魔導書・勝手に解説編

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熱核(シャーン)系

熱核雷粒(シャーングラナート)
極小規模の核融合を引き起こす魔法。熱核雷弾を常人が使えるレベルに消費魔法力を押さえたものと思われるが、それでも高位魔導士で1日2,3回が限度である。また小規模とは言え核反応を起こす禁呪なので安全を期すには冥闇獄との併用が必要となる。
 
熱核雷弾(シャーンスラーグ)
大規模な核融合を引き起こす魔法。必要とされる魔法力は莫大で、およそ「人」の使える範囲を超えている。雷撃と呪文が共通するのは高温プラズマ化した原子を電磁場により封じ込め安定して核融合させる為と思われる。ヴァーリが使用した時はこの前段階の高温の火雷球を直接エイリークにぶつけた。作中では小さな山の山肌が吹き飛んでいたが、本来の力が発揮されれば国一つ滅ぼすぐらいの力はあるはずである。ギムレーのような小さな世界ではこれは世界そのものをも左右できるだけの力であり、まさに禁呪中の禁呪といえるだろう。
 

雷(ソール)系

雷撃(ソールスラーグ)
低気圧を起こして雷雲を呼び敵に雷を落とす魔法。莫大な魔法力を費やす為に王族でなければ使えない。使用すると大気が不安定になる為使用後にはよく天気が崩れる。
 
 
雷牙(ソールビータ)
手のひらに電気を集め掌打によって対象を破壊する魔法。直接ぶつけるだけでなく剣に伝導させ敵の内部に注ぎ込むことなども可能。格闘・接近戦用の魔法だが、本来魔法は遠距離攻撃の為のものであり、敵の妨害を避けながら詠唱・掌相を続けなければいけない為使い方が難しい。格闘も得意なシャールヴィだからこそ使いこなせる魔法と言えるだろう。
 
雷塊砲(ソールグラナート)
掌に集めた人の大きさ程もある巨大な電荷の塊を敵に向けて撃つ魔法。雷牙を遠距離用に強化したものか?
 

炎(エルド)系

炎箭(エルドクヴァスト)
無数の火の玉(およそ10〜20個)を作り敵にぶつける魔法。中級者以上であれば使えるようで、割とよく使われる。場合により"炎箭"と"発弾"の詠唱の順番が入れ替わるが、おそらく"炎箭"で発火し、"発弾"で敵に向かって発射のようである。火球の作成には空気を圧縮後何らかの組成変化を及ぼしてから発火しているようで、"発弾-炎箭"の順の時は圧縮した空気を敵に投げつけてから衝突寸前に発火、という手順のようである。
 
炎波動(エルドヴォーグ)
直径が人の身長程もある巨大な火の玉を作り敵にぶつける魔法。シャールヴィが好んでよく使う。
 
炎流星光(エルドシェーンスコート)
数個の火の玉を作り信号弾として遠くへ飛ばす魔法。シャールヴィが炎箭から変化させて使った所を見ると呪文は共通するようである。おそらく火力を強くして攻撃に適応させたのが炎箭で、炎流星光は明るさや飛行距離を伸ばして信号弾に適応させたものであろう。
 
?
グードランドの魔導士達が使用した。詳細は不明だが隊列を組んで撃っている所を見ると、一人分の威力は弱そうである。おそらくは炎箭の弾数の少ないものではなかろうか。
 

風(ヴィン)系

陣風竜(イルドラーク)
突風を起こし敵を攻撃する魔法。短呪系では最強であり、巨大台風並みの威力がある。また素早く撃てる為咄嗟に撃って反動で空中へ舞い上がったり、作った空気の層で光を曲げたりと、応用範囲は広い。
 
空離壁(ルフートヴァーン)
詳細は不明だがおそらくは大きな空圧差を生み出し敵を両断する魔法ではなかろうか。
 
風斬首斧(ヴィンボーデルスイクサ)
風の刃で敵の首を落とす魔法。一撃で敵を仕留める魔法である。が、前法王がアースムンドに撃ったのは詠唱からしてこの魔法のようだが、アースムンドはで見事に跳ね返していた。
 
風針(ヴィンナゴート?/ヴィンシーノール)
何本かの風の針を作って撃つ魔法。威力はさほどでもないが呪文が短いので連射が効く。ヴィンシーノールとヴィンナゴードは同じ"風針"と書くが別の呪文の可能性がある。ヴィンナゴートは詠唱が要らず針は2,3本ほど、ヴィンシーノールは詠唱が必要で数本から十数本ほどの風の針ができるようである。
 
風弾束(ヴィンシュコート)
風の束を作って敵を攻撃する魔法。大人一人を吹き飛ばすぐらいの威力があるが殺傷能力は低いようである。発弾の瞬間まで掌相が要らないのを利用して手枷をはめられたシャールヴィが使用した。
 
風塊圧(ヴィンプレスー)
大風を起こし敵を圧する魔法。殺傷能力はなく、敵を足止めして時間稼ぎをするぐらいのものでしかない。
風剛剣(ヴィンスヴェード)
詳細は不明。風針風弾束を強化したものか?
 
風霊翼(ヴィンヴィンージ)
飛翔魔法。飛行速度は3,40キロ程度か?
 

地(ジュード)系

地霊冠峰(ジュードオンク(フ?)ローナ)
敵の足元から何本もの巨大な岩の槍を突き出し攻撃する魔法。火竜も一撃で仕留めるだけの威力がある。難点は使用後も岩山が残ってしまう事であろう(^^;)。
 

冷気系・爆炎(ボル)系(別名ヴァーリ系 ^^;)

凍凛波(イスカルダストローム)
凍気によって敵を殺傷する魔法。急激に氷柱が伸びる所を見ると、ただ温度を下げているだけではなく、水分も集めているようである。
 
凝氷塊(イースグラナート)
空気中の水分を凍らせて作った氷塊で敵を攻撃する魔法。
 
爆瘴霧(ボルトーカ)
障気の爆裂を起こす魔法。小型爆弾くらいの爆発が起きる。ヴァーリ以外が使う所がないのはやはり特殊な呪文だからだろうか?
 
絶凍気炎(ジュープフリーサ)
冷気系と思われるが詳細は不明。一撃で人の頭を吹き飛ばすほどの威力がある。
 

攻撃系(その他)

?(魔法剣)
剣に魔力を持たせ攻撃力を増す魔法。剣に魔法は古の三剣以来禁呪とされ、これも邪剣扱いである。
 
?(エルナの影)
第1巻でエルナの影が使用した。ベルグソーラに何の効果も与えなかった所を見ると、詠唱が完了しなかったか、効果が現れるまでに時間がかかると見られる。他の者が使う場面がない所を見ると、かなり特殊な魔法だったのかも知れない。
 

防御・結界系

防御圏(クレトゥス)
もっとも一般的な防御魔法。物理的攻撃・魔法攻撃を防ぐ力がある。術者の力が高ければ防御力も高くなり、形も全身を包む球形となって全方位の攻撃を防ぎうる。シャールヴィが岩盤を抉ってみせたところをみると、何らかのエネルギーか物質(高圧の空気の層か?)の障壁を作り出しているようである。
 
高防御圏(ホーグクレトゥス)
より上位の防御魔法。エイリークはこれを使ってもヴァーリに負けてしまったが、核融合を起こしうる高温(数万度〜一億度)を防ぎきった(服は破れていたが火傷等はおっていなかった)のは十分称賛に値する。
 
魔鎖網(シェーダガーン)
魔力の網を張り敵の侵入を防ぐ魔法。完全な壁ではなく網型である為、小動物等であれば網の隙間を通り抜ける事も可能だが、網に触れれば術者にはばれる。
 
雷磔障(ソールムーア)
雷を使ったトラップのようだが詳細は不明。魔鎖網と組み合わせることで欠点を補い合えるようである。
 
?(護符)
リボンのような布状の呪符の一種。身に付けた者を守り、襲い来る者を退ける力がある。持ち運び可能な結界といった所だろうか。
 

治癒系

治癒呪文(クーア)/回生呪
肉体の治癒能力を高め傷を早く治す術(あるいは魔力で強制的に肉体を修復・再構成しているのかも知れない)。さらにこの秘文字を頭部に刺青し、傷ついた時に自動的に治癒呪文がかかるようにしたのが回生呪である。高位魔導士でなければ意味がないが(すぐ魔力が底をつく)、魔力が高ければこれによって殆ど不死身になる。
 
上級治癒呪文(ホーグクーア)
より上位の治癒呪文。中級以上の力がなければ使えない。余談だがカルルが使えるという事は彼は下手な人間より魔力があるという事になる(^^;)。
 

消滅系・転移系

冥闇獄(メルークホル)
対象を瞬時に消滅させる魔法。恐らくは小型のブラックホールを作り出し、対象を別次元に送り込んでいるものと思われる。熱核雷粒の被害を広げない為に併用して使われた。恐らくはこれ自身も禁呪である。熱核雷粒との併用で冥闇獄を主攻撃に使用しないのは吸収・消滅させられる大きさ・質量に限界がある為ではなかろうか?
 
大冥闇獄(ストールメルークホル)
冥闇獄の上位呪文。熱核雷弾をも呑み込む程の威力があるが、それだけに消費魔法量も膨大であり、さしものシャールヴィも高防御圏が解除され深手を負ってしまった。
 
転移魔法(ユアヴァーフォエリン)
多数の人や物を瞬時に移動させる魔法。規模によっては数十人の魔導士を必要とする大規模な集団魔法。対象を遠方に送るだけでなく、遠方に存在する対象物を手元に引き寄せる事も可能。対象の位置や移動先によっては冥砂による印付け(マーキング)が必要になる事もある。また対象物だけでなく移動先にも魔力による影響が残る為、使いすぎればその魔法の帯び方から転送元や術者達の位置がばれる事もある。
 
冥王法
使い魔法により使い魔となった者だけが使える個体の瞬間移動(ある程度の大きさの物なら持ち運びが可能)。生と死の狭間にいるがゆえにこの世の理に縛られなくなったということだろうか・・・
 

精神系

魔(夢?)幻像(ドロームビルド)
幻を見せて相手の精神を支配する魔法。別系統の古代魔法とされ、詠唱が力を持ち、魔力は関与していないといわれる例外的な魔法。余談だがの魔法といい魔幻像といい特殊な魔法を使う点から見てエルナの影はただ高位魔導士というだけではなくなかなか多岐にわたる豊かな才能の持ち主だったのかも知れない。
 
相愛呪(シエーリエートブルー)
特定の男女の恋愛感情を左右する魔法。私見だが私は過去魔法が登場する物語の類において精神に影響する魔法は幾つも見たが恋愛感情を左右するようなものは見た事がない。恋愛感情のようなある種強い感情までも魔法で左右されてしまうというのがこの世界の魔法の怖さではなかろうか。
 
操虜呪(レーダレーカ)
近くを通る者を呼び寄せる魔法。なんとなく足が向かうというふうに仕向ける。
 

使い魔法

使い魔法
死んだばかりの屍を生き返らせ、使い魔として使役する法。生き返った使い魔は生前の能力がそのまま使え、さらに冥王法で個体の瞬間移動が可能になる。しかし莫大な魔法を費やす上術者自身が手を下した屍や縁の深い者では駄目だったり、人を使い魔にすると呪いがかかるなど、制限の多い魔法でもある。また使い魔が単なる操り人形ではなく己の意志を持ち行動する所が他の物語とは違った面白い点であり、この物語の鍵となっている点でもある。
 

召喚系

?(使い魔召喚)
自分の使い魔を呼び寄せる法。使い魔の方が呼び掛けに応じて来るので魔法は消費しない。
 
?(竜召喚)
魔境に棲むといわれる竜を召喚する法。来る竜の種類が毎回違っていたり、何故竜が来るのか等不明な点が多く、その使用法のみが人々に伝わっているにすぎない。来る竜は召喚主の性に応ずとも縁が深い者の生まれ変わりだなどともいわれる。またこれは一種の短期的な契約であり、3日で竜は魔境に帰さなければならない。
 
?(虫召喚)
虫を呼び寄せ使役する法のようだが詳細は不明。
 

子供の魔法

?(浮遊?)
風の力で落下速度を和らげる魔法。木登りが好きな子供には欠かせない魔法である(^^)
 
ハーリティの隠呪
唾で描いた結界線の向こうから姿が見えなくなる魔法。かくれんぼでは卑怯技といえよう(^^;)。余談だが?(浮遊)といい隠呪といいアトリはなかなかに魔法を使いこなしている。アーサトゥアルの兵士達がろくに魔法を使うシーンがないのと比べると対称的である(アンサズの兵士はそれなりに使っている)。アトリは結構魔法の才能があるのかも知れない。
 

その他

?(変化)
姿を変える魔法(?)。カルルが使い魔として主の意志を代弁する際にエイリークの姿を取る為に使用した。ハルスホルトではただ姿を変えて見せるだけの幻術の様に見えたが、エルナに手で剣を渡した所を見ると、実際に姿が変化しているのかもしれない。
 
隠れ身の魔法
姿を消す魔法。秘文字を描いた呪符を丸めて飲み込む事で使用する。効果時間が短い為あまり使われない。
 
食魔草呪(レーラズマーギ)
魔境に生えるという食魔草を材料にし7日以内に編んで作ったマント。身に付けた者の魔法を喰らい、その者にかけられた魔法を解呪する力がある。しかし食魔草は無限に魔法を喰らい続ける為、魔法を解呪した後はその者本来の魔法を喰らう諸刃の剣である。その真実の姿は・・・
 

魔精霊

血(ブルード)
太古神が全ての種を分かつ時に使ったとされる魔法。魔法によってDNAレベルで合成されたウイルスであり、術者の思い通りの「存在」を生み出す恐ろしい魔法である。

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