償いとは何ですか。
償いとは告白後に司祭が命じることを果すことによって、神の正義に対して何らかの弁償をすることです。
司祭が命じる償いは果さなければなりませんか。
司祭が命じる償いは果さなければなりません。もし理由があって果せないときには、謙虚にそのことを告げかわりに他の償いを得なければなりません。
いつ償いを果さなければなりませんか。
聴罪司祭がとくに時を指定しない限り、できるだけ早くそして成聖の恩恵を持っている間に償いを果さなければなりません。
償いはどのようにして果さなければなりませんか。
償いは信仰の心をもって完全に果さなければなりません。
償いを命じるのは何のためですか。
告解の秘跡による罪のゆるしによって罪と永遠の罰はゆるされますが、この世または練獄で果すべき有限の罰が残るのが普通です。従ってこの有限の罰を償わせるために、司祭が償いを命じるのです。
洗礼の秘跡によって犯した罪のすべての罰がゆるされるのになぜ、告解の秘跡では罰の一部しかゆるされないのですか。
洗礼の秘跡によって犯した罪のすべての罰がゆるされるのに告解の秘跡では罰の一部しかゆるされないのは、洗礼後の罪は神の恵みを深く知りながらも、その恩を忘れて犯したので、洗礼前の罪とは比較にならないほど重大な意味をもつからです。また、告解は、犯した罪の償いを義務づけることによって、再び罪を犯さないための予防ともなります。
自分の力だけで神への償いを果すことができますか。
自分の力だけでは神への償いを果すことができませんが、キリストと一致すればこれを果すことができます。それは、キリストの御受難と御死去のいさおしにより、私たちの行ないに新たな価値が与えられるからです。
司祭が命じる償いを果せば、犯した罪のすべての罰を消し去ることができますか。
司祭が命じる償いを果すだけでは、犯した罪のすべての罰を消し去ることはできません。従って、自発的にほかの償いをしてこれを補うように努めなければなりません。
償いの業にはどんなものがありますか。
償いの業は、祈り、断食、ほどこしの三種類にわけることができます。
祈りによる償いとは何ですか。
祈りによる償いとは、あらゆる種類の信心の業のことです。
断食による償いとは何ですか。
断食による償いとは、あらゆる種類の犠牲をささげることです。
ほどこしによる償いとは何ですか。
ほどこしによる償いとは、霊的、物的なあらゆる種類の慈善事業のことです。
司祭の命じる償いと自発的に選んでする催いとのどちらにより大きな力がありますか。
司祭が命じる償いにより大きを力があります。命じられた償いは秘跡の一部を成し、イエズス・キリストの御受難のいさおしの力をより多く受けることができるからです。
司祭による罪のゆるしを得たばかりの人が、神の正義に対して完全に償いを果さないで死んだ場合、この人は直接天国に行きますか。
その人はまず練獄に行き、そこで神の正義に対して償いを果し、罪から完全に潔められた後、天国へ行きます。
信者は練獄の霊魂が受ける罰を軽くすることができますか。
信者は練獄の霊魂が受ける罰を、祈り、ほどこし、慈善事業、免償、とくにミサ聖祭の聖なる犠牲によって軽くすることができます。
告白後、償いのほかに何をしなければなりませんか。
もし不当に他人の財産や名誉に害を及ぼしたり、つまづきを与えたときは、罪の告白後、償いのほかにできるだけ早く、奪った財産を返し他人の名誉を回復し、つまづきを取り除かなければなりません。
どうすれば他人に与えたつまづきを取り除くことができますか。
つまづきの原因となる行ないを止め、ことばと行ないと良い模範を示すことによって他人に与えたつまづきを取り除くことができます。
他人に害を加えたときはどのようにして償いをしなければなりませんか。
他人に害を加えたときは、ゆるしを乞い、必要な場合には、適当な処置をとって埋め合せをしなければなりません。
よい告解をすることによってどのような効果を得ることができますか。
よい告解をすることによって次の効果を得ることができます。
1. |
犯した罪のゆるしと神の恩恵を受け |
2. |
心の平安と落着きを回復し |
3. |
再び天国への道が開かれ、永遠の罰が有限の罰に変わり |
4. |
再び罪を犯さないための力と免償の恵みを得る |
ことができます。