劉氏冠
I think; therefore I am!


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本文(白文・書き下し文)
高祖為亭長、乃以竹皮為冠、
令求盗之薛治之、時時冠之。
及貴常冠。
所謂劉氏冠乃是也。
高祖、亭長たるとき、乃ち竹を以て冠を為らんとし、
求盗をして薛に之きて之を治めしめ、時時之を冠す。
貴きに及びて常に冠す。
所謂劉氏冠とは乃ち是なり。
参考文献:史記二 明治書院

現代語訳/日本語訳

高祖が亭長だったとき、竹の皮で冠を作ろうとして、
求盗を薛に行かせて冠を調達させ、時々これをかぶっていた。
高い身分になってからは、いつもかぶっていた。
いわゆる「劉氏冠」とはこれのことである。

解説

高祖為亭長、乃以竹皮為冠、令求盗之薛治之、時時冠之。
こうそていちょうたるとき、すなはちちくひをもってかんむりをつくらんとし、きゅうとうをしてせつにいきてこれをおさめしめ、ときどきこれをかんす。

ここの「乃」はリズムを整える働きで、特に意味は無い。
「求盗」は亭の役人で、盗賊を捕らえたり、追い払ったりするのがその職務だった。
「薛」は地名で孟嘗君や項梁がその領地としたことで有名である。
ここに、冠を作る職人がいた。
「治」は"調達する"の意、


及貴常冠。所謂劉氏冠乃是也。
たっときにおよびてつねにかんす。いはゆるりゅうしかんすなはちこれなり。

「乃」は断定の意、"〜である"。




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