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使徒信経の第一箇条

父なる神と創造

  1. 「われは天地の創造主、全能の父なる天主を信ず」という第一箇条は何を教えていますか。

    使徒信経の第一箇条は、神は唯一、全能で、天地万物をお造りになったことを教えています。

  2. どのようにして神の存在を知ることができますか。

    神の存在は、理性の働き、すなわち推理によって知ることができるだけでなく、信仰によって確認することができます。

  3. なぜ神は父であると言われるのですか。

    神が父であると言われるのは次の理由によります。

    1.

    神がお生みになった三位一体の第二のペルソナである御子の父であるから、

    2.

    神御自身がお造りになり、保ち、つかさどっておられる人間の父であるから、

    そして最後に、

    3.

    恩恵によりすべての良い信者の父であるからです。

    それゆえ、信者は神の養子と呼ばれます。
    ※ペルソナとは、知恵と自由意志を備えて独立しているものです。

  4. なぜ「御父」は三位一体の第一のペルソナですか。

    「御父」は他のペルソナから出る御方ではなく、御子と聖霊との源ですから、三位一体の第一のペルソナなのです。

  5. 「全能」とはどんなことですか。

    「全能」とは、神がお望みになることでおできにならないことはないという意味です。

  6. 神は罪を犯すことも、死ぬこともないのになぜどんなことでもおできになると言うのですか。

    罪を犯すことや死ぬことは能力の顕われではなく、その欠如であって、全く完全な神には見出し得ないものですから、罪を犯すことや死ぬことがなくても、神はどんなことでもおできになると言うのです。

  7. 「天地の創造主」とはどういうことですか。

    「創造する」とは、「無」から有を生じさせることです。神は無から天地万物を全てお造りになりましたから、天地の創造主と言います。

  8. 世界は「御父」だけの創造になるものですか。

    世界は三位一体の三つのペルソナによって造られました。三位一体の一つのペルソナが被造物に対してお働きかけになるときは、他の二つのペルソナもひとしく同じ働きをなさるのです。

  9. しかし、なぜ天地の創造が特に「御父」に帰せられるのですか。

    神の三つのペルソナはいずれも全能、全知、全善ですが、全能は御父の、全知は御子の、そして全善は聖霊の特性とされていますから、神の全能の顕われである創造は特に「御父」に帰せられています。

  10. 神は世界とお造りになったもの全てを主宰しておられますか。

    神は無限の善性と知性によって世界とお造りになった全てのものを保ち、かつ主宰しておられます。そして神が望み、お許しにならない限り何事も起こりません。

  11. なぜ、「神が望み、お許しにならない限り何事も起こらない」と言うのですか。

    神がお望みになり、お命じになることもあり、また、たとえば罪のように妨げずにお許しになることもありますから、「神が望み、お許しにならない限り何事も起こらない」と言います。

  12. なぜ神は、罪が存在することを許されるのですか。

    人間が神に与えられた自由を濫用しても、神はそこから善を引き出し、御自分の慈悲や正義をますますあらわすことがおできになるので、神は罪の存在をお許しになるのです。

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