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まえがき

 “秋田の聖母の出来事” は、今より十一年前、カトリック・グラフ誌の連載記事をきっかけに、週刊誌、テレビなどのマスコミに取り上げられ、日本全国に知れわたるようになりました。カトリック界の指導層は慎重を期して介入されませんでしたが、四年程前、志村辰弥師が勇断をもって「聖母像から血と涙」と題する小冊子を刊行し、ひろく頒布されました。この出版物はフランス語、ドイツ語に翻訳され、“秋田の聖母” は西欧の世界にも知られることとなりました。
 一九八四年四月二十二日の復活祭を期して、所轄教区長の伊藤庄治郎司教は、教区民にたいし書簡の形式をもって “秋田の聖母の出来事” を公認し、同年十一月三日、みずから巡礼団とともに公式訪問されました。
 その後は各地からの訪問者がいや増し、巡礼団を組織して来られる向きも多くなりました。
 私は十二年前から実地に見聞したことを、当聖体奉仕会の会報に二年にわたって書き記してきましたが、このように熱心に関心を寄せられる方々のためにも、この記事を一本にまとめて提供したいと思いつきました。事実を明確にして、多くの方々に神の聖意を正しく把握し理解を深めていただくよすがともなれば、と願ってのことです。
 現新潟教区長の佐藤敬一司教に、出版許可を申請したところ、御閲読の上快く認可を賜ったことは望外のよろこびで、読者の皆様と共に感謝申し上げたいとおもいます。
 それにしても、今なお一般には根づよい疑惑や反対の声も聞かれるので、本書もマスコミによる宣伝よりも、心ある人から人へとおのずと知られてゆくことを希望しています。 筆者としては、このつたない著作によって一人でも多くの方がより豊かな霊的進歩をとげられることを、切に祈る次第であります。

一九八六年三月二十五日  神のお告げの祭日

湯沢台の聖母の丘にて
安 田 貞 治

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