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敬虔なる読者へ

ADDRESS TO THE DEVOUT READER.

この小さな本の出版における私の主要な目的は、全てのキリスト信者の心にイエズス・キリストの御受難を思い起こさせることです。私は、一日のために定めた主要なアクションの中でそれをきちんと実行すれば私たちが私たちの聖なる模範〔イエズス様〕の御様子と彼の辛い御苦しみを決して忘れなくなるような幾つかのシンプルなルールを定めようとしました。私は、私たちが私たちの十字架にかけられ給うた贖い主の御苦しみについて黙想しながら一日の幾つかの小部分を過ごすという実践を効果的なものにするために、イエズス・キリストに関する幾つかの神秘についての短い黙想を月の毎日のために編みました。また、キリスト信者の一日の中で最も聖なるアクション(秘跡の受領やミサ仕えなど)が御受難の想起によって更に敬虔に為されるようになるように、その目的に沿った簡単なメソッドも編んでみました。私は私のメソッドを、あらゆる種類の人々に役立つものとなるように、あらゆる人がそのメソッドの中に、十字架にかけられ給うたイエズス様の御傷の中に霊において常に住むことができるようになるための実践的な方法を見つけることができるように、そしてそこから、私たちの救い主の御受難の実である夥しい霊的恵みを引き出すことができるように、できる限り努力しました。

あなたがこの本に何か新奇なものを求めるならば、それは全く無駄に終わるでしょう。と云うのは、この本は、敬虔に関する他の多くの本の中に散見されるものを含んでいるに過ぎないからです。しかし、ああ、敬虔なるキリスト信者よ、新奇なものを求めるのでなく、この本を敬虔の心で、自分の霊魂を聖化したいという真面目な欲求と共に読んでください。あなたが読んだところを忠実に、また忍耐強く実践してみてください。そうすれば、あなたは必ずや、あなたの霊魂に最も祝福された効果を経験するでしょう。多くのキリスト信者たちの人生に大いなる変化が起こるでしょう(彼らが彼らの持っている全ての善い書物をそのように読めばやはりそのような結果を得るのと同じように)。私は、この小さな本の簡潔さと扱われている主題の重要さと崇高さが、それらが注意深く観察されることによって、多くの人に利益をもたらすことを願っています。

それぞれの黙想には、少なくともその一日にそこからもたらされるであろう実りと、十字架にかけられ給うたイエズス様を敬うための敬虔な実践が付記されています。もしあなたが何らかの目的を目指して黙想したいなら、そのどちらも省略することはできません。また私は、その日の黙想の内容の後に、その黙想に適した例を書いておきました。それらの例は、聖人や神の召使いたちの人生から私が注意深く選んだものであり、あなたの黙想のために私が提案するものであり、私たちの贖い主(聖人たちにとって、自分の考えと心をそこから逸らすなどということは全くできなかったところのその御方、全ての慰めと霊的幸福の源となったその御方)の御苦しみについてしばしば黙想しようという聖なる決意の中にあなたをますます安定させるためのものです。

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