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第七戒について

  1. 第七戒「なんじ、盗むなかれ」では、何を禁じていますか。

    第七戒「なんじ、盗むなかれ」では、他人の物を不正に取得したり、保持すること、また、他人の財産に損害を与えることを禁じています。

  2. 「盗む」とはどういう意味ですか。

    「盗む」とは、所有者の意志に反して、所有権をもつ人から、その財産を不正にも取得することです。

  3. なぜ盗みは禁じられていますか。

    他人の所有物を、所有者の権利と意志を無視して取得したり、保持することによって、正義に反する罪をおかし、人に損害を与えることになるからです。

  4. 他人の財産とはどんなものを言いますか。

    他人の財産とは、他人が所有権を持つか、使用しているか、あるいは蓄えとして保管することによって、その人の所有に帰せられるものすべてを言います。

  5. 他人の財産を不正に取得するとはどんな場合ですか。

    窃盗と強盗による場合です。

  6. どんな場合に窃盗となりますか。

    ひとの財産を、こっそりと取ると窃盗になります。

  7. 強盗とはどんな場合のことですか。

    強盗とは、暴力にうったえて、公然と、他人の財産を取ることです。

  8. 他人の財産を取得しても罪にならないのはどんな場合ですか。

    所有者が財産を取られても悪く思わない場合や財産を与えるのを拒否することが正義にかなわない場合です。たとえば、非常に貧窮した状態にある人が、緊急に必要とするものを最低限度満たすために取る場合です。

  9. 他人の財産に損害を及ぼすのは窃盗と強盗だけでしょうか。

    詐欺、高利貸のほか他人の財産に対する不正な行為はすべて他人の財産に損害を及ぼします。

  10. 詐欺とはどんな行為のことですか。

    詐欺とは、商取引において、重量や寸法を偽ったり、偽せ金を使ったり、不良品で他人を偽ることや書類の偽造をすることなどです。要するに、売買取引または契約取引において、不正をなすこと、さらに、正当な額や約束した額を支払わないことです。

  11. 高利貸とはどんな行為ですか。

    高利貸とは、借り手の困窮や無知を利用して、不正に法外な利息を強要することです。

  12. 他人の財産に対する不正行為としてほかにどんなものがありますか。

    不正な手段によって他人のもちものを失なわせたり、所有物に損害を与えること、義務通りの働きをしないことや、支払うべき負債や給与をわぎと支払わないこと、他人の所有する動物を殺傷したり、委託された物品をだめにすること、他人が正当な利益を得ることを妨害することや盗人を幇助し、盗品を受け取ったり、隠匿したり買いとったりすることです。

  13. 窃盗は重大な罪ですか。

    各人がそれぞれ自分の所有物に対してもつ権利を尊重しあうことは、個人、家族、社会の善のために非常に大切なことですから、窃盗の対象が重大なものであれば正義に反する重大な罪となります。

  14. 窃盗の対象が重大とされるのはどんな場合ですか。

    重要なものを盗んだときはもちろんのこと、盗んだものがたとえわずかの価値しかないものでも、他人に大きな損失を与えるものであれば、重大とされます。

  15. 第七戒では何を命じていますか。

    第七戒では、他人の財産を尊重し、使用人には正当な報酬を支払うことなど、他人の所有物に関するすべてのことについて正義にもとることのないように命じています。

  16. 第七戒に背いた人は告解するだけで充分ですか。

    第七戒に背いた人は告解するだけでは充分ではなく、他人のものを返却し、損害を賠償するためにできる限りのことをしなければなりません。

  17. 損害賠償をするとはどんなことですか。

    損害賠償をするとは、窃盗や不正義な行為が原因となって他人が失った利益、利潤を弁償することです。

  18. 盗品はだれに返さなければなりませんか。

    盗まれた人に返しますが、万一死亡しているときはその相続人に返します。しかし、それさえできないときは、貧しい人たちや慈善事業のために使用しなければなりません。

  19. 高価なものを見つけたときやひろったときにはどうすべきですか。

    早速、持ち主を捜し、返すよう務めるべきです。(なお日本では、ひろい物は警察に届ける事になっています。)

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