どう考えても日本優勢で中国ピンチの局 面だと思うのに、なんで日本の右翼の人たちは『日本が負けている』前提で喋っているんだ?」 (「巴投げ」が「押し倒された」ように見えているとか?) レアアースの産地であるベトナムが中国を警戒して日本に付いてしまい、アメリカも中国以外の地域にレアアース供給先を 求める事で日本と合意している。 中国が首脳会談のドタキャンとかいろいろ苦しい嫌がらせをやっているのは、向こうが追いつめられている証拠だと思うん だけどねえ……。 家に帰って、寝る。
2010年11月6日(土)
朝から天気が良く、気分がいいので部屋を片付けようとしたら、逆に散らかった。 午前中。 Googleの急上昇ワードに「宇宙犬作戦」があったので、「?」と思いつつ、昨夜録画したものを再生して観る。 出演者が、ドラマの最後に出て来たギャグのオチを「私のブログで」と、やったのだね。 ブログで番組を宣伝するのはよくあることだが、番組でブログを宣伝というのは珍しいんじゃないだろうか。 急上昇ワードに載れば、番組を観ようという人も増えるかもしれないし、金のかからない番宣だな。 この番組、「予算の少ない中で、どうやって番組を作るか」ということに挑戦しているようで、番組そのものよりもそっ ちの方が面白い。 午後。 篠笛で遊ぶ。 笛吹けど、音鳴らず。(ーー。) 夕方。 2号君に会う。 「今日の『バクマン』」についての話をされる。 「バクマン」というのは、NHKでやっているテレビアニメのことで、主人公の中学生が漫画家を目指して頑張る話。 原作のあるアニメなのだが、原作ではタイトルと話の概要しか出て来なかった主人公が描いた漫画を、アニメ版で全編を 絵にして放映したのだそうで、2号君的には、それが非常に面白い試みであったらしい。 「やっぱり、NHKが力を入れずに作ったアニメって最高だぜ!」 2号君によると、NHKは、局を挙げて番宣などに取り組んだ、いかにも力を入れて作った感じのアニメに限って、つま らないということで有名なのだそうだ。 (センスのない「偉い人」が関わって、若手のせっかくのアイデアを潰しまくってしまうとか?) 夜。 「養老乃瀧」で、飲む。 土曜日の晩だというのに、客は私ともう1組だけ。 魚の煮付けを頼んだら、外側は出来ているのに内側が冷たい。 冷凍の解凍に失敗したらしい。 まあ、これもご愛嬌かと苦笑いしつつ、飲む。 帰宅。 (そう言えば、今夜はフジテレビで「バブルにGo!」をやるんだった……) と、録画を予約しようとしてテレビをつけたら、野球中継をやっている。 8回表。 (野球って、確か9回までだったよな?) じゃあ、もうすぐ終わるのだろうとそのまま待っていたら、9回が終わっても同点で勝負がつかないので延長戦をやるこ とになったというアナウンスが入る。 (誰だよ、そんなルールを作った奴は!) 「バブルにGo!」は、野球の試合が終わってから放映すると言うので、仕方なくテレビをつけたまま、試合の終わるの をじっと待つ。 野球というのは、地面に大きな四角を描いて、その四角の真ん中にボールを持った人が立って、角のひとつに棒を持った 人が立って、四角の真ん中の人が投げたボールを棒で叩いて飛ばし、相手チームの人が拾いに行っている間に四角を1周で きたら1点に取れるというゲーム。 ところが、この試合では、ボールを拾いに行く係の人がよほど上手なのか、なかなか四角を1周できる人がいない。 誰も1周しないと点が入らないので、引き分けのまま、いつまで経っても試合が終わらない。 番組も終わらない。 30分ぐらい待ったところでアホらしくなってテレビを消し、2時間ほど本を読んでからもう1度つけたら、まだ野球の 試合をやっていた。 実況中継をしているアナウンサーが、 「そろそろお客さんは、帰りの終電がなくなります」 とか言っている。 野球場の観客席に見物のお客さんが大勢いるのだが、試合が終わらないので帰れないらしい。 (どうするんだろう?) 「試合が始まってから、既に5時間が経過しています。これは日本シリーズ史上新記録です」 だって。(笑) 「新記録」ならつき合ってみようかと、そのあとずっと見ていたら、延長戦は15回までというルールがあるのだとかで、 結局引き分けのまま終わってしまった。 なんかバカみたいである。 (だから、最初から9回で勝負がつかなかったら引き分けにするルールにしておけばいいのに) バカみたいと言えば、「バブルにGo!」、当然、放映中止になったかと思ったら、野球が終わったあとに律儀にやるら しい。 (もう夜中の0時を過ぎているんだけど……) 眠いので、録画だけすることにする。 というわけで、家で見ていた私はいいのだが、野球場まで行って見ていたお客さんは、この後、帰り道が大変だろう。 (この野球場がある地域の深夜タクシーの運転手は、今夜は儲かったのだろうなあ) 寝る。
2010年11月5日(金)
夕べ、悪霊退散の祈祷をして風邪薬を飲んで寝たところ、そのどちらかが効いたらしく頭痛が治まっていた。 で、気持ちよく起き上がってニュースを見ると、私が寝ている間に尖閣諸島の漁船衝突事件の映像がYoutubeにU Pされていたようだ。 (いつかは出るだろうと思っていたが、やぱっり出たか……) ビデオを公開したい立場の人たちと、ビデオを入手できる立場の人たちが同一で、かつ「ビデオを公開しろ」という世論 が高まって心理的障壁が低い状態だったのだから、あとは時間の問題だった。 ネット検索で簡単に見られるので、私も少し視聴してみた。 そんなわけで、PCの前に座っていたら、地面が揺れ出した。 時刻:7時31分 震源 茨城県沖 深さ:約30km 規模:マグニチュード4.8 公式発表では、東京は震度1ぐらいの揺れだったそうだ。 午後。 テレビのニュースは、ひたすら「尖閣ビデオ流出」ばかりで、しかも続報がない。 (ネットで何か面白いニュースはないかな?) と、他人のブログをネットサーフィンしていたら、某有名病院の院長が宿泊したホテルの悪口を書いていた。 内容を簡単に要約すると、むかしよく利用していたホテルがリニューアル・オープンしたと言うので行ってみたら、従業員 が入れ替わっていて、新しい従業員は「トロくてもたもた。注文した紅茶は遅くて不味い」という有様。 おまけに敬語もまともに使えない。 一流ホテルのホテルマンとは思われないような従業員に呆れて、二度と行くもんかと思った……と、そんな話。 それだけなら別にどうということもない話なのだが、同じブログの翌日の記事にホテルの窓の外の風景を撮影したという 写真が掲載されていた。 このホテルは、首相官邸が眼下に見下ろせる位置にあるのだ。 首相官邸を監視するために経歴を偽ってホテルの従業員として潜り込んだスパイ。 しかしホテルマンなら当然持っているはずのスキルがないことを常連客に怪しまれ、正体がバレる……というサスペンス・ ストーリーを思いついてしまったぞ。 夕方。 ニュースは、やっぱり尖閣諸島ビデオ。 中国側は、外交ルートを通じて「関心の表明と憂慮の意」を日本側に伝えたに留まったとか。 そりゃ、すでに映像が世界中で視聴可能なこの状態で、騒ぎを大きくして各国の関心を集めてしまったら、大きなダメー ジを受けるのは中国だものね。 日本政府としても、横浜でのAPECを控えて、頭の痛いところだろう。 ここで田母神みたいな目立ちたがりに騒ぎを起こされたら、日本の面目は丸つぶれになる。 「騒ぎを大きくしたくない」では両国の利害は一致しているわけだから、この辺の収拾に関しては、よほどのことでもな い限り上手く運ぶはず……。 夜。 目立ちたがりのお調子者は、もうひとりいた。 石原バカ都知事。 定例会見で、尖閣ビデオ流出事件について、 「結構なこと。私もそのうちに有志と図って国民運動で、日本固有の領土の尖閣に自衛隊が駐留してもらいたいという キャンペーンをしようと思っています」 とかやったらしい。 明らかな違法行為に対して、都知事が「結構なこと」、これはまずいだろう。 「政府の方針に逆らって違法行為を行うのは、結構なこと」 これではクーデターを支持していることになる。 この言葉を、崎田が言ったのならさほど問題ないし、石原さんがただの小説家だったときの発言なら、まあ構わない。 しかし、東京都知事として、公式の記者会見の場でこの発言をしてしまったということは、大きな問題だ。 それが「立場」というものの重さなのである。 首都の首長が、クーデターを支持すると取られる発言をしてはいけない。 加えて、 「有志と図って国民運動で、日本固有の領土の尖閣に自衛隊が駐留してもらいたいというキャンペーンをしようと思ってい ます」 都知事が定例記者会見の場で口にする言葉にしては、あまりにも軽卒。 午後7時過ぎ。 また地震。 時刻:19時14分 震源:茨城県南部 深さ:約50km 規模:マグニチュード4.7 今日は、いろんな意味で日本が揺れた日だった。 寝る。
2010年11月4日(木)
朝刊の1面は、アメリカ中間選挙での民主党下院敗北の記事。 オバマ大統領の支持率の低下は、もう随分前から言われていたことだから、これは予想の範囲内。 もう1つアメリカ関係のニュース。 アメリカのクローリー国務次官補によると、 「(北方領土に関して)アメリカ政府は日本を支持し、日本の主権は北方領土にも及ぶと認識しているが、ロシアが実効 支配している以上、日米安保条約は適用されない」 のだそうだ。 つまり、「支持」はするけど、手は貸さないと? 午前中。 なんだか寒いので、朝から鍋焼きうどんなど食べる。 まだ寒いので、風呂の湯を沸かして体を温めてみる。 でも、暖まらない。 熱い湯の中で、私の体だけが冷たいような嫌な感じ。 湯上がりなのに、ぞっと冷たい。 頭痛がして、くしゃみが出て来る。 これは……悪霊にとり憑かれたに違いない! 呼吸のたびに胸の真ん中あたりが痛んで苦しいので、あまり動けない。 篠笛を口に当てるが、まるで音が出ない。(これは普段と変わらない) 本も買いに行けないので「青空文庫」から、短編小説をダウンロードして読む。 今まであんまり好きじゃなかった堀辰雄の「燃ゆる頬」とか。 男子校の寄宿舎で、主人公が美少年と同室になって……みたいな話。 「ちょっといじらせない?」 なんてセリフは、今の少年同士の会話には出て来ないと思うが、戦前の少年は、普通にそんなことを言ったりしたのか? (うーむ、やっぱりパス。私はBLを読めない) 夕方。 部屋を出る気力がないので、ネットでピザを注文。 画面をクリックすると30分後にピザ屋が玄関にやって来るというのも、考えてみるとすごい時代だ。 夜。 まだ8時半だが、頭痛がひどいので、もう寝る。
2010年11月3日(水)
買い物で、千川という町へ行く。 ブラブラしていたら昼を大きく回っていたので、昼食を摂りに久々に「ひじり湖」という店に入る。 この店は、私のお気に入りの店なのだ。 場所は、有楽町線の千川駅から徒歩1分。 「フラカッソ」というファミレスの隣である。 行きがけに「フラカッソ」の方を覗くと、さすがに混んでいる。 駅から1分の好立地で、しかも昼過ぎなのだから、無理もない。 で、隣の「ひじり湖」の方はと言えば、窓から見て客かと思う人影は、実はクマのぬいぐるみ。 すでにこの瞬間から「当たり!」の予感である。 狭い階段を上がって店に入ると、見事なほどに客がいない。 店内のディスプレイは、クリスマスオーナメントと風鈴が同居している。 (サンタには、風鈴が良く似合う……???) ケーキセットを注文したら、 「ケーキはホットケーキになりますが、いいですか?」 という返事。 (ホットケーキかあ……) 嫌いじゃないけど、今の気分ではない。 「お勧めは、モーニングセットです」 と、言われたので、改めて時計を見れば、もうすぐ14時半。 好奇心を起こして、 「モーニングは、何時までやっているのですか?」 と、聞くと、 「1日中です」 それじゃ、「モーニング」じゃねーだろ!(笑) 「モーニングセット」を注文する。 部屋の隅でテレビがついていて、「シューシャインボーイ」というドラマが始まった。 柳葉敏郎と西田敏行と大滝秀治が出ている単発ドラマで、前にも1度見たから、これは再放送だろう。 やがて出て来た「モーニングセット」は、トーストとサンドイッチとサラダにデザートと飲み物が付いて450円。 ボリュームは十分で、なかなか美味い。 駅から近くて安くて美味くて静かな私のお気に入りの店。 質の良い十分な量の料理の単価が安いのに、客が少ない店って、最高だよな。 長く営業を続けて貰いたいものだ。 店を出たところで思い出したのだが、今日は文化の日だった。 何か文化的なことをしようと、銀座の画廊に絵を見に行く。 花と風景画を専門にする水彩画家の絵画展。 会場内で知人に会ったので挨拶したら、相手は私が分からなかったようで、名乗ったら、 「ふっくらと健康そうになっていたから」 と、驚かれた。 (見分けがつかなくなるほど膨らんだのか、私は!) 精神的な衝撃を受けたので、「銀座ライオン」に移動し、ムール貝とビールで傷心を癒す。 帰宅。 ネットを立ち上げたら、昼に途中まで見た「シューシャインボーイ」がGoogle検索の上位に上がっていたので検索 してみると、このドラマ、今年の「韓国ドラマアワード」で大賞を取っているのだね。 テレビ東京なんていう関東ローカルの局で放映された番組だったから、日本人でも見た人は少なかったかも知れない。 そもそも「新宿のガード下の靴磨き」という言葉の持つイメージが、韓国の人に分かるのか? 私が新宿で過ごしたのはまだ幼い頃だったが、この言葉の持つ差別的なイメージはなんとなく知っていた。 「そんな悪い子は、新宿のガード下へ行って靴磨きになりなさい!」 なんて言葉で、親に脅されたからだ。 「新宿のガード下の靴磨き」という言葉には、人生の敗残者をイメージする差別のニュアンスがあった。 「正しい」日本の高度経済成長から取り残された人々への軽蔑と嫌悪のイメージ。 「新宿のガード下の靴磨き」の存在は、日本の高度成長を象徴するような新宿の街の発展を、どこかで否定していた。 「シューシャインボーイ」は、「戦中」「高度成長期」「バブル崩壊後」の日本を生きる3世代の男達の人生の重なりを 描いたドラマ。 それぞれの世代の日本人を、大滝秀治、西田敏行、柳葉敏郎が演じている。 戦争の傷跡を胸に、経済発展を遂げる日本社会に背を向けるように新宿のガード下で靴磨きを続ける元日本兵。 その日本兵に拾われて育てられ、今は大会社の社長となっている元戦災孤児。 その社長に雇われ、自家用車の運転手として働いている、バブルの崩壊で合併吸収された銀行の元課長。 戦友を殺したかも知れない米兵の前に身を屈めて、その靴を磨く元日本兵。 彼は自分が拾った戦災孤児を「お前が頼みの綱だ。偉くなれ」と言って育てる。 戦災孤児は懸命に働いて会社を興し、運転手を雇う身分になる。 雇われた運転手は元銀行マンで、リストラ担当にされた挙げ句、人の心の荒廃ぶりににうんざりして転職した男。 そんな日本人の心の荒廃の原因を、彼は高度成長期に今の日本社会を作った人々にあると考える。 元日本兵に言われた通りに「偉くなった」戦災孤児は、育ての親である元日本兵を迎えに新宿のガード下に足を運ぶが、 相手は今の自分を褒めてくれはしたものの「俺はお前の親にはなれない」と言われる。 バブル崩壊後の犠牲者である運転手からは、「こんな日本を作ったのは、あなた方だ」と責められる。 この戦災孤児の人生が象徴するところの「日本の高度成長」とは何だったのか? ……というのが、おそらく物語のテーマなのだろう。 重いテーマのドラマを、必要以上に重たくしていないのは、プライドの高い運転手と正直者で人の良い社長のコミカルな セリフのやり取り。 脚本と役者で出来ている地味なドラマだったのだが、韓国人の心は捉えたらしい。 外国の人でも、日本人と同じように、このドラマをいいと思ったのだな。 寝ようか。
2010年11月2日(火)
朝。 ネットのニュースに上海万博で皆勤賞(?)だった例の「万博おばさん」の記事が載っていた。 尖閣諸島での漁船衝突事件後、中国デー式典への招待を、事務局が「日本人だから」という理由で取り消した時に、おば さんが「万博は国境を越えたイベント。国籍は関係ないでしょ」と問い詰め、その結果、あらためて招待状が届けられた という話に感心した。 大阪府知事も、閉幕イベントへの招待を一度取り消された際に、えらい勢いで怒ったことが中国に伝えられて、再招待と なったと聞く。 日本の外交に不足しているのは、不当なことをやられた時、「怒っている」ということをすぐに相手に伝える能力。 案件を本国に持ち帰って協議の上、冷静に対処を検討して改めて遺憾の意を表明……なんて悠長なことをやっていたら、 ナメられるのだ。 日本社会の中で「クレーマー」と眉をひそめられたり、「空気を読め」と嘲笑されるような人物こそ、こうした難しい局面 での対外交渉においては必要とされる人物だと考えた方がいい。 昼。 銀行へ行く。 銀行側のミスで誤って送られて来たカードの取り消し手続きなのだが、 「担当者の手が塞がっている」 とかで、窓口で待たされる。 どうも「担当者」は、別の窓口で、別の客にクレームを受けている模様。 (始終クレームを受けるようなミスの多い人なのか? それともクレーム担当なのか?) あまり待たされるので、ついに、 「こっちは単純なカードの取り消し処理だから、誰がやっても問題ない」 と、申し出て、若い女性行員に処理して貰って銀行を出たが、あっちの客の勢いから見て、黙っていたらどれほど待たされ たことか……。 リブロに寄ってから、帰宅。 篠笛で遊ぶ。 「ド」の音で苦戦中。 夕方。 吹き矢の講習。 バテて来ると、また的まで矢が届かなくなって来る。 (腹筋が弱いのかね?) 帰宅。 9時のニュースを見たら、 「北方領土へのロシア大統領訪問問題で、外務省は駐日ロシア大使を一時帰国させることに」 それはいいのだが、テレビに映った菅さんも仙谷さんも、ぜんぜん怒った顔をしているように見えない。 (ダメだよ、それじゃ!) 喧嘩のコツは、相手に、 「やべえ! こいつ、これ以上怒らせたら何をするか分からない」 と、思わせること。 気迫で相手をビビらせるのだ。 その気迫が、まるで伝わって来ない。 (お前ら、ひょっとして子供の頃に殴り合いの喧嘩をしたことがないのか?) 暗澹とした気持ちになったのは、今回の件に関する自民党の小池百合子議員のコメントの映像。 政府の対応がよろしくないという言葉の内容はともかく、口元に嬉しそうな笑いが浮かんでいたのだ。 「日本のピンチ」が、この人にとっては「ライバル政党のピンチ」なのだな。 「日本対ロシア」という視点ではなく「自民党対民主党」という視点で見ているのだ。 でなければ、日本がやばいという時に、あんな笑いは浮かばない。 「政府はダメだ」は、野党ならみんな言う事。 「では、どうすればいいのか」という代案を出せなければ、政権担当経験を持つ野党としての存在価値はない。 どうする、自民党? 寝る。
2010年11月1日(月)
朝起きて朝刊を広げたら、一面に、 “内閣支持率40%に急落 不支持48% 菅政権で初の逆転” “日越でレアアース開発” “ロシア大統領きょう訪問か 国後島「準備整う」” の3つの記事が並んでいた、上からこの順番で。 これがマスコミの考える「ニュースの重要性」の順なのか? 第日本帝国が太平洋戦争で負けた理由のひとつが、陸海両軍の内輪もめだったという話は本当だったんじゃないかという 気がする。 「内閣支持率」などという日本の内輪の問題より「対外問題」に注目すべきときだろう、今は。 午前中。 8時過ぎに家を出て、メンサの会場予約抽選会へ。 クジ運が悪くて、だいぶ待たされる。 椅子に座ってうたた寝していたら、咽が痛くなって来た。 風邪だと嫌なので、抽選会場から真っすぐ帰って薬を飲む。 午後。 篠笛で遊ぶ。 音が、安定しない。 オクターブの調整を唇でやらなくてはならないのだが、上の「ド」も下の「ド」の区別がつかない。 かつ、音が割れて汚い。 自分の鼓膜が可哀想になって来たので、ニコ動のピアニート公爵の演奏を聴いて慰める。 夕方。 電話とメールで来春のイベントの打ち合わせ。 ネットのニュース。(日経新聞電子版) “30日のベトナム・ハノイでの菅直人首相と中国の温家宝首相との非公式会談で、温首相が「外交の問題を対外的に表明 するときは慎重にやるべきだ。やはり民意は非常にもろいものだ」と述べていたことが31日、分かった” 中国共産党は、中国人民の民意を掌握しきれていない(反日デモを制止できない)という意味か? そして、それを菅さんに語った意味は何だ? 以下、心の黒い崎田の独り言。 「中国共産党が、尖閣諸島問題の長期化を恐れているなら、それを外交カードに使っちゃうというのはダメかね?」 夜。 佐藤編集長からメール。 30日の森下唯さんのピアノリサイタルでのアンコール曲3曲目は、シューベルトの「楽興の時 D.780 第2番」 だったのではないかとのこと。 (そうだったっけ?) 曲名を聞いても分からない音痴。 文学関係のニュース。 第2回目以降、ずっと大賞が出なかった「ポプラ社小説大賞」が、今回でなくなることになったのだが、その最後の選考 会でついに大賞が出たという。 「ポプラ社小説大賞」は、賞金額2000万円というのが話題になった賞で、こんな大金をホイホイ出せるわけがないの が大賞が出ない理由だろうと言われていたのだが、さすがに今回は最後だからね。 大賞を受賞した人は、テレビにも出ていた俳優さんだったのだとかで(私は知らない人だが)、俳優として働いた蓄えが あったからか、賞金の方は辞退したらしい。 ポプラ社、助かった?(^^; 「ポプラ社小説大賞」の後継の賞としては「ポプラ社小説新人賞」というのが出来るのだそうだ。 こっちは賞金200万円。 分かりやすくゼロがひとつ消えているなあ。(笑) 寝る。2010年10月分へ 目次へ
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