2011.05.15

パデルニョーネの「復活のキリスト」教会 (5)

* スパイラル *
教会頂上の十字架に関して、調査者はもう一つのことを指摘している。それは、それが身にまとっているスパイラルのことである。よく見ると、確かにそのようである。
気づけば、この教会は、教会頂上の十字架から、地下聖堂の化け物から、天井から、建物全体の外観から、聖堂内に置かれた十字架から、そして洗礼盤に至るまで、スパイラルで埋め尽くされていると言っても過言ではない。
私はオカルトに詳しくなんかない。けれど、オカルティストがスパイラルを好むらしいことは知っている。
* カリス *
この教会のために造られたカリスである。実際どれだけミサで使われているかは知らないが。
制作会社はこのカリスについて次のように説明している。(勿論、元は “発注者” による意味付けであろう)
カリス「ゲッセマニ」:トレントのパデルニョーネの教会のためにデザインされ造られた新しいカリス。このカリスは、神であり救い主であるキリストから全ての人々のために流された聖なる御血を受けることを意味するために、その底部にオリーブの樹をあしらっています。およそ2000年前の裏切りの夜、ゲッセマニのオリーブの樹は、救い主キリストへの愛と忠節の静かな目撃者でした。〔云々〕
こういうのは、確かに紛らわしい。確かに、御受難の夜にはオリーブの樹が伴っていたのだから。しかし、ここは彼らの「自然主義」を見るべきだろう。
ファッツィーニの『復活』にグロテスクな草木が茂っていたことを思い出すべきである。ボディーニの作品の中にドルイド教の意匠を思わせるものがあったことを思い出すべきである。そうして、やはりカトリックとしては、このようなカリスを「異形」として斥けるべきだろう。
* ジーザス・クライスト・スーパースター *
パデルニョーネの教会は一昨年、外部の劇団を招き、おそらく聖堂の中で、冒涜的な演目『ジーザス・クライスト・スーパースター』を上演させた。カトリック教徒の一部が怒っている。やはりそういう精神性の、悪しき霊性の教会なのだ。
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