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第十三課 公生活

  1. イエズス・キリストは、三十歳の時に何をなさいましたか。

    イエズス・キリストは、三十歳の時に,洗者(せんじゃ)聖ヨハネから洗礼を受け、荒野(あれの)に退いて、四十日の間断食をなさいました。(ルカ 3:24、同 3:21、同 4:1-2)

  2. イエズス・キリストは断食の後に何をなさいましたか。

    イエズス・キリストは断食の後に、十二使徒を選び、彼等と共に、三年の間ユデアを巡って、福音をお宣(の)べになりました。(ルカ 6:12-16、マテオ 10:1-5)

    十二使徒の名は、ペトロ、アンデレア、ヤコボ、ヨハネ、フィリッポ、バルトロメオ、マテオ、トマ、アルフェオの子ヤコボとゼロテと云うシモン、タデオと謀反人となったイスカリオテのユダとであります。

  3. 福音とは何でありますか。

    福音とは、イエズス・キリストの御教、即ちイエズス・キリストが天主の御子及び世の救主に在すことを信じ、且つその御言葉を守って真の幸福に至る道であります。

  4. 何によってイエズス・キリストの救主に在すことがわかりますか。

    イエズス・キリストの救主に在すことは、一、イエズス・キリストについての旧約の預言が成就し、二、御自ら預言し給うた事柄も成就し、三、又御自ら多くの奇蹟を行い給うたことによってわかります。

    預言とは、天主の啓示によってその御意(みむね)を告げ、又自然的に知り得ない将来の出来事につき、天主の啓示によって、之を予告することであります。
    奇蹟とは、天主の全能によって、自然の法則に拘束されないで行われる不思議な出来事であります。

  5. イエズス・キリストに就いての旧約の預言が成就したとは何でありますか。

    それは、イエズス・キリストの御降誕、御奇蹟、御受難、御復活、公教会などに関する数百年前からの預言が、悉く成就したことを云うのであります。

    御降誕(場所 ミケヤ 5:2、時 ダニエル 9:24以下)、御奇蹟(イザヤ 35:4-6、61:1-3)、御受難(イザヤ 53:2-12、詩 21:13-19、ザカリア 11:12-13)、御復活(ヨナ 2:1、詩 15:10)、公教会(イザヤ 9:2-6、マラキア 1:11、エレミヤ 3:15、詩 21:29-32)

  6. イエズス・キリスト御自ら、預言し給うた事柄が成就したとは何でありますか。

    それはイエズス・キリスト御自ら、御受難、御死去、御復活、使徒等の将来などに就いて預言し給うた事柄が、一々成就したことをいうのであります。

    御苦難、御死去、御復活(マテオ 20:18-19、マルコ 10:33-34、ルカ 18:32)、使徒等の将来(マテオ 10:16-22、マルコ 13:9以下)

  7. イエズス・キリストが、多くの奇蹟を行い給うたとは何でありますか。

    それはイエズス・キリストが、ただ一言葉で悪魔を追出し、癩病、唖(おし)、聾(つんぼ)、盲(めくら)等を癒し、死人をも蘇らせ給うたことを云うのであります。

    悪魔を追出し(マテオ 8:28-34)、癩病(マルコ 1:40-41)唖、聾(マルコ7:32-35)盲を癒し(マテオ 9:27)死人をも蘇らせ(ヨハネ 11:1-44、ルカ 7:11-17、8:49-56)
    預言の成就と奇蹟とは正確な歴史的事実であります。一、之等は公に行われ、目撃者及直弟子達によって聖書に記され、二、彼等は一生涯、艱難辛苦を重ね、終(つい)に殉教してその事実を証明いたしました。
    預言の成就と奇蹟との外(ほか)に、なおイエズス・キリストが真の救主に在すことは、一、その御徳がすぐれて高く、二、その御教が抜んでて完全なることによって、之を認めることが出来ます。 
    イエズス・キリストの御徳がすぐれて高いことは、その御一生を通じて、すべての徳の完全なる模範をお示しになったことによって認められます。ことにイエズス御自身「誰か我に罪あることを証せん」(ヨハネ 8:46)と仰せになり、反対者までも之に対してすこしの非難すべき点を見出すことが出来なかったことによって、明らかであります。
    イエズス・キリストの御教が抜んでて完全なることは、一、天地万物の本源、人生の目的、及び之に達する方法を確実に示し、二、天主に対し、人に対し、己に対して守るべき義務を完全に教え、三、御自らの模範及び来世の賞罰に関する教訓をもって、修徳のために、最も有力な勧めを与え給うたことなどによって、之を知ることが出来ます。

  8. 何によって、イエズス・キリストが、真の天主に在すことがわかりますか。

    イエズス・キリストが真の天主に在すことは、一、聖父なる天主がこれを啓示し給い、二、イエズス・キリスト御自らこれを声明し、三、御復活その他の奇蹟を以てこれを証明し給うたことによってわかります。

    一、聖父なる天主がこれを啓示し....「是ぞ我が心を安んぜる我愛子なる」(マテオ 3:17と17:5)
    二、イエズス・キリスト御自ら之を声明し....「我と父とは一なり」(ヨハネ 10:30)「我を見る人は父を見るな   り....我父に居り父我に在す」(ヨハネ 14:9-10)
    三、御復活その他の奇蹟を以て之を証明し、御復活(マテオ 28、マルコ 16、ルカ 24、ヨハネ 20)「然て(さて)人の子地に於て罪を赦すの権あることを汝等に知らせんとて中風者に向い、起きよ、床を取りて己が家に往けと曰(のたま)いしかば、彼起きて家に往けり」(マテオ 9:6-7)

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