2012.08.13

クリスマスの中に紛れ込んでいるもの 10

ワシントン・アーヴィング
Washington Irving
(1783–1859)
ジョン・ピンタードの義理の兄弟
或る記事
宗教改革にもかかわらず聖ニコラオはオランダで生き残ったようで、1664年にアメリカに「シンタクラース」をもたらしたのはオランダ人だった。1773年にそのオランダ式の名は英語に翻訳され、「サンタクロース」になった。ジョン・ピンタード(ニューヨーク歴史協会の創設者にしてワシントン・アービングの義理の兄弟)は、ニューヨークの守護聖人としての聖ニコラオを促進することに尽力し、1810年発行のパンフレットにおいてサンタクロースのイラストレーションのおそらくは最初の提供者となった。
『スリーピー・ホローの伝説』の著者アーヴィングは、彼の義理の兄弟と彼のオランダのルーツに影響され、1809年12月6日に発表した風刺的な『ニューヨーク史』において、アメリカ人にアメリカ人自身のバージョンのサンタクロースを与えた最初の人となった。アーヴィングは更に、彼のオランダ人仲間「ニューヨークっ子たち(Manhattanites)」に影響され、水夫サンタを作り(船乗りの守護聖人である聖ニコラオに敬意を表して)、サンタにパイプを与え、またよく知られた鼻に指を当てるジェスチャーを与えた。ニューヨーカー達はアーヴィングが「シンタクラース」について書いたものを愛した。特に、全ての善い子供達の家の煙突の中にプレゼントを落としながら空を飛ぶ彼の能力を。
歪曲
私はもう一度言いたい。上の記事は「船乗りの守護聖人である聖ニコラオに敬意を表して」なんて言っているけれども、その聖人に水夫の恰好をさせたり、パイプを持たせたり、独特のジェスチャーを与えたり、果ては空を飛ばさせたりなんていうのは、甚だしき「歪曲」であって、そういう行為は「創作家」のものではあっても「信仰家」のものでは全くない。信仰家は聖ニコラオに対してどんな理由によってもそんなことは出来ないだろう。
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