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独 り 言 (2010年10月分)
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2010年10月31日(日)
今日は、雨は降っていない。 もう1日早く雨が止めば良かったのにな、昨日のリサイタル。 昼からメンサの例会。 鍼灸師の内山さんがやって来て、 「通常5000円のところを、2000円で鍼を打ってあげる」 と、言うので、 「タダなら打たせてやる」 と、言って打ってもらう。 肝心の効き目は…… 「まあ、打った直後はやや改善するんだけどねえ」 ぐらい。 もっとも、普通の医者でもそんなに「劇的に治った」という体験はないから、こんなものなのかも知れない。 終了後の飲み会は、焼き牡蠣でシャブリ。 出版不況で、ライターさんが大変なようだという話とか。 トンデモ論文の田母神さんは、どうして共産主義者は万能だと信じているのかという話とか。 要は、どうでもいいような話をしつつ、飲む。 帰り道は、霧雨のようなものが降っているような、降っていないような微妙な天候だった。 石ノ森先生のお墓参りをしてから、家に帰って、寝る。
2010年10月30日(土)
台風が来ているが、今日は森下唯さんのピアノリサイタルがある。 しかし、たとえ嵐が来ようとも行かねばならぬ場所というのがあるのだ、漢には! ……というわけで、上野の東京文化会館に出かける。 開演は2時からなのだが、自由席といいうことで、1時に到着した頃には既に列が出来ていた。 30分並んで席を取り、小腹が空いたのでサンドイッチなど食べにエントランスに出て来たところで、森下一仁先生と バッタリ。 お忙しそうだったので、あまりお話は出来なかったが、サンドイッチは美味しかった。(なんだ?) 2時、開演。 まずは、アルカンの「悪魔のスケルツォ」(作品39の3)。 鍵盤の上で白い指が走り回る小動物のように動き、それが音となり、メロディを奏で、空気中に広がって音楽となる。 不思議な光景。 かなり音痴の崎田の耳にも、確かに心地良い音楽に聞こえるのだから、相当なものである。 次の曲が面白い。 やはりアルカンの「3つの大練習曲」(作品76)ということなのだが、 変イ調の幻想曲:左手のための 序奏、変奏曲と終曲:右手のための 相似的無窮動:両手のための タイトルに「左手のための」「右手のための」と付いていることで分かる通り、この2曲は片手だけで弾くのである。 それも音だけ聴いたら、とても片手だけで弾いているとは分からないほどに鍵盤の端から端までを指が駆け回る極めて パフォーマンス性の高い曲。 これはCDやレコードでは楽しめない。 ここで15分間の休憩。 (え、もう?) というくらいにあっと言う間だった。 密度の高い演奏会。 後半は、前半の「体育会系演奏」とガラリと変わってシューベルト。 モルト・モデラート アンダンテ・ソステヌート スケルツォ:アレグロ・ヴィヴィァーチェ・コン・デリカテッツァ アレグロ・マ・ノン・トロッポ 指が鍵盤にそっと触る感じ。 音がふわっと空中に満ちて来る。 で、アンコール曲……は、なんと「生き別れの弟」(※)のレパートリーから! 「蒼い鳥」 「時報によるロマンス ト短調」 3曲目は「序奏とやや華麗なる小円舞曲(笑)【Here we go!!】」だったかな? 音痴なので分からなかった。 (正解が分かる方がいたら掲示板ででも教えて下さい) 11/1追記:佐藤編集長によるとシューベルトの「楽興の時 D.780 第2番」だったそうです。 ※生き別れの弟 森下唯氏は「ニコニコ動画」で有名な謎のピアニスト「ピアニート公爵」は、の生き別れの兄という「設定」。 決して「中の人」ではない。(笑) 帰り道。 喫茶店でお茶。 宇都宮さんに、 「舌に出来るしつこい口内炎は舌ガンの可能性がある」 という話を聞かされる。 口内炎、出来やすい体質なんだけど、やばいかな? 台風で電車がなくなるといけないというので、早めに解散。 家に帰ってピアニート公爵の動画を鑑賞。 (美しい音楽だ) 篠笛で遊ぶ。 (汚い雑音だ) ……寝ようか。
2010年10月29日(金)
かろうじて雨は降っていない。 篠笛で遊ぶ。 アンブシュアが出来ていないのが自分でも良く分かる。 午後。 東武デパートへ。 今日、気がついたのだが、この建物の窓からは新宿のコクーン・タワーがはっきり見えるのだな。 意外と近い印象だが、建物がデカいせいか。 その辺を少しふらついてから、世界堂で葉書用の修正ペンを買う。 (年賀葉書を買う前に、修正ペンを買うところに人間性が現れているな) 1号君に会う。 ペン先を買いに来たのだそうだ。 「修羅場だぜ」 とか、ほざかれる。 (ああ、冬コミか……) 1号君、地下通路のドラッグストアで買った「眠眠打破」を飲みながら、 「最近、オレ眠れなくて……」 (バカだろ、お前?) バイトに行くという1号君と別れて、夕食は中華料理屋で水餃子を食べつつ、ビール。 帰宅して、また篠笛で遊ぼうとするが、アルコールが入っているとまともな音が出ないので、やめる。 10時半頃。 1号君から電話。 「ロッテリアの前で飛び降り自殺騒ぎが起きているけれど、ニュースとかやってないか?」 と、言うので、一応、見てみるが、やっていない。 「池袋では、よくあることだから」 と、いい加減な返事をして電話を切る。 ニュース。 予定されていた日中首脳会談が、中国側の拒否によって土壇場で流れたのだそうだ。 中国側は、拒否の理由を、 「ASEANとの会議の場で、日本側が日中外相会談の内容を不正確に話して雰囲気を壊したから」 と言っているそうだ。 私は、どっちかと言うと本音は、前原さんがクリントンさんと話し合った、 「レアアースの新たな供給源を開拓しよう」 ってな話の方がカンに触ったのだと思うけどな。 「日米が共同して中国以外のレアアースの供給源を開拓することにしたから」 じゃあ、レアアアースを戦略的武器に使おうとした中国の方が悪者になるから、他の理由を探したのだろうけど、 「不正確に話して雰囲気を壊した」 なんていう曖昧な理由を挙げなくてはならなかったのは、他に上手い理由を考えつかなかったからかな? 今回の場合、「ちょっとピンチ」は中国の方なので、日本側は落ち着いていればいいと思う。 寝よう。
2010年10月28日(木)
雨。 自宅で書類仕事。 なぜかパソコンがプリンターを認識しなくなり、再設定したりいろいろ試すが、やはり動かない。 こういうとき無線LANは、かえって厄介だ。 3時間ぐらい格闘した挙げ句、知人に現状をメールしようかとアクセスポイントを写メしたら、シャッター音を合図にし たかのように、急に正常に作動し出したプリンター。 (写真を撮って欲しかったの? ね、そうなの?) 年頃の(?)プリンターの考える事は、よう分からん。 昼。 プリンターの件で1号君につい相談電話をかけてしまったのが悪くて、ラーメンを奢らされる。 ついでなのでアパートまで遊びに行ったら、なんか急がしそうにしている。 「著作権法の課題がある」 のだそうだ。 「オレ、条文を見ると目が拒絶反応を起こす体質で……」 (ダメじゃん、大学生) 脇から覗き込んだら「著作物となるものを選べ」とかいう問題で、選択肢の中に「判決」というのがあったのには笑った。 最高裁の判例と同じ判決を下したら著作権侵害になる……とかいうことになったら裁判がすごいことになりそうだ。 帰宅。 篠笛で遊ぶ。 簡単な童謡を吹いてみるが、やはり「ド」の音がまるで安定していない。 夜。 ネットのニュースを見る。 ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、中国政府が日本やアメリカ、ヨーロッパ向けのレアアースの輸出停止措置を 解除したのだそうだ。 但し、 日本向けのレアアースの輸出は、追加の調査が必要なので、若干再開が遅れるという。 問題は、この「若干」がどのくらいの期間なのかが分からないということ。 もしも「若干」が長引いて、日本がアメリカやヨーロッパ諸国に同調を求めても、 「我々の方は、もう輸出停止措置が解除されているからねえ」 という風になる仕組みか? ここでも「相手はひとりに絞る」という喧嘩のセオリーを、ちゃんと守っているのだな、中国。 それに比べると、日本ってやっぱり外交が下手。 子供の頃に喧嘩とかやったことのない人間が外交官になっているのだろうか? 寝る。
2010年10月27日(水)
朝。 寒いと思ったら、夜半に吹いた風は「木枯らし1号」だったのだそうだ。 もう冬なんである。 (私はまだ、今年の秋の味覚を堪能してないぞ!) 午前中。 空が晴れていたので、ジャージを洗って干す。 寒い。 (もう、完全に冬かな?) と、思っていたら、天気予報によると「台風接近中」なのだそうだ。 午後。 笛で遊ぶが、やはり「ド」の音が安定しないので曲にならない。 夕方。 買いものに出かけたら、スーパーマーケットの近くに緑色のベストを着たおっさんが立っている。 ベストに何か書いてあるので、近づいて読んだら「歩行喫煙パトロール」だった。 見回せば周囲は、スーパーのビニール袋を両手に下げて、足早に家路を急ぐおばさんばっかり。 こんなところに「歩行喫煙者」がいるわけないじゃん! おっさん、仕事をサボッているのか? それとも、本当にこの時間帯のこの場所が「管轄」なのか? 区民の税金で雇われているのだろうが、こんな歩行喫煙者なんかいそうもない場所で、ぼんやり突っ立っているのが仕事なのか? これで時給が支払われるのか? (蓮舫さん、豊島区にも「仕分け」に来てくれ) 夕食。 寒いのでシチュー。 夜。 ネットで拾った笑えるニュース。 「日本鬼子(リーベングイズ)」と言えば中国人が日本人を罵る時の罵声語なのだが、日本のオタクたちが、この「日本 鬼子」を「ひのもと・おにこ」と読んで萌えキャラ化してしまおうというプロジェクトを立ち上げたらしい。 「日本鬼子」のキャラクター・デザインについては、既にいくつもの候補が公開されていて、どうやらこの「萌えキャラ」 は、中国のオタクにも(困惑はされつつも)概ね好意的に受け入れられているらしい。 これぞ、日中オタク文化交流! 「萌え」の心は、世界共通言語だ。(笑) 寝る。
2010年10月26日(火)
昨夜スマトラ島で、また地震があったらしい。 地殻の変動とかが収まるまで、あんまり危険な島には人が住まないようにするわけにはいかないのか、三宅島みたいに。 午前中。 篠笛で遊ぶ。 「ド」の音が安定して出ないのは、相変わらず。 上手く行かないことがあると、すぐに他人のせいにする崎田、そろそろ「笛が悪いんじゃないか」と思い始める。 昼食。 寒いので鍋焼きうどん。 北海道では初雪が降ったそうだ。 夏が終わった途端に冬が来てしまったようだ。 秋はどこへ行った? 午後。 インドネシアで、今度は火山が噴火したそうだ。 天変地異が続いているようだが、あの辺の地殻が全体的に不安定な状態になっているということか? 中国の「反日デモ」は、収束に向かう兆しが見えない状態のまま。 24日に宝鶏市で起きたデモで政府批判が行われたことについても、ツイッターに賛意を示す内容が書き込まれていると いう。 中国政府としては、これは急いでデモの軌道修正をしなければ我が身が危ないわけで、もしかすると、いま中国共産党が 最も頼みとする味方は、目立つ騒ぎを起こして中国の民衆デモの方向を「反共産党」から、「反日」に向けてくれそうな 日本の右翼活動家かも知れないな。 もしも私が、中国共産党の在日工作員だったら、 「さあ、いま反中国デモをやろう!」 と、右翼団体を必死で煽るだろう。 夜。 窓の外ですごい風の音がする。 寒くなって来たので、早めに寝る。
2010年10月25日(月)
朝のニュース。 中国の「反日デモ」で掲げられている横断幕に「官僚腐敗反対」や「多党協力推進」が目立つようになって来たようだ。 (やっぱり、そっちへ行ったか) 「多党協力」と言ったら、共産党の一党支配をもろに否定するスローガンであるから、そんなものを「推進」されたら、 中国共産党はたまったものじゃない。 そもそも共産中国というもの自体が、民衆が武力で前の政権を倒して建てられたもの。 前例があるだけに、民衆の蜂起には現実味があり、侮れないのだ。 中国政府も、ネットでのデモ参加呼びかけを必死で削除しているらしいが、数が多いだけに追いつかないらしい。 (ここで万一、中国政府がコケるようなことがあったら、世界経済に与える影響は大きいだろうな) しばらくは、「中国ウォッチャー」になりそう……。 午後。 洗濯屋だの郵便屋だの、あっちこっち回っているうちに、日が暮れてしまった。 K山さんがブログで「トマト鍋」なるものを褒めて讃えていたので、夕食はそれにする。 ちなみに、「トマト鍋」というのは、トマト味のスープに、鶏肉やら、白菜やら、人参やら、タマネギやら、ブロッコリー やら、しめじやら、ソーセージやらを、ともかくぶっこんでただ煮ただけの料理のこと。 以前はトマトベースの野菜ジュースにコンソメを溶かして使っていたのだが、近頃は、そのまんま「甘熟トマト鍋」という 名前の製品がスーパーで売られているというので、今回はそれを買ってみた。 スープの味付けをする必要がないので、本当にただ材料を洗って、切って、鍋に放り込むだけ。 それで、そこそこの味のものが出来てしまう。 (このようにして、人間は「退化」していくのだなあ……) 夕食後。 篠笛で遊ぶ。 やはり「ド」の音がきれいに出ないな。 夜。 ふと気がついたら、左の親指の爪が大きく割れていた。 ここのところ、足の爪が小さく割れることが続いていたのだが、ついに来たようだ。 血は出ていないが、割れた部分が剥がれ気味になるので、その部分が痛い。 ネットで調べたら、「爪が割れ易いときにはケイ素入りサプリが効く」と書いてあったので、ホイホイと買う。 爪が割れて剥がれると、痛くて嫌なのだ。 割れてしまった爪には、ティッシュを押し宛てて絆創膏で固定し、応急手当をしてから、寝る。
2010年10月24日(日)
朝。 篠笛で遊ぶ。 (「レ」の音までは、なんとか出るんだけどねえ) 『しの笛の吹き方』(石高琴風 ケー・エム・ピー)を開き、「音の出しかた」のページを読む。 えーと…… 「解りやすくいうと火鉢の中の炭火を口で吹いて起こす時の要領で吹きます」 (なるほど、あとは「火鉢の中の炭火を口で吹いて起こす時の要領」が分かれば、吹き方が分かるわけだ) さすがは、1970年に書かれた本。 (つーか、私が子供の頃でも「火鉢」なんてものは周囲で見かけなかったよなあ) この辺が、東京生まれのハンディキャップか? 昼。 1号君のアパートに遊びに行く。 入り口にドアチャイムが付いていたので、 (へえ、こんなものを付けたんだ) と、チャイムを鳴らして中へ入ったら、電気屋さんがドアチャイムの取り付け工事をしているところだった。 (良かったね、作動テストはバッチリだ) 午後。 佐藤編集長と池袋へ。 東急ハンズに行ったら「○○○との撮影会を行っています」という店内アナウンスが聞こえたので、野次馬根性を起こし て見に行くと、ウサギのような耳がついたピンク色のバケモノの着ぐるみの隣で、女性店員が、 「フモフモさんとの撮影会でーす!」 と、叫んでいたが、誰も近寄ろうとしない。 佐藤編集長に至っては、 「気持ち悪いバケモノの前を通りたない」 と、わざわざ遠回りをするしまつ。 「一体なんやねん、アレ?」 (私に聞かれてもねえ……) 困ったことに、佐藤編集長のバリトンバスは、騒がしい店内でも響いてよく通る。 自分の事が話題になっていると気づいた「フモフモさん」、こっちへ向かって来る。 「来たあ! 気持ち悪いの来たあ!」 と、騒ぐ佐藤編集長。 イベントで着ぐるみの仕事をやっている「中の人」の習性として、反応する人に構うから、「フモフモさん」、ますます 寄って来る。 こんなところで着ぐるみ相手に、ショータイムを盛り上げても一文の得にもならないので、カタログだけ貰ってハンズを後にする。 (客寄せキャラが、客を追い払ってどうするんだろうなあ……) 着ぐるみに追われて60階通りに出ると、そろそろ夕食の時間になっていた。 「サイゼリア」で、エスカルゴをつまみにワインを飲む。 相変わらず高校生の多い店だ。 食事をしていたら、極彩色に髪を染めた若者達がレジでゾロゾロと清算しているのが目についた。 どうやらミュージシャンのグループらしく、店に預かってもらっていた楽器ケースを受け取って、店員に丁寧に礼を言って いた。 大きな楽器をいくつも持ち歩かないといけない演奏グループの人たちは、食事をするのも大変だなんだなあ。 (銘々が自分の楽器を持って別々の店に入れば楽器もあまりかさばらないのかも知れないが、あの舞台用に真っ赤に染め ちゃった髪の毛で、ひとりでレストランに入るのは、ちょっと勇気がいるしね) 帰宅。 衆院北海道5区補選で、自民党の町村信孝候補が38歳の新人候補を破って当選というニュース。 いくら現在は野党とは言え、外務大臣やら官房長官やらを歴任した人が息子ほどの年の新人に負けたら、なんぼなんでも みっともなくて支持者に顔向けできなかっただろうから、当選できて良かったと思う。 落ちた方も「やっぱり」みたいな感じで笑っていたそうだし、こっちはまだ若いから「今後に期待」で問題ないだろう。 こういう、当選した側もしなかった側も両方ニコニコして終わる選挙は、いいね。 ところで町村さんって、確か例の「UFO発言」の人だよな? そういう夢のある人って、好きさ。 寝る。
2010年10月23日(土)
朝。 ゆっくりと目を覚ましてニュースを見ると、告発サイト「ウィキリークス」が、また、アメリカの機密文書を「公開」して しまったのだとか。 当局が統計が存在しないとしていた2004年〜09年の死者数について、兵士より市民の犠牲者が多かったことなどが、 すっぱ抜かれたようだ。 昼から篠笛で遊ぶ。 やっぱり低音部で音が安定しない。 夕方。 国際ニュース。 中国の反日デモは、まだ続いているようで、デモ隊が暴徒化するのを防ぐために、警官隊が周囲を取り囲んでいるらしい。 いしいひさいちの漫画に、政治デモに集まった学生たちがシュプレヒコールを上げているうちに、次第にそれぞれが日頃 の鬱憤を大声でわめき出し、収集が着かなくなってしまうというのがあったが、中国政府が恐れているのは、たぶんそれ に近いものだろう。 「日本への反感」が「日本製品を多数所有している政府高官への反感」に変化するのは、非常に容易なことだろうから。 夜。 そろそろ音を出すのがやばい時間帯になって来たので、篠笛を置いて、録画しておいた「宇宙犬作戦」を見る。 相変わらず、予算のないのがヒシヒシと伝わって来る中毒性のあるショボさ。 今回は、新型ウイルスによって感染者相互の人格が入れ替わるという、特撮も何も必要ない、ただ役者が芝居をするという だけのことで出来上がるドラマ。 モジャット(片桐仁)のキャラを演じたマルコ役の戸次重幸が、ハンパなく上手かった。 (役者の「芸」を見せてもらったなあ) ……寝よう。
2010年10月22日(金)
朝。 8時前に宅急便が大きな箱を届けに来た。 1辺が50cm近くあるダンボール箱。 開けてみると、篠笛が1本入っていた。 通販で品物を発注する度に思うのだが、商品に対して箱がデカ過ぎ。 昼。 銀行へ。 「身分を証明する書類をお持ちですか?」 と、尋ねられたので、 「住基カードがあります」 と、答えたら、書類の「外国人登録証」に印をつけられた。 (フランス人に見えたとか?) 昼食後、リブロに寄って『しの笛の吹き方』(石高琴風 ケー・エム・ビー)を買う。 オカルト系の売り場をウロウロしていたら、五島勉氏の新作『未来仏ミロク像の指は何をさしているのか』という本が置 いてあった。 奥付を見ると、今年の3月の発行。 まだ、お元気でいらっしゃるらしい。 帰宅。 笛を吹いて遊ぶ。 横笛というのは、どうも低い音ほど出しにくい構造になっているらしい。 「ド(C)」の音を出すのに悪戦苦闘する。 そんなこんなで、午後6時過ぎ。 今日がワークショップのある日であったことを思い出して、慌てて家を出る。 (シャワーを浴びている暇がなかったので、香りのサービス付き) 本日の講義は、小説を書くための基本事項について。 放課後、「青龍門」で赤ワインを飲んで、帰宅。 寝る。
2010年10月21日(木)
朝。 ニュースを見たら、集中豪雨の土砂崩れで奄美大島がえらい騒ぎになっているようだ。 台風か? テレビに映った地元の人が「こんなのは初めて」と言っていたから、やっぱり異常気象の一種なんだろう。 昼。 アップルが来年、OS Xの新バージョンを出すというニュース。 「Lion」というのだそうだ。 シャムに、チーターに、ピューマに、ジャガーに、パンサーに、タイガーに、レパードに、スノー・レパード…… (ネコ科の動物って、あと何があったっけ?) もうひとつ、アップル関連。 「Mac Book Air」に11インチ画面というのが加わるらしい。 デスクトップPCは、大きく大画面で、ノートPCは小さく軽くという傾向に行くのかな。 午後。 『エディプスの恋人』(筒井康隆 新潮文庫)読了。 簡単に言うと「もしも神様がモンスターペアレントだったら……」みたいな話。 特徴として、1ページの文字の方向が放射状になったり、文字色が変わったりと、視覚的な遊びが施されている。 アルフレッド・ベスターの『虎よ! 虎よ!』も似たようなことをしていたな。 SFという「絵」的なジャンルの文学を表現する方法を、作家が模索していた時期なのか? さて今回、主人公・七瀬は有名私立高校の事務員として働いている。 (前作『七瀬ふたたび』のラストとの整合性は? という疑問は、ちょっと置いておいて……) この高校の生徒の中に謎の少年がいて、彼の周囲では不思議な現象が起こると言う。 謎を解明するために少年が生まれた村に出向いた七瀬は、そこで少年の母の失踪事件という新たな謎に行き当たる……。 ここまでが前半。 全体に正当派ミステリーのテイストである。 そして後半。 ここから話はファンタジーになって来る。 謎の力に操られて、突然、調査対象であった問題の少年と激しい恋に落ちる七瀬。 さらに少年の父親の口からから語られる、この世のものではない物語。 さらにさらに、話はどんどん現実離れして行き、『七瀬ふたたび』の主要メンバーが再集結! と、思ったら……。 (『七瀬ふたたび』のラストとの繋がりが、この辺りでどうにか説明されている) オムニバス短編『家族八景』の「亡母渇仰」ではマザコン息子は周囲の笑い者になるが、こっちは「過保護ママ」によっ て完全に支配されてしまった世界が舞台。 作品が書かれたのは、1977年。 当時の社会の「女性化」を風刺する目的で書かれたものらしいが、 (当時の感覚では「情報化社会」は、女性的イメージで捉えられていたのか) などと、新たな発見。 「七瀬三部作」を読み終わった直後の感想。 「これって、ヒロインがそれぞれ別の人ということにしてはダメだったのか?」 それぞれの作品のヒロイン、名前こそ同じだがキャラが違い過ぎる。 特に『家族八景』の七瀬と『エディプスの恋人』の七瀬では、完全に性格の違う別の人物になってしまっている。 これだけテイストの違う物語の、さらに言うならば世界観も違う物語の、性格も立場も違うヒロインを「テレパス少女」 という共通点だけで同一人物としてしまった理由は何だろう?。 筒井先生、よほど「七瀬」という名前が気に入っていたのだろうか? それとも、変化するヒロインの姿を通して、1970年代という時代の急激な価値観の変化を描き出そうとしたのか? 「1970年代とはどんな時代だったのか?」を改めて知る上で、興味深い作品。 夜。 自民党の石原幹事長に、 「舛添要一氏が東京都知事選に間違いなく出馬する、と新党改革の荒井広幸幹事長から電話があった」 と、言われた舛添氏自身が、日経新聞の取材に対してこれを否定したというニュース。 荒井幹事長も記者団に電話の内容を否定した上で「政治的なことがあるのかもしれない」と述べたのだそうだ。 「政治的なこと」というのは、舛添さんが都知事選出馬の足場固めをしてしまわないうちに、出馬するかしないかをマス コミに明確にしなくてはならない立場に追い込むことで、出馬しづらくしてしまおうという意味だろうか? (息子がこう動くという事は、親父がまだ都知事を続けようとしているということかね? やだなあ) 一方、鳩山兄弟は「蓮舫行政刷新大臣が(都知事選に)出馬したら、人気があるから勝てるだろう」なんか話していたと 言うし……。 石原さんちも、鳩山さんちも、東京都知事を家族会議で勝手に決めないで欲しい。 寝る。
2010年10月20日(水)
朝。 1号君から電話。 「夕べ、バイトからの帰り道、なんか空気が鉄臭いなあ、と思っていたら婆ちゃんが商店街の道路を水で洗ってて、おば さんたちが集まって会話してて、通りすがりに聞こえた言葉が『あんなに血を流して……』だったんだけど、俺は一体、 何を見たんだと思う?」 と、質問されたので、 「それはきっと、掃除好きのお婆さんと、世間話をしているおばさんたちだろう。池袋ではよくあることだから気にする ことはない」 と、言って安心させる。 (道路を水洗いする婆ちゃんなんて、きっとどこにでもいるはずだ) 午前中。 前からちょっと興味のあった篠笛を、アマゾンに発注。 湿度管理を失敗して木製のブロックフレーテを割ってしまった経験があるので、プラスチック製のものを選ぶ。 (ただ、横笛って基本的に音がでかいんだよな) 場合によっては、練習場を借りないといけないかも知れない。 余談だが、ブロックフレーテが、フルートに木管楽器の主役の座を奪われたのは、器楽合奏の主流が室内楽から交響楽に 移行する際に、音の大きさがネックになったかららしい。 広いコンサート会場では、「鳴り響く」音の出るフルートの方が有利なのだ。 日本では特に、 フルート=カッコイイ ブロックフレーテ=ダサイ のイメージが定着してしまっているようで、以前見たバラエティ番組で、コメディアンがブロックフレーテを指差して、 「これって、楽器のうちに入るの?」 と、笑い者にしていた。 可哀想な楽器である。 今ふと「偉い楽器」の基準というものを考えたのだが、 1)演奏が難しい。(フルートとか) 2)値段が高い。(ピアノとか) の、2つかな? そうなると、子供でもある程度の演奏が出来る上、100円ショップでも買えるブロックフレーテは、圧倒的に不利だ。 そして、この私も、ブロックフレーテをオシャカにしたからと、 「じゃあ、代わりに篠笛を買おうか」 などと言っている、裏切り者なんである。 (ごめんよ、ブロックフレーテ) 昼。 ラーメンとギョーザ。 リブロへ行って『家族八景』『七瀬ふたたび』『エディプスの恋人』(筒井康隆 新潮文庫)を買って来る。 いわゆる「七瀬三部作」と言われているシリーズで、有名過ぎて読む機会を逸していたSF小説のひとつ。 『家族八景』 心理ホラーのオムニバス短編集。 一見、平穏に見える家庭の中でも、それぞれの家族の内面は恐ろしいほどドロドロしているという話。 主人公は住み込みの家政婦だが、人の心の中を読んでしまうという超能力を持っているという設定で、この能力のために 住み込んで働く家庭に、様々な波紋を起こして行くことになる。 作品の発表は、1970〜71年(昭和45〜46年)にかけての雑誌掲載だそうで、「明るいホームドラマ」の全盛期 であった昭和40年代に発表された「暗いホームドラマ」。 読んでいて、「ああ、昭和だなあ」という感じがした。 高度成長期、家政婦というものが、普通の家庭にいる時代。 「大家族に複数の使用人」から、「核家族にひとりだけの使用人」という状態へ。 男尊女卑が今よりずっと強くて「女中」というものの社会的地位も低い。 「女中に手を付ける」ということが、婦女暴行という犯罪だなどという考えがまるっきりない雇用主もいて、住み込みで 働く若い娘の身に迫る危険も、ハンパじゃなかったわけだ。 『七瀬ふたたび』 『家族八景』の最後で、あまりに度重なる貞操の危機に、ついに住み込みの家政婦の仕事をやめた主人公が、母の実家に 向かう途中で、事件に遭遇するところから物語は始まる。 心理ホラーものだった前作とはうって変わって、これはサスペンス・アクション。 前作では基本的に傍観者の立場だった主人公が、事件の中心となってストーリーが展開する。 また、前作では「孤独な超能力者」だった主人公は、この作品では、自分と同じように超能力を持つ仲間(あるは敵)と 次々に遭遇して行くことになる。 発表は、1975年。 主人公達と敵対する組織が「警官」を手先に使っているあたりが、1970年代の時代の空気か。 ところで、この敵組織の人間達のように、ただひたすら自分たちを殺すために追って来る敵のイメージは、同じ筒井先生 のホラー「走る取的」と同じものだよな。 ともかく追いかけられるという、悪夢のような話。 「七瀬ふたたび」は、今度、映画化されたそうだが、2010年という時代に、1970年代に書かれた物語がどのよう な解釈で映像化されるのかは、ちょっと楽しみ。 ……そろそろ、寝ようか。
2010年10月19日(火)
午前中。 『タイム・トラベラー』(ロナルド・L・マレット、ブルース・ヘンダーソン:著 岡由美:訳 竹内薫:監修)読了。 結論から言うと、本の最後まで行っても、まだタイムマシンは「実験中」である。 (目下の目標は、素粒子を過去へ送れるタイムマシン) マシンの基本構造としいては、鏡で光をグルグル回す代わりに「交差するレーザー光線」が採用になったそうだ。 「4つの別個の交差するレーザー光線を使って、正方形を形成する」(286ページ) というのは、つまり「右から左」「向こうから手前」「左から右」「手前から向こう」の4方向に向かう光線の四角で、 その真ん中にグルグル回るレーザー光線と、同じ時空の歪み効果を起こそうということかな? (私は、物理学は苦手だ) 午後。 マレット博士の理論に対する反論を、英語版のwikiで見つけたので、読んでみる。 言うまでもなく、英語。 (私は、英語も苦手だ) ええと…… ……the energy required to twist spacetime sufficiently would be huge, and that with lasers of the type in use today the ring would have to be much larger in circumference than the observable universe. the energy required to twist spacetime sufficiently would be huge, 十分に時空を捻るのに必要なエネルギーは巨大である。 and that with lasers of the type in use today そして現在使用しているタイプのレーザーを使うと the ring would have to be much larger in circumference than the observable universe. リングは観測可能な宇宙の円周より遥かに大きなものでなくてはならないのである。 ……要は、時空を捻るために必要な円周のレーザーリングを作る事は、不可能だと、そういうことか? (この辺は、たぶん数式がいっぱい出て来る話なんだろうな) 遊んでいるうちに、気がつけば夕方。 今日は吹き矢の講習がある日なのだった。 考えてみると、すでに半年以上、この講習に通っていることになる。 その成果が上がったのか、 「始めた頃は矢が的に届かなかったのに、最近は的に当たるね」 と、講師の先生に進歩を褒めて頂く。 (ちょっと得意♪) 帰り道の蕎麦屋で夕食を済ませ、寝る。
2010年10月18日(月)
朝。 ネットのニュースで面白いものを拾った。 「HRPー4C 未夢(ミーム)」のボディを、 「Choreonoido(コレオノイド)」による動作プログラムで動かし、 「VOCALOID CVー4Cβ」の声を、 「Netぼかりすで」調整したという、歌って踊るロボットの映像。 バックにプロのダンサーが踊っていて(これはいらない演出だよな)、彼女たちの動きに比べるとぎこちなさが目立つが 「ダンスの下手な新人」だと紹介されたら、騙される人もいるかも知れないという程度の動きが出来るロボット。 「HRPー4C」の開発者によると、この機械を女性型にしたのは「(研究への)関心を集めるため」なのだそうだが、 その目的は十分に果たしていると思う。 昼。 リブロへ。 「Newton別冊 改訂版みるみるよくわかる光とは何か?」と『タイム・トラベラー』(ロナルド・L・マレット、 ブルース・ヘンダーソン:著 岡由美:訳 竹内薫:監修)を買って帰る。 「Newton別冊」は、光の屈折の仕組みや、光が真空中を伝わる仕組みを高校生レベルを対象に解説したムック。 『タイム・トラベラー』は、この間、保留にしていたものを、やっぱり買った。 ロナルド・L・マレット博士が独自の「タイムトラベル論」に辿り着くまでの話で、一種の自伝。 (まだ途中まで読んだところだが、マレット博士は、つくづく無駄のない人生を生きて来た人だな) 写真で見ると、博士は、輝く瞳が印象的な聡明そうな人物だが、自伝を読むと、つき合いづらい嫌な奴かも。 10歳で父親と死に別れ、母親の再婚により継父に育てられたのだが、継父は恐らく、この知能は高いが、死んだ実父を 神格化して決して自分に心を開こうとしない義理の息子の扱いに、相当苦慮したことと推測される。 (だって、「死んだ父親に会いに行くためにタイムマシンを作る」なんて言って、本当に大学で物理学の勉強を始めてし まうような息子って、どう扱ったらいい?) マレット博士は、SFのファンだったらしい。 でも、SF作家にはならず、研究者になった。 基本は「『鉄腕アトム』を読んでロボット開発者になりました」という人と同じか。 しかし、研究テーマが「タイムマシン」というところが、すごい。 共著者のブルース・ヘンダーソン氏は、ノンフィクション作家。 たぶん実際に本を書いたのは、ヘンダーソン氏の方なのだろう。 学者の著書とは思われない読み易い構成になっている。 10章まで読んだところで、時計を見ると午前2時。 いよいよ11章からタイムマシンそのものの仕組みの話になるようなのだが……、明日、また続きを読もう。 寝る。
2010年10月17日(日)
午前中。 『グアルディア』(仁木稔 ハヤカワ文庫)ついに読了。 なんとも読みにくい小説だった。 まず、物語の冒頭に出て来る最初の「名前のある人物」が、なんと、ただの「通りすがりの人」だったという、ある意味 意外性のある出だしに、これが誰の物語なのかがよく分からなくなる。 その後、視点は物語世界における最高権力者周辺と、旅の超能力者親子に関わった少年の話を行き来する。 どうやら権力者は、この親子を追跡しているらしい。 そこへ変な宗教家が登場して来る。 では、この宗教家が物語に大きく関わって来るのかと思って読んでいると、こいつはただのバカだったというオチ。 で、ドタバタやっているうちに上巻が終わり、下巻の始まりで権力者と親子はあっさり出会って取引がまとまってしまう。 こんなに簡単にまとまる話なら、追跡だの何だのとややこしいことをする必要はまるでなかった。 何だったんだ、上巻まるまる1冊分のあの話は? ともかく下巻に入って権力者の謎の陰謀は、実行に移される。 しかし、ストーリーの中心に置かれたこの権力者が、また魅力のない人物で、こんなのに命がけで仕えている人間達が、 みんな阿呆に見えてしまう。 そしてラストで、いよいよ権力者の陰謀の内容が明かされるわけだが、これがまた、腰が抜けるほどしょぼい。 中学生か、お前は?! というようなレベルの目的。 たぶん読者層に、中学生ぐらいの年齢を狙った作品なのだろうが、中学生レベルの問題を解決する話の主人公に、世界を 動かす最高権力者を配したのは、正解なのか? まあ、子供にとっては「僕をとりまく全世界の問題」なのかも知れないが、その問題に立ち向かう登場人物の年齢設定が 20代半ば。 「10年前に済ませておきなさい、そんな問題の解決は!」 大人が読むには、向かない話。 午後。 中国の「反日デモ」は、まだ続いているらしい。 一部が暴徒化しているとも伝えられる。 中国政府は、デモが政府批判の方向に向かう事を警戒しているらしい。 私が中国政府だったら、暴徒が自分に向かって来そうになれば、 「こっちへ来るな。あっちへ行け!」 と、遠くを指差すだろう。 そのちょうど指差し易いところに、田母神さんがピョンコピョンコして目立っている。 「おーい、あんた達の敵は、こっちだよー!」 (誰か、あのバカを黙らせてくれ!) ニュースを見ていると憂鬱な気分になるので、録画しておいた「宇宙犬作戦」を観る。 下品で下らないSFコメディ。 今回、DC号が立ち寄ったのは、外見を他人とそっくりにコピーできる宇宙人の住む惑星。 指名手配中の凶悪犯が、DC号に紛れ込み……という、お定まりの展開である。 ちょっと、お定まり過ぎた。 ところで、最近、和製SFドラマが、また増えて来たようで、私は観ていないが、民放の新番組、「Q10(キュート)」 というドラマも、設定はSFらしい。 予告だけ観たのだが、女性アンドロイドが出て来る話のようで、このアンドロイド役の女の子がいかにも機械っぽく抑揚 のない棒読み口調で喋る。 (いまどき、ボイスロイドの「吉田くん」でも、もっと滑らかに喋るけどなあ……) 現実世界の技術進歩が、同時代のSFドラマを追い抜いていく。 考えようによっては、素晴らしい時代。 夜。 白木屋で飲む。 最近、トリス(※)がまた流行り出したみたいで、試しに飲んでみたら……トリスはトリスだった。(笑) ※トリス サントリーが製造・販売している「トリスウイスキー」のこと。 戦後間もなくから昭和30年代ぐらいにかけて人気のあった大衆向けの洋酒で、あくまで「二級ウイスキー」である。 いまさら説明するまでもないと思うが、念のため。 ほろ酔い加減で、帰宅。 寝る。
2010年10月16日(土)
朝。 ネットのニュースによると、昨日正式発表となったマンガ作成ソフト「コミPo!」の価格は、 ダウンロード版 6,700円 パッケージ版 9,700円 だそうだ。 基本的に「絵が描けない人向け」なので、自分がデザインしたオリジナルキャラは使えないらしい。 でも、企業が広告漫画を作成するには十分使えそう。 (隠れファンの多い「進研ゼミ漫画」とかは、今後どうなるんだろう?) で…… Mac版は作らないのか?! 昼。 「中国で大規模な反日デモ」というニュースに、 (なんで今ごろ???) と、調べたら、 例のトンデモ論文の田母神さんが、本日、麻布の中国大使館前でやったデモ行進が原因らしい。 “中国のインターネット上では、「日本の右翼団体が16日に在東京中国大使館を包囲する」との報道を受けて対抗デモの 呼びかけが相次いでいた。今回のデモは、9月18日に4都市で発生した計数百人のデモよりはるかに大規模で、修復の動 きが出ていた日中関係にも影響を与えそうだ” (読売新聞のニュースサイトより) 田母神さんという人は、つくづく「自分が言いたい事を言うためなら、国益なんかどうだっていい」という人のようだね。 でも、苦言を呈する人がいれば、また「言論の自由」とか言い出すのだろうな。 自由には、責任が伴うものだと思うのだが、立場もわきまえずに「言論の自由」を主張して職場に迷惑をかけた挙げ句に、 退職金(国民の税金だ!)をガッポリ貰って退職した自分を「クビになっても発言した英雄」みたいに宣伝しては、書籍の 執筆(彼の筆力から察するに、どうせゴーストライター)や、講演会で儲けまくっている。 困った人だ。 午後。 ネットで見つけたロナルド・L・マレット博士の論文をダウンロードして、読む。 英語と数式。(笑) とりあえず、翻訳ソフトに放り込んで、1行ずつ読む地道な作業。 ええと…… マレット博士の素粒子タイムマシンは、R.C.トールマンが考えた「光の重力場」を利用したものであるらしい。 形としては、正方形の四隅に鏡を1つずつ、正方形の中心を向くように立てたものを想像して貰いたい。 それぞれの鏡に反時計回りにA,B,C,D,と名前を付けていくと、AとC、BとDが、互いに向かい合うことになる。 この鏡のうち、Aを「半鍍銀鏡」にしておく。 (「半鍍銀鏡」は、ここではとりあえず、後ろからの光は通すが前からの光は反射する鏡なのだと理解しておいて欲しい) この半鍍銀鏡Aの後ろから、鏡Bに向け、鏡面に対して45度の角度で強力なレーザー光線を照射する。 すると、光線が直角に跳ね返って鏡Cに当たる。 さらに、鏡Dに当たって、半鍍銀鏡Aに戻って来る。 半鍍銀鏡Aは、前からの光線は跳ね返すので、これがまた鏡Bに当たる……という風にレーザー光線が箱の内側をグルグル 回ることになる。 もちろん「光速」で。 光線は重力場を持つので、回転する光線の渦の内側の重力場は次第に巨大なものになり、ついには時空を歪ませてしまう。 ……で、いいのかな? 強力な重力場が時空を歪ませることは、前から分かっていた。 マレット博士は、その強力な重力場を人工的に作り出す方法を考えついたということみたいだ。 なかなか楽しみな実験のようだ。 ところで、その発生した重力場(ブラックホール級なんだとか)には、害はないのか? 地球が縮んじゃうとかすると、困るんだが。 夜。 急に納豆巻きが食べたくなって、近所のコンビニへ。 納豆巻きは売り切れで、代わりにあったのは「ハンバーグ巻き」。 ……最近、いろんな寿司ネタがあるのは知っていたが、これはないんじゃないか? ハンバーグ(「巻き」じゃない方)を買って帰って食べる。 寝る。
2010年10月15日(金)
朝。 気温は高くないのだが、湿度が高くて汗がじっとり。 洗い流そうと風呂に入ったら体温が上がってしまい、三段腹の肉の隙間から汗がツツッと流れ出て来る。 自分の腹の脂肪が嫌。 昼。 所用で出かける。 地下鉄に乗ったら、立ったまま科学雑誌を読んでいる人がいて、顔を見たら知り合いだったので声をかける。 仕事の出張で出かける途中だとか。 お疲れさま。 用事を済ませて、帰りに池袋のリブロへ。 『タイム・トラベラー』という本を見つける。 著者は、物理学者で、タイムマシンの研究者として知られるロナルド・L・マレット博士。 内容は、博士が幼くして父親を亡くしてから素粒子タイムマシンの理論に辿り着くまでの人生を記述したもの。 博士はSF映画のファンだったらしい。 買おうかどうしようか迷ったが、内容のほとんどが自伝で、肝心の理論についての記述が少ないので、今回は保留。 ジョアオ・マゲイジョ博士の『光速を超える光』(NHK出版)を読んだときも思ったのだが、研究者の苦労話よりも、 理論の内容の方にもっとページを割いて欲しい。 ちなみに、素粒子タイムマシンとは、回転するレーザー光線によって空間をねじり、時間をその中にループ状に閉じ込める ことによって素粒子を過去に送る機械のこと。 つまり、ええと……空間を歪ませるという光の性質を利用して、小さなブラックホールを作ってしまうようなことかな? (私のアタマは文系アタマ♪) この理屈だと、タイムマシンが起動していない時間には(肝心の「ねじれた空間」がないので)タイムトラベルが出来ない ことになる。 未来にタイムマシンが出来ても我々がタイムトラベラーに出会えないわけは、これで分かった??? マレット博士の理論については、ディスカバリー・チャンネルが番組にまとめて放送したみたいで、Youtubeにも 動画が上がっていたが、何せ全編英語なもので……(^^; 夜。 佐藤編集長と、近所の居酒屋に飲みに行ったら、近所の奥様たちの飲み会と遭遇。 近所の人たちなので、当然みんな知り合い。 これが小さな町の良いところというか……。 しかし、女性も半世紀近く生きると何かの壁を突破してしまうのか、新たな境地が開かれるようで、 「女は性欲が大事だよなあ、ガハハハ……」 って、一瞬、何かの聞き間違いかと思った。 うまく言えないのだが、慎みと言うか、日本女性の美徳と言うか……、そんなものは、こういう女としての悟りを開いて しまったようなお姉様方にとっては、過去の迷いに過ぎないのだろうか? ……ちょっと、怖かった。 家に帰って、寝る。
2010年10月14日(木)
朝。 夕べ、ジャージを洗濯して干しておいたら、雨が降って濡れていた。 ここのところ、天気が不安定。 ニュース。 チリの鉱山事故は、全員が救出されたそうで、国内が盛り上がったせいか大統領の支持率まで急上昇したそうな。 救出された作業員達には、本の執筆以来も来ているそうで、事故の被害者にも関わらずなぜかイメージが明るい。 災いを福に転じてしまうエネルギーのようなものを感じる。 このエネルギーが、いまの日本に欲しいな。 昼。 この間インドフェスタで買った横笛を吹いてみる。 民芸品で、作りが大雑把なので、付属の運指表の通りに穴を押さえても思った音が出ない。 実際に鳴らしてみて運指表を訂正しつつ、どうにか音階を出せるようになるが、実用品じゃないんだろうな、たぶん。 午後。 本屋に行くつもりで準備をしていたら、1号君から電話。 ちょっとつき合って欲しいというので、何かと思ったら新居で使う鍋を買うのだとかで、用は荷物を運ぶのを手伝って欲 しかったらしい。 アパートまで荷物を運ぶのを手伝ってやって、そこでテレビのニュースを見ていたら、また毒キノコ騒ぎ。 キノコを食べて気分が悪くなったという客からの問い合わせで店が商品を調べたところ、売れ残ったキノコのひとつから 毒キノコが見つかって回収騒ぎになったという話。 この毒キノコによる症状は、吐き気と下痢で、命には別状ないというから、たぶん世間で毒キノコの事件が騒がれていな かったら、この客も原因がキノコだとは気づかなかったのではないかと思う。 もしかしたら、これまで店で売られていたキノコのうちにも1個か2個ぐらい毒キノコが混じっていて、でも症状が軽い ので誰も気づかなかった……ということかも。 夕方。 近所の中華居酒屋でビールを飲んだら、「サービス」とか言われてデザートが出た。 「いつもお世話になってますから」 って、いや「お世話」した覚えはないぞ。(笑) 店員に顔を覚えられるほど頻繁に飲みに来ていたかなあ??? ほろ酔いで帰宅。 寝る。
2010年10月13日(水)
朝。 昨夜録画しておいた「闇金ウシジマくん」を、さっそく見る。 「元こらく」ちゃんは、「落ちぶれた酔っぱらい親父」と「パチンコ屋の客」として出ていた。 ついでに番組全体を見てみたが「闇金ウシジマくん」というのは闇金の社長を主人公にしたドラマのようで、「闇金」と いう犯罪者を主人公に設定しているため、突っ込みどころ満載の番組に仕上がっていた。 まず、ドラマの冒頭で、「闇金に金を借りに来る人間が、どれほど人間のクズか」ということが強調される。 そして、被害者が闇金によって被害を受けている場面は「そのような人間のクズが受ける当然の報いである」というよう に演出。 で、人間のクズであった青年は闇金の厳しい取り立てを受ける事で自らの甘えに気づいて借金を返すために生き生きと働 き始め、それを見ていたヒロインは、闇金の必死の生き様に感動する……というのが第1話のお話。 何を何から、どう突っ込んで良いのものやら。(笑) 昼。 ニュースは、チリの落盤事故の救出中継ばっかり。 でも、救出された人たちがみんな明るく、 「ギネス・ブックに載りたいから、誰が最後まで残るかで揉めた」 とか言っているのは、良かったな。 もしも日本で同様の事故が起こってこんなことを言ったら、たぶん日本中から叩かれるだろう。 国民性というものだろうね。 夕方。 2号君が来たので、「闇金ウシジマくん」の最初の方だけ見せて、 「むかし落語家だった立川こらくちゃんが出ているんだけど、見つけられるか?」 と、言ったら、 「なんだ、『ウォーリーを探せ』か?」 いや、違うけど、似てるような……。 夕方のテレビニュースは、やっぱりチリの救出中継。 さすがに飽きて来たな。 でも、出て来た人たち、一応なにか面白い事をやってくれるのだね。 チリの人が好きになりそうだ。 夕食は「ネットでピザを注文できるシステム」というのを試したくて、宅配ピザをとる。 結果は…… 普通にピザが届いた。 当たり前だった。(⌒_⌒; 夜。 マイミクの人のブログに、「コミックシーケンサー コミPo!」というソフトに関する記述があったので読んでみる。 これは本当は、明後日マスコミ公開される予定の新製品だったのだが、ツィッター経由で情報が流れてしまったため、今月 の初め頃に予定を繰り上げて情報公開されたという製品……なのだそうだ。 ツィッター、恐るべし。 「コミックシーケンサー コミPo!」は、種類としては、漫画製作ソフト。 パーツを組み合わせて登場人物の外見や大きさ、ポーズ、表情を決め、コマ割りのパターンや、背景、効果線等を選んで、 最後に吹き出しを作ってセリフを入れると、全く絵が描けない人でもひと通りの漫画が描けるというもの。 会社の宣伝漫画などを安価で作りたい場合に重宝しそうなソフトだ。 出版界では「漫画○○入門」系の本が量産されることになるかな? 若手漫画家のアルバイトが減るかも。 「絵が描ければ漫画家になってた」とか言っているラノベ作家達が、一斉に漫画家を目指したりとか? まあ、ともかくいろいろな可能性のあるソフト。 日本は経済の悪化でいろいろ停滞期に見えるけれど、一方で技術の進歩から新しい文化が生まれて来てもいる時代。 頭の使いようで新ビジネスを開拓するチャンスが山のようにある時代でもあるのだよな。 さてと…… 『グアルディア』の続きを読んで、寝るか。
2010年10月12日(火)
夕べは蒸し暑かった。 気温の上下に、体がついていけない。 『グアルディア』の下巻を読み始める。 上巻でさんざん引っ張った謎の親子を追跡するヒロインのドラマ、下巻に入った途端にあっさり両名が出会って話し合い が成立してしまう。 先が読めない構成と言えばそうなんだが……。 (うーん) 午後。 外出。 祥雲寺の前でバッタリ「闇夜のうさぎ」さんに会ったので、2人でなんとなく石ノ森章太郎先生の墓参りに行く。 墓地を掃除していたおじさんに声をかけられ、 「ときわ荘跡の記念碑には行ったか?」 と、聞かれた。 この辺の観光コースなのか? 「闇夜のうさぎ」さんと別れて池袋の東武へ。 最近、目が疲れるのでブルーベリーエキスとかいうサプリメントを購入。 そのままビックカメラへ行って、買い物。 気がつくとブルーベリーエキスの紙袋を持っていない。 置き忘れた場所は覚えていたので、急いで戻るが、無くなっている。 念のため、レジで問い合わせたが「届いていない」とのこと。 どうも置き引きの被害に遭ったらしい。 しかし、盗んだ方もなあ、中身が1袋数百円の「ブルーベリーエキス」じゃあ、がっかりしたことだろう。 買った店がわりと有名な化粧品会社の直売店だったので、紙袋を見て高級化粧品か何かが入っていると思ったのかな? お気の毒様。(笑) 夜。 近所の居酒屋でトマトをつまみにビールを飲むという、ちょっと邪道なことをやる。 帰宅。 深夜に「元こらく」ちゃんがドラマのモブで出るというので「闇金ウシジマくん」という番組を録画予約して、寝る。
2010年10月11日(月)
体育の日。 良い天気。 朝のニュース。 尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件を背景に、中国側が延期を通告していた日本の大学生ら約1000人の上海万博訪問につ いて、今月27〜30日の日程で受け入れると日本側に伝えてきたことが分かった。 (ほう?) 午後。 微熱が続く嫌な感じ。 今年の風邪は、なんかしつこい。 『グアルディア』(仁木稔 ハヤカワ文庫)の上巻を読み終わる。 単純に言うと「女王様とお小姓」と「天使とその崇拝者」という関係の2組の男女の物語。 いずれにせよ女性上位のカップル。 前半だけ読んだ感じでは「男の仕事は女を守る事で、それこそが男の存在価値」と、そんな主張か? 少年が母親をあっさり殺すエピソードが出て来たので、調べてみたらやっぱり作者は女性だった。 男はあんまり母殺しの話は書きたがらないものだからね。 夜。 ロイター通信によると、ノルウェーのノーベル賞委員会が、中国の民主活動家・劉暁波氏に平和賞授与を決定したことを 受けて、13日に予定していたノルウェーの漁業相との会合を中止すると、中国政府がにノルウェー側に通告した。 ……というニュース。 中国が、ここのところ日本にニコニコし出したのは、「相手は1度に1人にしぼる」という喧嘩のセオリーに従っているからか? 微熱で、頭がボーッとする。 『グアルディア』を中断して、2号君から借りた『バクマン。(10巻)』(小畑健著 大葉つぐみ原作 ジャンプコミッ クス)を読む。 主人公達が「自作のアニメ化」を目指して漫画を描くという物語。 ある意味、漫画業界裏話漫画。 第10巻は「編集さんもいろいろあって大変だなあ……」というお話。 若い女性作家に惚れられてしまった編集者が、困り果てた挙げ句に上司に担当替えを願い出る話とか、若い編集者が先輩 の受け売りを意味も分からないまま、もっともらしく作家に伝える話とか、近い話は現実にあったのかも知れない。 この業界に興味がある方には、お勧め。 ……頭がフラついて来て、ちょっとやばいので、寝る。
2010年10月10日(日)
ずっと嫌な夢を見ていた。 (夢なら覚めればいい) と、思いつつ、夢の中に居続ける……。 朝、目が覚めると、体の上にあった布団が全てはね除けられていた。 一体、どういう寝相をしていたんだ? >オレ そういうわけで、風邪をひき、頭が頭痛でガンガンする。 あまり出歩かないことにして、部屋で本を読む。 『グアルディア』(仁木稔 ハヤカワ文庫)。 人類文明崩壊後の2643年が舞台。 異形の超能力者や不老長寿の人間が出て来る話のようだ。 謎の男とその連れの美少女の話と、為政者側の人間の話が交互に書かれる構成。 いれゆる未来史モノで、動きの少ない物語なので、せっかちなタイプの人には向かなそうだ。 上巻を半分ほど読んだところで頭痛がひどくなったので、薬を飲んで少し眠る。 昼過ぎに2号君が部屋に来て、 「ボイスロイドの吉田くんというのを知っているか?」 と、聞くので、 「聞いた事はある」 と、答えたら紹介サイトを教えてくれた。 「ボイスロイド」というのは、キーボードから入力した文字を読み上げるソフトのこと。 「吉田くん」というのは、正式には「VOICEROID+ 鷹の爪 吉田くん」という名称の製品で、株式会社AHS から発売予定……という辺りまでは、なんとなく知っていたのだが、デモ映像を見たらハンパなくクオリティが高い。 読み上げ速度やイントネーションが簡単に調整できるので、かなり自然な人間の声に聞こえる。 今後、書籍の電子化が進んだら、こういう読み上げソフトと組み合わせて視覚障害者用の本ができるかも知れないな。 老眼で文字が読みにくくなった高齢者の需要を掘り起こせば、意外に大きな市場が開拓できるんじゃないか? 夜。 寝る前になって、今日が2010年10月10日だったことに気づく。 10年10月10日。 だから、どうということもないが。 寝る。
2010年10月9日(土)
雨。 ニュース。 中国の劉暁波氏が、大陸に住む中国人として初のノーベル賞受賞。 但し、反政府活動の罪(国家政権転覆扇動罪)で服役中の人へのノーベル平和賞だったので、中国では海外からの放送が このニュースを流し出した途端に、各家庭のテレビが一斉に真っ暗になったのだとか。 テレビって、そういう風に止めちゃえるものなんだね。 初めて知った。 国法で重罪の人間が、ノーベル平和賞。 中国人の法や規則というものに対する意識が、日本人と違うのも頷けるな。 午後。 『聊斎志異』読了。 役人には賄賂を贈るのが当たり前、贈る賄賂が多い方が裁判に勝ち、果ては地獄の閻魔大王まで賄賂で動くという世界。 私には、狐や幽鬼より、中国人の方が異世界の人に感じられた。 囚人を護送していく下級役人なんか賄賂次第で、本当にどうとでもなる。 ここで思い出したのは、盛唐の詩人・李白が流罪になったときの話。 永王の軍歌を作詞した罪で流罪になった李白の護送に異常に長い時間がかかったために、流刑地に着く前に恩赦になって しまったというあの話だ。 このとき李白が辿った道筋を復元すると、「護送」のはずなのに、さんざん道草を食って、まるで観光旅行でもしている ような旅なのだ。 つまり、これは、それ相当の賄賂が役人に渡っていたのだろうな。 【無用の知識】 永王:玄宗皇帝の息子。 安禄山の乱の際に挙兵したのはいいが、玄宗を継いで即位した兄の粛宗と兄弟喧嘩。 皇帝に逆らったということで永王の軍は叛乱軍とみなされ、李白も巻き添えを食って逮捕されてしまった。 夕方。 土砂降りの雨。 夜。 部屋でネットのニュースを読む。 国際ニュース。 ひとつは劉暁波氏のノーベル賞受賞に関して、中国がノーベル賞委員会事務局のあるノルウェーに圧力をかけたことが、 国際的に批判されているという記事。 もうひとつは、中国に拘束されていたフジタの社員の最後のひとりが釈放されたという記事。 (日本を味方にしようとしているのか?) というのは、考え過ぎか。 寝よう。
2010年10月8日(金)
天気は、やや下り坂。 『聊斎志異』を読んでいる。 交渉次第で死人も平気で蘇るのだな、中国人の世界観では。 「それはもう、決まったことだから」なんてことは有り得ないのだ。 役人の異動で、有罪だった者が無罪になるなんて当たり前。 思い出したのは、前に中国人から物を買ったときのこと。 試しに値切ったら物陰に呼ばれてこっそり値引きしてくれたのだが、あのときの中国人は、ちょっと嬉しそうな顔をして いた。 「どうして日本人は、物を買うのに値段の交渉をしないのだろう? そこが商人としての腕の見せどころなのに」 とか、ずっと思っていたのかも。 まず吹っかけてみて、客に値切らせ、双方の交渉の上で値段を決めるつもりなのに、日本人は、その吹っかけられた値段 を遠目で見て、「中国人は、無茶な要求をする」と、ヒソヒソ言う。 感じ悪いなあ……というところだったのかな? 日本人が中国人との交渉で損をするのは、この「相手の言うことを額面通りに受け取らなくてはならない」という思い込 みが災いしているからではないかなあ? 「吹っかけて交渉に持ち込む」というのが向こうの定石だとすると、これって、かなり損。 「知彼知己者百戦不殆(彼を知り己れを知れば、百戦してあやうからず)」と、既に『孫子』に書いてあるのに、 「相手国の戦術など学ぶ必要はない。日本は日本のやり方でやればいいんだ。……あ、また負けた」 を、繰り返している気がするぞ。 日本国民としては、非常に歯がゆい。 夕方からワークショップ。 一応、開講はするものの、人数がうまく集まらず、結局、正式に申し込んだのは6人ぐらいだったとか。 「(受講生の)みなさんのネットワークがあれば、もっと集まるかと思ったのですが」 と、カレッジの人。 集客を客任せにしちゃいけないよ。(笑) ワークショップ、今期の第1回は、まず日本のSFの歴史の話から。 明治時代に、ヴェルヌの『80日間世界一周』を読んだ日本人が、 「もしかしたら未来にはこういう『金が物を言う世界』が来るのだろうか?」 と、思ったそうな。 そこのところはフィクションじゃなくて、当時の世界の常識だったのだが……。 これだから日本人って世界中の人から手玉に取られてしまうのか? 放課後の飲み会は、いつもの大馬鹿地蔵。 本日の見学者が、いわゆる「理系女子」の方で、SF者とは親和性が高いのか、あっと言う間に馴染んでおられた。 たぶん、今後も受講するつもりだと思うので、受講生がひとり増えることが期待できそう。 (良かったね>カレッジの係のひと) 家に帰って、寝る。
2010年10月7日(木)
朝。 ネットのニュースを見たら、読売オンラインで、 “犯人隠避容疑で逮捕された大阪地検特捜部の前特捜部長・大坪弘道、前副部長・佐賀元明両容疑者に対する最高検の接 見禁止請求を大阪地裁が退けたことを受け、大阪拘置所(大阪市都島区)には6日朝、2人に面会を希望する報道関係者 らが列を作った。同拘置所は「異例のこと」としている” という記事を見つけた。 これは「大阪地裁が、最高検の接見禁止請求を退けた」ということが異例なのか? それとも「マスコミが逮捕された側の言い分を聞くために列を作った」ということが異例なのか? 読売オンライン、ちょっと文章に問題があるが、いずれにせよ「逮捕された側の言い分」が警察発表以外の形でマスコミ に流れることになったようである。 裁判員裁判が行われている以上は、「逮捕された側の言い分」もどんどん報道するようにしないと公平な裁判は行なわれ ないと思うので、以降はこれを慣例化して欲しいね。 さて、明日から、空想小説ワークショップが「新学期」になる予定。 ただ、開講が微妙だそうで、カレッジ側から、 「開講中止の場合は連絡します。連絡がなかったら予定通り開講ということで」 と、言われている。 こういう連絡方法の問題点は、「連絡がない」という状態が、「連絡がないことに決定している」「まだ連絡がない」の 2通りの解釈を可能にしているということ。 そんなわけで、1日中なんとなく落ち着かず『聊斎志異』(蒲松齢・作 立間祥介・編訳 岩波文庫)など読んでいる。 読めば読むほど思うのだが、昔の中国人は本当にしじゅう狐と結婚するね。(笑) 異類婚では、他に「夜叉」や「羅刹」との婚姻の例も見られるが、彼らの国は「海の向こう」にあることになっていて、 人に変化した狐ほどポピュラーな存在ではなかったようだ。 「夜叉」は、強くて戦闘向きだが文化的には遅れていて、火を使って食べ物を調理する方法も知らない人間ということに なっている。 航海術を発達させた中国人が見聞きした「外国人」の話が、物語の元ネタか? 異国への好奇心と文明国としてのプライドから生み出されたのであろう、当時の中国人の世界観が推し量れて興味深い。 面白いのは「羅刹」の国の話。 ここの人間達は、真っ黒で奇妙な顔立ちをしているのが普通で、中国人に似た顔立ちの人間は差別されて貧民窟のような 場所で暮らしているという設定。 主人公は、墨を顔に塗ったメイクで素顔を隠して役人として就職するのだが、やがてメイクしていることがバレるに従って 周囲から冷たい視線を浴びせられるようになる……。 (正体がバレてもいきなりクビになるとか、捕まるとかそういうことにはならないらしい) この国の「元ネタ」は、どこだろうなあ? いずれにせよ、こうした「異類」と結婚した中国人、必ずと言っていいほど子をもうけている。 美女に出会ってねんごろになるところで終わらないというのが面白い。 子供が生まれて、その教育をし、ちゃんと就職の面倒をみるところまでがセットになっているのだ。 血縁を重んじる中国人の思想の現れか。 また、中国の社会が、父親が中国人ならば中国人として受け入れるという習慣を持っていたのだということも読み取ることが出来る。 (異類の母が生んだ子供も、ちゃんと役人として就職できている) これは、国家が外に発展して行く上で、重要な習慣であったのだろうなと思う。 夕食。 お好み焼き屋で焼酎。 結局、カレッジからの連絡はなかったので、明日は予定通り開講するようだ。 寝る。
2010年10月6日(水)
しょうもない雑用を片付けているうちに、午前中が終わってしまった。 ニュースを見るが、政治関係は相変わらず「国会が小沢と尖閣で揉めている」ばっかりで、話が先へ進んでいない。 科学関係は、ノーベル賞と、はやぶさのカプセルに地球の物でないらしき粒子が入っていたというもの。 無人探査機が地球外からの物質を持ち帰ったのならすごいことだ。 午後。 本を読んでいる。 アマゾンからも本が届く。 読書シーズンの到来。 夕方。 「チェッカー・ドラフツ協会」の例会に行き、例のごとくにボロ負けして来る。 平成生まれとかいう20歳の男の子が来ていて、アラン・ドロンの話をしたら、 「誰です、その人?」 と、聞き返されたのに驚いた。 ドロンはもう過去の人なのか? 本日は、都合で早退。 夕食は、近所に新しく出来たもんじゃ焼き屋へ。 店全体が「昭和30年代」をイメージしたレイアウトになっている。 もんじゃ焼き屋なんだから「下町の雰囲気」は、別に構わないのだが、日本全体が「昔は良かった志向」になってしまう のには不安を覚える。 少なくとも若い世代には「より良い未来」を目指してもらいたい。 あの時代が輝いていたのは、この先にもっと良い未来が来るという期待があったからなんだから。 帰宅。 郵便不正事件関連の続報が入っていた。 犯人隠避の疑いで逮捕された前の特捜部長は、接見した弁護士に、 「最高検が作ったストーリーによって逮捕された」 と、語ったそうである。 (この「検察が作ったストーリー」という言葉、今後の刑事事件裁判で流行りそうな予感がするな) 関連ニュース。 「法務大臣が、最高検が行っている検証とは別に、外部の有識者を入れて検察組織のあり方を見直すための検討会議を、 大臣の諮問機関として設置すると発表」 さて??? 寝ようか。
2010年10月5日(火)
朝。 テレビで「シーテック・ジャパン2010」のニュースをやっていた。 なんか混みそうなので行く気はないが、東芝の「グラスレス3Dレグザ」には少し興味を覚えた。 12型のグラスレス3Dが12万円。 これは普及するかも。 午後。 郵便局へ。 簡保の手続きに行ったのだが、窓口で保険証を見せろと言われる。 たまたま持っていたから渡したが、だんだん本人確認というのがやかましくなるな。 規則なんだろうが、こういう小さな町の郵便局で、顔見知りの局員相手に「書類で本人確認」とかやっていると、なんか コメディーのようだ。 お茶を飲んでから、帰宅。 電話器を見たら、留守電が入っていて、 「ゴメン、保険証を返し忘れちゃった。あとで取りに来て」 (手順がひとつ増えれば、ミスも増えるのは必然である) 折り返し電話を入れる。 「今から行くと、5時を過ぎちゃうけど、いいかね?」 「じゃあ、表からシャッター叩いて、開けるから」 (防犯のための本人確認のはずなんだが、結果的に、却って不用心なような……) 夜。 吹き矢の練習。 吹き筒を安定させるために、肘の角度を変えるようにアドバイスされる。 筒は安定したが、的を狙う感覚も狂って、その辺、振り出しに戻る。 帰宅。 「10年先も君に恋して」最終回を観る。 未来人・円山が2020年に戻ってみると、妻の里花が、「自分が書いた覚えのない過去の自分からのメッセージを受け 取った」と話す。 メッセージの封筒は、里花の弟の佑太のギターケースの中に隠されていて、そこには佑太の字で「最後の指令」という走 り書きのメモがある。 円山が佑太に命じようとして断念した「最後の指令」は、「過去の円山にメッセージを渡す」というものであったはずだ から、この「最後の指令」は、 (1)佑太の独断によるもの。 (2)別の円山に命じられたもの。 の、どちらかということになる。 未来人・円山がいた世界で、女流作家の濱田は、2011年に文学賞を受賞している。 この受賞作は、実は2010年の里花が濱田に話した「未来人からやって来た円山」の話をヒントに書かれているのだが そのことを未来人・円山は知らなかった。 つまり、2020年の円山が暮らしている世界そのものが、既に「2010年にやって来た未来人・円山」によって改変 された歴史の時間軸上に存在しているということになる。 ということは、里花が受け取った「最後の指令」というメモ書きのあるメッセージは、「2020年の円山の過去である 2010年」において、別の未来人・円山の指令によってギターケースの中に隠されたもの……ということになるのか? つまり、円山は2020年から2010年にタイムトラベルを行うことで、自分でも知らないうちに少しずつ過去に手を 加えていたというオチになるのだろうか? ……タイムパラドックスのややこしいドラマだった。 眠くなって来た。 そうだ、昨日、買いそこなった『グアルディア』をアマゾンに発注しないと……。 寝る。
2010年10月4日(月)
どうもカラッと晴れてくれない。 昼。 リブロに仁木稔さんの『グアルディア』を買いに行ったら、なかった。 で、代わりに(?)、昨日、勝山先生よりご推薦のあった『聊斎志異(上・下)』(蒲松齢・作 立間祥介・編訳 岩波 文庫)を買って帰って来る。 ひと休みしていたら、1号君より電話。 独り暮らしの感想を聞いたら、 「自分は猫好きなので、隣室の猫が壁を引っ掻く音は気にならないが、近所の幼稚園の子供の声がうるさい」 とのこと。 時代劇を見ると、子供というのは「わーい、わーい」と叫びながら町内を走り回るのが仕事のようだから、それは仕方が ない。 バイト先の店長が万引きを捕まえた話というのを聞かされる。 店長だが、万引き犯に更生の見込みありと判断してポケットマネーから金を出して損害を弁済してやったとの由。 「お陰でその日、店長に奢って貰う約束だった俺が、奢って貰い損ねた」 (どうしてこう、せっかくの「ちょっとイイ話」を台無しにするかなあ、こいつは?) 夜。 「世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・秋 〜人気作家競演編〜」を観る。 原作者のラインナップが、京極夏彦、東野圭吾、宮部みゆき……と、すごい。 京極夏彦原作「厭な扉」 謎の紳士に「永遠の幸福」を手に入れる方法を教えられたホームレスの男は、言われた通りにある扉から入って来た男を 殺して金を奪うが…… 「永遠」という言葉が皮肉な意味を持つオチ。 万城目学原作「はじめの一歩」 「まずはじめに」が口癖の青年、回りくどい性格が災いして恋愛も仕事も上手く行かない。 ある日、彼の前に「神様」が現れて…… ほのぼのとしたファンタジーコメディ。 朱川湊人原作「栞の恋」 昭和40年代を「現代」として描いた異色の時間ファンタジー。 ヒロインは、当時人気のグループサウンズ「タイガース」のサリーのファンという設定で、近所の古本屋の親父を演じてい るのが岸部一徳。 二重の意味で「時間」のファンタジーを感じる仕掛けのドラマ。 東野圭吾原作「殺意取扱説明書」 殺人マニュアルを手に入れた男は、恨みのある同僚の殺害を企てるが…… マニュアルというものの使い勝手の悪さを皮肉った内容。 オチは、まあ、普通かな? 宮部みゆき原作「燔祭」 超能力者の孤独を扱った作品。 妹を殺した犯人が証拠不十分で不起訴となった。 悲劇の冤罪被害者気取りの犯人に、殺意を募らせるようになった男の前に、超能力を持った女が現れて…… 長編「クロスファイア」に繋がる話らしいが、短編ドラマの題材としては、どうなのかなあ……? という作品。 この「世にも奇妙な物語」、短編小説の面白さを再認識させて貰える貴重な番組。 続いて欲しいシリーズだ。 夜のニュース。 「小沢一郎強制起訴」。 これは大方の予想通りなので、あまり「ニュース」と感じなかったな。 寝る前に、今日買って来た『聊斎志異』を、少し読む。 清朝初期に集められた短編小説というか、各地の伝承。 興味深かったのは「偸桃」という物語。 手品師が長い縄を投げて空中に直立させ、子供を天に昇らせるが、やがて子供は手足がバラバラになって落ちて来る。 この手足を拾い集めて籠に入れると、子供が元通りになって復活するという話。 確か、これ「ヒンズーロープ」として世界的に有名な話だよな? 「ヒンズーロープ」の話では、子供がバラバラにされてしまった原因は不明だが、この「偸桃」の方では、タイトルの通り 「天から桃の実を盗もうとして見つかったから」という説明がなされる。 『聊斎志異』が書かれたのは、17世紀中頃らしい。 「ヒンズーロープ」の方は……と、ネットでぐぐったところ、14世紀にアラブ人の旅行家イブン・バトゥータが記した書 物『都市の不思議と旅の驚異を見るものへの贈物』の中に、「1346年に中国で見た奇術」として記録されているのが 最初の記録であるらしい。 いずれにせよ、中国発祥なのだな。 ……そろそろ眠くなって来た。 寝る。
2010年10月3日(日)
雲の目立つ空模様。 ニュースによると、新潟の方では大きな地震が続いているらしい。 東京は大丈夫か? 今日は夕方からSF乱学講座。 楽しみにしていた勝山海百合先生の講義で、タイトルは「怪を志(しる)すということ」 。 井の頭線の車内で、若い(?)男性と2人連れの勝山先生御自身にバッタリ。 声を掛けたら、 「私の隣にいる人の正体はお楽しみ」 と、ニッコリ。 (後で聞いたら、早川の編集さんだった) 会場に到着するも、お祭りでいつもの出入り口が使えず、中をウロウロ。 集まった受講生は、ほぼ勝山先生と顔なじみの、いつものメンバーばかり。 講座は、中国のシンデレラ「葉限」の話や、「白氏文集」に記述があるという「凶宅」の話など。 後半は、大事なお知らせ。 11月上旬に、勝山海百合先生の初長編『玉工乙女』が早川書房から出る予定なので勝山ファンのみなさんは、忘れずに 購入するやうにとのこと。 このために来ていたのか、早川の編集さん。 どうでもいい話かもしれないが、この『玉工乙女』の担当編集者(Y氏)と勝山先生は、実は早川書房の社内では1度も 顔を合わせたことがないのだとか。 「だから実は私にも、彼が本当の早川の編集者なのか、それとも早川の編集者を名乗る偽物なのかが分からないのです」 との勝山先生のお言葉に、講座のメンバー、Y氏を取り囲んで、 「塩沢編集長って、知ってる?」 「わ……、私の上司です」 「で、その人、どんな人かなあ?」 (調査の結果、Y氏は間違いなく早川の編集さんのようなので、勝山先生、安心して下さい) 放課後の食事会。 勝山先生は、御自宅が遠いとかで参加されず。 代わりに、なぜかメンサの内山さんが来る。 「なんで、講座に顔を出さない?」 と、聞くと、 「考え事をしているうちに、時間が経ってしまったので」 と、内山さんらしい返事。 薫子ちゃんに「これ、何て読むんです」 と「叉焼炒飯」という字を指差してを尋ねられたので、 「これは “チャーシュー” だよ」 と、教えたら、後で店員さんに、同じ字を指差して、 「これ、チャーシュー何って読むんですか?」 と、聞いていた。 (「チャーハン」の方も読めなかったのか?!) この人が図書館に勤めているというのは、絶対に間違っていると思う。 その薫子ちゃんに、 「崎田さんは、漫画家の西原理恵子に声質が似ていますね」 と、言われる。 「へえ、2人とも丸顔で、顔の骨格が似ているせいかね?」 と、言うと、 「でも、西原理恵子は美人ですよ」 (やかましいわいっ!!!) やや不機嫌なまま、家に帰って、寝る。
2010年10月2日(土)
朝刊の1面トップは、大坂地検の前特捜部長と前副部長が犯人隠匿容疑で逮捕されたという記事。 だんだんわけが分からなくなって来るな、この事件。 昼。 昨夜録画した「宇宙犬作戦」(深夜の低予算番組)を観る。 出演者の念願であった(?)宇宙空間での戦闘シーン(??)が遂に実現(???)。 「敵の艦隊は、レーダーでの捕捉も視認も出来ないステルス機」という設定なので、敵艦隊の外観をデザインする必要もな ければ、3Dを製作する必要もない。 「味方が武装していることは極秘のため発射レバーはテレビゲームのコントローラーに偽装している」という設定なので、 小道具は、テレビゲームのコントローラーそのもので良く、特に製作する必要はない。 ……というわけで、カネをかけずによく作ったぞ、戦闘シーン。 番組としてとかドラマとしてとかいうのとは全く別な視点で感動してしまった。(笑) 夕方。 池袋の居酒屋で飲んでいたら、1号君から電話。 2号君も誘って、もんじゃ焼き屋に移動する。 夜。 飲んだくれて帰宅。 寝る。
2010年10月1日(金)
メンサの会場予約抽選会。 クジ運は普通。 終了後、ランニングコースへ行き、少し走る。 昼食を食べて帰宅。 時計を見ると、12時45分。 (そう言えば、西原理恵子原作の「ぼくんち」の舞台が中野であるのだな……) と、思い出して出かけることに。 場所が分からないので、途中の駅で劇場側に電話。 「それでしたら駅を出て左へ行くと……交番があります」 と、的確な返事。 JR中野駅着、1時15分。 駅から出ると「ぼくんち」という看板を持ったお兄さんが立っている。 劇場の場所を聞いたら、 「銀行の角を曲がって突き当たって左へ行って……」 と、教えてくれる。 言われた通りに行き(主観的にだが)お約束通り、道に迷う。 何人かの通行人に道を聞くが「知らない」という返事。 そのうち、私が道を聞いている脇を通り過ぎて行った人が、 「何? 劇場?」 と、言いながら戻って来て、細い路地を案内して劇場の場所まで連れて行ってくれた。 辿り着くと、人が知らないのも無理もない小劇場。 幕のない舞台は、建物の形に合わせてか、微妙に歪んだ形状。 滑り込みで買ったチケットは、スタッフ席のすぐ隣で、上演中スタッフが脇の出入り口から出たり入ったりするのがよく 見える。 役者の呼吸がピッタリ合った舞台は、テンポが良く見ていて面白い。 話の大筋は「ぼくんち」で、それに「パーマネント野ばら」や「この世で一番大事なカネの話」のエピソードが突っ込まれていた。 「ぼくんち」は、浜辺の町に住む男の子(二太)を主人公にしたドラマだが、それに「パーマネント野ばら」の大人の女 達の物語がミックスされたので、芝居の主人公は、むしろ男の子の姉(かの子)や兄(一太)。 二太の友達の「どろくそ」と一太の知り合いの「末吉」が合体したひとりの人物に変えられていたので、二太とどろくそ の間に起こったエピソードが、一太とのものに変えられていて、その分、二太は影が薄くなっている。 後半が、一太の兄貴分のこういちくんを主人公にしたスピンオフ作品からのエピソードなので、二太はまるで出番なし。 全体に西原作品から「いいエピソード」を取り出して繋げた舞台という印象で、元ネタを読んでいない人には分かりにく かったのではないだろうか。 (例えば、ルミ子が病院に運ばれるエピソードで、一太が身を引くことを決めた理由が、この芝居を見ただけではよく分 からない) 不満が残ったのは「みきおちゃん」の人物造形。 家の立ち退きを要求しに来たやくざとか、かの子の別れた彼氏とか、性質の異なるいろいろな人物をミックスしてしまっ たため、わけの分からない人物像になってしまった。 さらに芝居オリジナルの「リストラされた元サラリーマン」なんていう設定は、この物語には本当にいらない。 かの子に借金を申し込みに来るあたりの芝居には、 「こんなん、みきおちゃんと違うわああ!」 と、叫びたくなった。 完成されたひとつの芝居を観るというより、西原作品のいいところを思い出して楽しもうという舞台だったと思う。 これはこれで、いいんじゃないか? 泣いている人もいたし。 どうでもいいこと。 乱闘場面で、役者の履物が客席に飛んで来るというハプニングがあった。 3D映画より、舞台が楽しいのはこういうことがあるから。 関係者は慌てたかも知れないが……(笑) 夜。 最近、近所に開店した中華居酒屋で飲む。 店員同士の会話が全て中国語で、メニューに「フカヒレの姿煮」なんてのがある、居酒屋にしては妙に本格中華風の店。 残念メニューは焼き餃子。 やっぱり「本格中華の餃子」は、蒸した方が美味しいと思う。 家に帰って、寝る。2010年9月分へ 目次へ
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