2012.07.08

或るビル 7

トレーシング・ボード
Tracing Board
フリーメイソンには、彼らにとって「完全への道のりをシンボリックに示す霊的案内図」とでも言うべき「トレーシング・ボード」というものがある。
トレーシング・ボードとは、フリーメイソンの様々なエンブレムとシンボルを表示する、描かれた、あるいは印刷された図解である。それらはメイソンの三つの位階それぞれに応じた講義の時、経験を積んだメンバーが新しいメンバーにフリーメイソンの様々な概念を教える時に補助教材として用いられることができる。それらはまた、経験を積んだメンバーが彼ら自身が入会した時に学んだ諸概念を思い起こすために用いられることもできる。
左から右へ: 第一位階(徒弟:Entered Appprentice)、第二位階(職人:Fellow Craft)、第三位階(親方:Master Mason)それぞれの養成のためのトレーシング・ボード である。
(なお、フリーメイソンの位階制度はややこしい。その辺の事に関しては私も素人である。次のような場所を参照のこと。 参照1  参照2
第一位階
第二位階
第一位階と第二位階が共通して持つのは、「柱/門」、「上昇の足掛かり(梯子/階段)」、そして「至高の目的」の三つというところだろうか。
第一位階と第二位階の違いで一番目立つのは、上昇の足掛かりになるものの形状だろう。第一位階のものは真っ直ぐであり、第二位階のものは曲がっている。
第二位階の階段のこの曲がりは、おそらくこの段階になると人は若干の苦労を味わう、文字通り「紆余曲折」を経験するということではないだろうか。
私達はこのようなものついて詳しくなる必要がない。しかし、それでも、少しだけ見てみる。
第一位階
[柱/門]
三本の柱
なんでも、「知恵」「力」「美」を象徴しているのだとか。
[上昇の足掛かり]
真っ直ぐの梯子
[至高の目的]
星として描かれるようである。シリウスという星なのかも知れない。
第二位階
[柱/門]
ヤキンとボアズの二本
[上昇の足掛かり]
曲がりくねった階段
(Winding Stairs)
あるいは、
曲がりくねった階段室
(Winding Staircase
この階段について後述します。
[至高の目的]
太陽として描かれたり、光を放つ一ツ目、いわゆる All Seeing Eye として描かれたり、あるいは光を放つ三角の中の「G」として描かれたりするようだ。
[第一位階にはない他の特徴]
建物(神殿)のそばに水辺が描かれていること。
そこに穀物の穂があること。
そしてしばしば滝も描き込まれていること。
人物が描かれていること。
一人は、階段の下、あるいは門のそばに。
もう一人は、白と黒の市松模様(「内陣」を表わすらしい)の辺りに。
彼らは神殿を警護したり、来訪者が神殿に入るに相応しいレベルに達しているかどうかをチェックしたりする「ウォーデン(warden; 管理人, 監視員)」であるらしい。
さて、第一位階と第二位階の別なく、これらのトレーシング・ボードに描かれている「参入者の辿る道程」を単純に言うなら、
くぐり、昇り、至るということになるだろう。
つまり、参入者は、
1.門を「くぐり」、あるいは柱の間を抜け、
2.梯子あるいは階段で「昇り」、そして、
3.至高の目的に「至る」のである。
(実際には至らなくても、とにかくそれに「向かう」のである。)
そして、「至高の目的」は時には「太陽」のように表わされるのである。
何か思い出さないか?
そう、その道程は梅田スカイビルの上でも正確に、
それこそ「トレース」することができるのである。
くぐり、
昇り、
至る。
依って、
大結論
梅田スカイビルは
フリーメイソンのトレーシング・ボードである。
Umeda Sky Building is a Masonic tracing board.
あっさり言い過ぎですか? では、次を。
次へ
日記の目次へ
ページに直接に入った方はこちらをクリックして下さい→ フレームページのトップへ