つづき
キャラクターの色 |
主人公 英一 |
看護婦 落合 | 看護婦 坂本 | 頑固おやじ 安田 |
その他 |
効果音 | 説明 |
その他 |
英一は突然の出来事に戸惑った。
「本気かよ・・・」
英一は大声で看護婦を呼んだ。
「看護婦さーん!!ガキが飛び降りた!」
その声を聞いた看護婦が数名病室へやってきた。
「康輔君が、飛び降りたの!」
「そうなんです!あそこの窓から」
窓からはさわやかな風が病室に入り込み、今の出来事を感じさせなかった。
看護婦達は窓に向かって走りだした。
「康輔君!康輔君!」
看護婦は窓から下を眺めたが、康輔の姿はなかった。看護婦は英一に向かって
聞いてきた。
「康輔君いないみたいだけど、まさか冗談じゃないわよね?」
英一は看護婦の視線をモロにくらいながら否定し始めた。
「看護婦さん、信じてくれ、俺は嘘なんかついていない。現に俺は数分のうちにそこまで
行って窓を開けることは不可能だ!そうでしょ看護婦さん?」
英一はさっき病室にいた看護婦さん(坂本千恵)に話をふった。
「ええ、私が康輔君と樋山さんが騒いでいる時は窓が閉まっていました」
坂本は英一の話を立証づけた。
「ということは、本当に康輔君はここから飛び降りて行ったのね?」
「ああ、これで俺の言ったことが正しいってわかっただろ」
英一は勝ち誇ったように看護婦に言った。
看護婦達は、康輔の行方を探しに行くことになった。
「じゃあ、坂本さんと中谷さんは外を探して、私と神山さんは中を探してみるわ」
落合は他の看護婦を連れて康輔を探しに行った。
ちょうどすれ違いに安田が病室に帰ってきた。
「なんの騒ぎだ?またあの男が来たのか?くそ〜、今度こそぶっ殺してやる!」
英一は安田の言葉を聞いて驚いた。
「安田さん、冗談でしょ?こんなところでそんなこと言わないで下さい」
安田は英一のベッドに向かってきた。
「よう、兄ちゃん。これ以上は奴を生かしておくわけにはいかんのじゃ。かわいい娘
をあんなろくでもない男に渡すくらいなら、あいつを殺して警察にでも世話になったほう
がいい!」
「安田さん、そ、それはちょっとまずいでしょ。警察にはお世話にならないほうが・・・」
「たわけー!!娘が幸せになるならそれでいいんじゃ!」
「安田さん、警察行ったって、それは娘さんも幸せじゃないと思うんですが・・・。」
「ん〜。それもそうじゃな。兄ちゃん良いことを言うな」
英一は、突然の妙なものわかりのいい安田の言葉を聞いて、不安を持ちながらも安心した。
その頃、看護婦達は康輔を探していたが・・・。
「康輔く〜ん!康輔く〜ん!」
落合達は必死で病院中、病院近隣を探したが、康輔の姿はなかった。
「はぁ、はぁ、何処へ行ったのかしら。手術後だからそんなに遠くに行けるはずがないのに」
「ピー、ピー、ピー・・・・」
突然、落合のポケベルが鳴った。
「!、中谷さん、屋上へ急ぐわよ」
落合は中谷と一緒に屋上へ向かった。
「バタン!」
「あ、落合さん、あそこに康輔君が!」
坂本が落合に状況を伝えた。
康輔は給水塔のてっぺんで落合達を見ていた。
「康輔君!危ないからそこからおりなさい!」
落合達はゆっくり康輔に向かっていく。
しかし、説得にも応じず、康輔は最後のメッセージを残してその場から消えた。
看護婦達は突然の出来事に焦った。康輔が飛び降りたのではないかと給水塔の周りや下を
探してみたが姿はなかった。看護婦達は恐怖に襲われた。
「まさか、あの言い伝えは本当だった・・・?」
落合は昔の出来事を振り返っていた。
それから数時間後
英一は康輔の言葉を思い出していた。
「2日後・・・・、いったい何が起ころうとしているんだ。手術科の先生、ガキの飛び降り・・・」
そして、夜になっても康輔は帰ってこないで、1日目の夜はふけていった。
翌朝
英一は朝早く眼をさました。そして運命の日まであと1日。
「寝たんだか、寝てないんだかわかんないな」
「樋山さん今日は早いんですね」
「いつも早起きじゃないですか。ははは・・・」
「何いっているんですか、いつも9時頃起きてるくせに」
「あれぇ、そうだったっけ?いや〜、今日も良い天気だなぁ」
「樋山さん、今日は大雨ですよ」
「げっ!ははは・・・」
「クスッ、樋山さんっておもしろいですね」
「そうですか〜、ははは」
「体温計って下さいね」
英一は苦笑いをしながら体温計を脇の下へ挿した。そして、窓の外の雨を
見ながらぼやいた。
「まったく、なんで今日は雨なんだ。それも大雨。気分までブルーになっちまうぜ」
英一はしかたなく、テレビのスイッチを入れチャンネルを回し続けた。
と、その時、あるチャンネルで手が止まった。そのチャンネルではニュースがやっていた。
内容は康輔の捜索願いだった。
「昨日、午後5時頃富山県総合病院から山田康輔君(10歳)が行方不明になりました。
警察側は何かの事件に巻き込まれた可能性があるとして捜査を続けています」
英一はテレビを見て驚いた。
「あのガキ、いったい何者なんだ・・・?」
そこへ看護婦の坂本が英一の体温計を取りにやってきた。
「樋山さん、体温何度でした?」
「36℃です」
「大丈夫ですね」
「看護婦さん、あの子はいつから入院してたんですか?」
「ああ、康輔君。そうね、2週間前からですよ。ちょうど樋山さんの来る1週間前ですね」
「へ〜、そうなんですか」
英一は、そのことを聞き、自分の妄想へと入りこんでしまった。それを感じた坂本は病室を出ていった。
「あのガキと手術科の先生は何を知っているんだ、そして俺はどうなっちまうんだ!」
英一は、煮えきらない気持ちを抱えながら病室で葛藤していた。
運命の日まで、残り40時間
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