配管から空気が抜けなくて不凍液が循環しない。0.4m/s 以上で配管中の空気は押し流された。
5〜15年で融雪制御の温度センサが正常値を示さなくことが生じる。温度センサの異常は-50℃以下とか+50℃以上の異常値であることが多いので,予備センサも接続してこの異常値を外したいずれかの温度センサで制御するように改良した。この改良が徹底されなくて,予備センサが制御盤内にあっても設計図に予備が明示されていてもそれに現場は気づかなかった。センサ異常発生後数ヶ月後私に連絡があって予備はあるはずだと冬は必ず運転するように指示したが,徹底されなかった。その補修に一冬運転できなくて管の凍結破損で大きな被害になった。
融雪用架橋ポリエチレン放熱管の下面からわずかな漏水があった.福井県立ハーモニーホール1996年施工
漏水箇所のヘッダー管から繊維屑混入液を注水し、戻った水を回収し循環した.4時間の循環で漏水はなくなった.
福井県雪対策・建設技術研究所の融雪実験の送水塩ビ管も約10年経過でわずかに漏水し運転不可能になったが,これも繊維屑混入液をポンプ室のシスターンから注水して、循環運転を実施。その後漏水はなくなり運転を継続しています。繊維屑が漏れ箇所を埋めたのでしょう。繊維屑混入液はラジエターの漏水止めとして利用されたものです。
県立図書館でのPHC杭内部に貯水したPIP融雪・冷暖房での漏水に、シスターンから繊維屑混入液を注水し、9割の杭の漏水を激減できて再生させた。
舞I市の中掘工法でのPHC杭利用地中熱融雪歩道での漏水にも効果を発揮しました。
コンクリート舗装の乾燥収縮ひび割れに珪酸ソーダを用いると修復できることは「けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)」(土木学会)としてしられ,私も幸橋での水養生不足での修復などに使ってその著しい効果を経験している。放熱管埋設融雪の循環水にケイ酸ソーダを予め入れておくと放熱管からの漏水の周囲のセンメントコンクリートに流れて閉塞することが期待される。
10年経過で鋼繊維補強コンクリート舗装であっても道路では融雪剤が散布されることがあって鋼製放熱管の腐食が生じた。ポリエチレン製管を用いるか,樹脂被覆鋼管を用いるべきだった。
幸橋の歩道上に,送水管(塩化ビニル管)を橋軸に長さ110mを設置した。その送水管の周囲をコンクリートで覆う施工までの夏の昼に,塩化ビニル管が弓なりに撓み,端部接合部が破損した。注水前の空洞の塩化ビニル管は大きく温度膨張し,橋自体も鋼床版の温度膨張も小さいので,その温度膨張差で樹脂送水管が弓なりになった。2回の端部接合部の破損で私が現場に行ったときには,塩ビ配管は撤去されて鋼管に取り替えられていた。設計した私に連絡してくれれば塩ビ配管をシートで覆って直射日射を遮るなり,コンクリートで覆う施工直前まで管が自由に伸びるよう送水管端部の接続をしないなどを考えただろう。110mの複数の配管の施工し直しの工事ももったいない。運転13年後に,歩道の乾燥収縮目地部で送水管(鋼管)の一部が腐食で不凍液漏水が生じた。歩道はタイル仕上げで,目地なしでの橋面で,橋自体とタイルの温度差からの膨張差でタイルがブロアップした事例(日本道路会議で筆者ら発表)から目地を入れている。但し,膨張目地はタイルまでのはずである。目地に誘発され太い鋼管があることで目地部でコンクリートにひび割れが生じたのかもしれない。
打撃杭で漏水のあった音楽堂と図書館で大気密閉回路化で漏水杭も全て使用できるようにしました。