高熱伝導化,舗装・床版と放熱管の融合

高熱伝導化,舗装と放熱管の融合
NEDO研究開発事業 竹内正紀福井大学教授, 永井二郎福井大学助教授, 西澤辰男石川高専教授,梅原秀哲名古屋工業大学教授,武市靖当時北海学園大学教授 との共同


放熱管埋設での融雪の非定常3次元解析 数値シミュレーション



高熱伝導化,舗装と放熱管の融合
福井県特産の高熱伝導骨材珪石でパネル化,都市部の施工期間を短くし,下水ガス管工事が将来生じた際には仮置き再利用できる。潟zクコンとの共同。但し二次製品は,L型側溝が会計検査でエプロン部は安価な現場打コンクリートでと指摘されたように現場施工の数倍も高い。下水ガス管工事もほとんどない。タイルも一体の二次製品化は,タイル意匠の決定が遅れることでできなくてタイルの再利用はできていない。そこで福井駅西北の通りや幸橋,木田橋の歩道での放熱管埋設融雪では,現場打設コンクリート舗装を施工し,その上に敷設の金網に,架橋ポリエチレン管を直線配管で固定した。その後,珪砂(高熱伝導細骨材)と強度を高めた湿式モルタルでタイルを接着。コンクリート舗装はタイルを貼ると剥がれた際の補修費が高いので,やや厚くした。工事完成後にはタイル下の空洞の有無を打音検査で確認することを徹底した。乾燥収縮目地は長い直線ポリエチレン管を横断して設置した。ポリエチレン管の設置間隔は熱源温度やに応じて,地下水利用では15cm,地下利用この工法での設置箇所は車の乗り入れがない箇所であるが,10年以上経過したが,タイルの剥がれは生じていない。車の乗り入れ箇所ではコンクリート舗装や路盤の厚さを増やすことが必要。放熱管の舗装強度への影響は小さいことを石川高専西澤辰男教授らと共同研究している。放熱管のUターンを無くした長い直線と断勾配を活かして放熱管内に運転時間以外には残水とならなくした。水が残らないようにしたことで,橋面での放熱管残留水での凍結破壊をなくした。福井市内では,筆者の関わった事例を除いて,二次製品会社が図面などの設計協力をおこなうこともあって設計コンサルの利点となることでか従来の踏襲でか,二次製品の融雪パネルが継続されている。タイルはアルミナの廃材利用による高熱伝導タイルも用いた。


コンクリート床版での床版,舗装と放熱管の融合(福井県上中インターチェンジ橋)
鋼床版橋;合成の少ない床版・舗装を鋼繊維補強コンクリート(高熱伝導珪石骨材)で補強し耐久性UP,鋼床板厚の減で7千万円のコスト減,同時に放熱管を浅層埋設で低温で溶かす。技術の融合です。

輪荷重載荷走行試験での耐久性検証,松井繁之(当時大阪大学教授),堀川都志雄(当時大阪工業大学教授)との共同,幸橋と上中ic橋に導入
アスファルト舗装上にポリエチレン管を敷設し厚さ5cm鋼繊維補強コンクリートのオーバーレイ舗装(薄層ホワイトトッピング駐車場舗装,夏の太陽熱吸収向上に黒色顔料使用)


鋼床版橋(幸橋)での施工は日本道路会議優秀論文賞。その半年後,幸橋では乾燥収縮ひび割れなどが発生。それらは,施工者の日本道路(株)と大阪工業大学堀川都志雄教授らとで原因を調査した.施工者の責任でケイ酸ソーダの塗布で修補した.二度と繰り返さないための対策を含めて公表。その後2カ所では湿度センサ管理を実施しました。天菅生橋(施工:(株)NIPPO)ではコンクリートに2m周期の凹凸高さ2cmが発生しました。この凹凸はコンクリートが濡れた状態では目視では認識できない。乾燥するか、定規をコンクリート表面に当てると驚くことになります。新清永場や薄層ホワイトトッピング駐車場舗装では地元(株)道端組の施工でしたが,こうしたことは生じてません。かつて名古屋高速道路公社のカーブ区間の鋼床版SFRCを数カ所見学しましたが,問題になるような施工はありませんでした。フレシュ状態のコンクリート舗装では長い定規を当てないと目視では凹凸が分かりません。橋桁は温度による収縮膨張が収縮装置でフリーですが,橋面のタイルやセメント系舗装は目地を入れないとブローアップします。この現場では放熱管埋設が原因では無いかとなりましたが,そうでは有りません。但し,タイルとセメントモルタルの付着は留意しないと剥離して剥がれます。放熱管埋設に拘わらず施工が非常に難しいです。橋面や連続鉄筋コンクリート舗装で、放熱管を直線配管にできて鋼管にすると好都合ですが、腐食耐久性が不安です。放熱管のかぶりを厚くすると熱抵抗が増え、自然熱では溶けになくなります。内面ライニング鋼管なども検討すべきだと反省しています。

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放熱管埋設路面融雪の数値シミュレーション,日本機械学会論文集(B編)2008.3,永井二郎,宮本重信,西脇昌哉,竹内正紀 (非定常解析)
融雪用放熱管を有する舗装の設計・施工の合理化例:土木学会論文集,Vol.66.No.3 2011,宮本重信・西澤辰男・武市靖・野田悦郎・高島浩一
地下水を利用した節水型融雪システムの開発,土木学会論文集No.609/Y-41,1994.6,宮本重信 定常熱解析 2次元係数の扱いに間違いがあって次で修正
定常熱解析はこちらからダウンロードできます.土木学会年次講演 一般的な放熱管と地表面との距離での計算は不適切です(file.pdf)
床版・舗装と融雪の融合の研究はこちらからダウンロードできます(file.pdf)
凍結抑制型合成鋼床版の輪荷重走行下での疲労特性,道路橋床版シンポジウム講演論文集,2000,奥村茂・宮本重信・堀川都志雄・桧垣豊・松井繁之