緒 言
親愛なる皆様
この問答体の連続講義は、若き日に神の御教えを学ぶことができなかったカトリックの人達のために編んだものです。また、宗教上の教えと規律についてカトリック教会が公式に教えていることがらを、学びたいと望んでいられるカトリックでない人達のためにも役立つと思います。
しかし、人は学問から集めた厖大な宗教上の知識をいくら持つても信仰がこれに伴わない、ということがあり得ることを決して忘れてはなりません──これは、信仰は超自然の秩序に属するものであり、又、神の賜物であるからです。自分達は真の信仰を所有していると確信しているカトリック信者は、神が自分達にこの御恵みを賜ったことをいつも全能の神に感謝し、そして、この感謝の念を、他の人々にも此の私達の宗教へ興味を持たすように努力することによって表わさなければなりません。神の特別の御恵みによりまして、真の信仰に回心された人達は、カトリックでない親しい人達にもこれを分ち得るように努力して、感謝を表わさなければなりません。
カトリックの人もカトリックでない人も、共に、キリストと人々の霊魂とのために、使徒的な働きをして、神が私達の極めて親しき人々を御許に引き給わんことを、日々に祈らねばなりません。こういうふうに祈りますと、不信心なカトリック信者は、神の聖寵によりまして、いよいよ自分の宗教に熱心でなければならなくなり、カトリックでない人達はより以上に神の教会の声に耳を傾けるようになることでしょう。
多数の人が抱いている偏見に拘らず、又、カトリック信者が暮して行かなければならない厳しい戒律に拘らず、カトリック教徒は他の全教会を合せたものよりも迅速に成長しています。
あなた方はこの御探求を御続けになるに従って、カトリックは、他の教会と本質的に異っている事を主張している、ということがお判りになりましょう。それは起原が神的であり、性格が神的であり、又、聖化の方法が神的であるからです。
あなた方の先生は恐らく「公教要理」によって、あなた方が良く理解なさったかどうか試験なさると思いますが、もしあなた方がこの書に精通なさるなら(この書は実に面白いとお考えになると思いますが)、「公教要理」の中にある質問には曲りなりにお答えになることができましょう。
本著者はこの著作に御示し下さった御好意と、通信を以て講義に長らくの間賜った御監督とにつき、セントルイスの司祭L・J・ファロン師に非常に御世話になりました。
また本著者は、ファロン師の手で始められた本著作の進行に極めて惜しみなく資金を賜りました The Daughters of Isabella に、有難く思っています。
この書によつて神を更によく知り、更に多く愛さんことを求むるすべての人に、神の御祝福のあらんことを祈り、又、これに対してその人達も祈られんことを願いつつ……
著者
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