アンデルマット Andermatt
スイス旅行記/地理誌
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交通の要衝アンデルマット


ザンクト・ゴットハルト(St.Gotthard)峠の北側のふもとに位置するアンデルマットは、山岳部を横断するマッターホルン・ゴットハルト鉄道(ゴットハルトとゴッタルドは表記が異なるが同じGotthardを示している。) とスイス国鉄の南北に通じる幹線が交差する位置にあり、古来より交通の要衝であった。 実際には、スイス国鉄の幹線は、地下のゴットハルト鉄道トンネルを通っているが、アンデルマットからマッターホルン・ゴットハルト鉄道の支線で10分のゲッシネン(Göschenen)で乗り換えることが出来る。



戦略上の重要性から、アンデルマットにはスイス軍の施設がもともとは多かったとされ、観光開発はすすんでいなかった。 軍事施設が縮小する中、エジプトの富豪サミー・サウィリス氏はその潜在性に着目し、大規模な開発を開始した。 私が訪れた2014年6月時点では、多くは建設工事の途中であり、五つ星ホテルのチェディ・アンデルマット(The Chedi Andermatt)のみが開業していた。

アンデルマットは、氷河鉄道が通過するだけでなく、ゲッシネンでスイス国鉄の幹線に乗り換えることにより、 南のティチーノ州(ベリンツォーナ・ルガーノ・ロカルノなど)、中央スイス(ルツェルン湖周辺)やチューリッヒにもアクセスがよい。 そのため、観光における中継拠点としても極めて有用であると考えられる。 このことは、当地を訪れて初めて気がついた。 私の旅行計画は、一人旅であったため、8時間の氷河急行はあまり面白くないかもしれないと考え、氷河急行はツェルマットから乗りアンデルマットで途中下車し、 翌日普通電車でサン・モリッツまでいく事としていた(氷河急行はスピードが出せないため、アンデルマット・サンモリッツ間ではクールを経由しない分、普通電車のほうが所要時間が短いこともあった。)。 そして、ベルニナ線に乗った後については、旅行中に気分に応じて最終決定するとしていたが、基本線はティチーノ州(特に世界遺産の城砦のあるベリンツォーナ)にいくことを考えていた。 この場合、ひとつの方法は、ベルニナ線のイタリア側終着駅であるティラノからルガーノまでのバスに乗ることである。 所要時間は3時間で、1日1本しかなく、ガイドブックによると混雑しているとのことであった。 ところが、当地に着いて調べてみると、アンデルマットからベリンツォーナまでは電車で1時間半しかかからないということであった。 すでに、サン・モリッツのホテルを予約していたため、この方法をとることは出来なかったが、その制約がなければアンデルマットから行くのがよかっただろう。


悪魔の橋 Teufelsbrücke
アンデルマットの北には、ゴットハルト街道の難所シェレーネン渓谷があり、有名な悪魔の橋が架かっている。 アンデルマットからは30分ほど歩いていくこともできるが、アンデルマット・ゲッシネン間の鉄道の途中でも見ることができ、次の写真も車中から撮影したものである。



ザンクト・ゴットハルト峠(St.Gotthard Pass)
アンデルマットから少し西の南にザンクト・ゴットハルト峠がある。 バスで峠に行こうとしたが、6月の時点ではバスが動いていないとのことだった(おそらく7月以降の運行なのであろう)。 歩いて行くのは数時間かかるため、峠そのものを訪れることはあきらめ、峠方面を遠望するに留めた。





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