まずは気持ちが大事です。
どうしても良い作品を手に入れたい欲求がなければダメだと思います。
よく楽しんで撮影できその結果としてよい作品ができれば投稿してみるという
考え方がありますが、楽しんで満足されるような考え方もけっこうです。
でもフォトコンへ入選したいという希望があるのであればきびしい現実を知る
べきなのです。
例えて言うとマラソン選手はなぜ走るのか?楽しんでいるのか。
いや、違うと思うのです。トップレベルにはいって優勝したいという欲求がある
はずです。厳しい練習をただ楽しんで走れるようになれば良いという考えでは
トップにたてないはずです。
フォトコンへ入選する人をたくさん知っておりますが人一倍天体写真が好きで
努力を惜しみません。楽しんで撮影はしていますがその上には入選してやろうと
いう野望に満ち溢れています。極端ですが仕事も忘れて撮影するテクニック
などを研究するぐらいのやる気がないとなかなか入選しません。
その反面最近では器材にお金をかければ入選しやすいことも否めません。
ただ上記の気持ちがなければいくら器材がよくても入選レベルには達しません。
次にどんなにがんばってもサラリーマンであれば月に2,3回ほどしか撮影に
行けないでしょう。一晩に撮影できる枚数はせいぜい2,3枚です。
どんなにがんばっても月に5,6枚が作品として投稿候補となります。そこで
すべて成功して5,6枚から投稿する作品を1枚選ぶのと撮影した5,6枚の中
から失敗を除く2枚の成功作品から1枚の投稿作品を選びのではどちらが
入選確率が高いかは一目瞭然でしょう。よって撮影できる夜には
100パーセント成功させる準備、テクニック、気持ちが最重要課題です。
成功するテクニックの2大要素として追尾エラーとピントです。
追尾エラーで一番重要なことはたわみをなくすことです。主鏡とガイド鏡が
長時間の間にお互いに違う方向へ動いていれば星は点像に写りません。
たわみは主鏡とガイド鏡にそれぞれ十字線入りのアイピースを付け同じ星を
十字線中心にいれて2時間ぐらいノータッチでほっときます。2時間後に
ガイド鏡をのぞいて十字線中心からはずれた星をコントロールボックスの
ボタンで中心にもってきます。その状態で主鏡を覗くと星が十字線中心に
いればOKですがたぶんずれていると思います。そのずれの量がポイントです。
フィルム上で焦点距離400ミリで一秒角が2μです。フィルム上で10μ程度の
ずれでは点像を保つことができますので5秒角はずれていても大丈夫です。
目盛り入りの十字線に木星をいれて目盛りがわかるようにしておいてください。
ピントはナイフエッジが大変便利です。中部天体写真同好会にて作成した
ナイフエッジが簡単で確実性の高い器具ですのでぜひ自作してください。
ナイフエッジは撮影器材の紹介に掲載しましたので参考にしてください。
ピントと追尾が成功すれば技術テクニックは卒業できます。あとは企画力です。
準備として撮影対象物の撮影計画をきちんとたてるべきです。
フィルムの選定もポイントになります。
最後に寒さ対策は万全にしてください。寒さで持続力がなくなり気持ちのはりも
無くなって撮影できなかった弁解の材料になってしまいます。
撮影された作品についてはどんな質問にも受け付けますので
ぜひメールにて問い合わせください。