風沢中孚  ーー兌下、巽上
「至誠天に通ず。卵を抱く親鳥。」
親鳥がじっと卵を抱き続ければ時を違わず雛がかえるように、誠心誠意を尽くせばその結果が出て、運気開ける象。
大吉
「孚(ふ)」は「まこと」という意味で、親鳥が卵を抱いている姿です。親鳥は何か見返りの利益を期待している訳ではなく、ひたすら卵を抱いている、だから「まこと」です。
左上のこの卦の形は、上と下から口と口を向き合わせた形、と見ています。真心を込めて話し合う形です。
これはまた、接吻している形でもあります。男と女の話しなら良くも悪くもそこまで行くでしょう。
またこの形は、中が空になっている、と見ることも出来ます。良い方に考えれば、虚心坦懐、と言うことですし、悪くとれば、内実がない、と言うことです。
中孚は豚魚の吉なり、とありますが、この豚魚の解説はいろいろです。まあ、真心が有れば何によらず吉である、としておきましょう。
(概説)
「願いごと」ーかなう。
「商ごと」ー成功し利有り。
「相場」ー先高い。
「受験」ー好成績。
「病気」ー回復する。
「就職」ー望みかなう。
「恋愛」ー進み喜びを得る。
「天気」ー好天気。
「旅行」ーよろし。
「開業」ーよろし。
「転業、移転」ーよろし。
「失物」ー暫くして出る。
「方角」ー西、東南。
「初爻変爻」の場合:
  人を信じること。手慣れた方法が無難。方向転換はうまくいきません。

「二爻変爻」の場合:
  夫婦で、あるいは親しい者と協力し、喜びを分かち合うことが出来ます。
  情に棹させば流される、ということもあります。

「三爻変爻」の場合:
  軽挙盲動とならぬよう注意が必要です。冷静さを失わぬように。

「四爻変爻」の場合:
  腐れ縁や悪い仲間、つまらぬこだわりなど切り捨てることで運気が開けます。

「五爻変爻」の場合:
  人と協力して成果を上げることが出来ます。

「六爻変爻」の場合:
  「鶏が天に登る。長続きする訳がない。」とあります。
  一時の隆盛を得ても長続きしません。節度を守るよう心がけること。


中孚は、豚魚の吉なり。大川を渉るによろし。
貞(ただ)しきに利(よ)ろし。

彖に曰く、中孚は、柔内に在り、剛中を得る。説(よろ)こびて巽(したが)い、孚(まこと)ありて乃ち邦を化す。豚魚の吉は、信(まこと)、豚魚に及ぶなり。大川を渉るによろしとは、木に乗りて舟虚なればなり。
中孚の貞(ただ)しきに利(よ)ろしとは、乃ち天に応ずなり。

象に曰く、沢上に風有るは中孚なり。君子は以って獄を議し、死を緩くす。

初九:虞(やす)んずれば吉なり。它(た)あれば燕(やす)からず。
   象に曰く、初九の虞んずれば吉なるは、志いまだ変ぜざるなり。
九二:鳴鶴陰に在り、その子これに和す。我に好爵あり。我爾と共にこれに靡(よ)わん。
   象に曰く、その子これに和すとは、中心より願うなり。
六三:敵を得たり。あるいは鼓し、あるいは罷め、あるいは泣きあるいは歌う。
   象に曰く、あるいは鼓し、あるいは罷むとは、位当たらざればなり。
六四:月望に幾(ち)かし。馬匹亡(うしな)う。咎なし。
   象に曰く、馬匹亡うとは、類を絶ちて上るなり。
九五:孚ありて連如たり。咎なし。
   象に曰く、孚ありて連如たりとは、位、正に当たればなり。
上九:翰音(かんおん)天に登る。貞なれど凶なり。
   象に曰く、翰音天に登る、なんぞ長かるべけんや。
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