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第五書・第三章

イエズスとマリアが人類のために祈り続けられる

 本書が我らの救い主イエズス・キリストと御母の御業を明らかにしようとすればするほど、言葉は不完全であることがもっとはっきりしてきます。私たちには理解できません。資格もありません。最高位の天使、セラフィムさえも、イエズスと御母の地上における生活中の秘密の核心に触れることはできません。私が今書き記すことは、恩寵の法がこの世の第六期に成し遂げられるかについてです。この第六期とは、今までの一六五七年間と、世の終わりまでの未知の未来を含む期間です。御母は、御子から教会の存続中の期間、諸国諸地方に起こる出来事一つ一つについて教わりました。

 これら全ての樋された秘儀は、聖母の見すぼらしい祈祷部屋で教えられました。ここであらゆる神秘中の神秘である御言葉の受肉が聖母の処女なる胎の中で行なわれました。剥き出しの粗末な壁に囲まれただけの部屋が、新約の大祭司である我らの主イエズス・キリストの至聖所であり、祈りの部屋であり、御母に教える教室にもなりました。救いの御業や恩寵の宝庫について主は説明し、罪や忘恩の人々も救いを得られるように、永遠の御父に祈願しました。主は人類の罪や、感謝しない人々が大勢、地獄に堕ちることも予知していたので、その人たちのために自分が死ぬことを考え、血の汗を何回も流したのです。聖木曜日の晩、御受難の直前の時だけ血の汗を流されたのではありません。

 祈られる時、我らの主は跪いたり、十字架の形をして床に伏したりして祈られました、「ああ、至福の十字架よ! お前の横木の上に私の両腕が置かれ、釘付けにされ、あらゆる罪人たちを歓迎するのはいつであろうか? 汝ら盲人たちよ、光である私の許に来なさい。汝ら貧しい人たちよ、私の恩寵の宝庫の所に来なさい。汝ら小さい者たちよ、本当の御父の胸に飛び込みなさい。汝ら苦労し疲れきった者たちよ、私は汝らを元気にしてあげよう(マテオ11・28)。汝ら義人たちよ、私の遺産を受け継ぐため来なさい。汝らアダムの子供たち全員よ、来なさい。私は全員に呼びかける。私は道、真理、生命である(ヨハネ14・6)。汝らが望むものは何でもあげよう。私の永遠なる御父よ、御身の被造物なる人々を見棄てないで下さい。私が十字架上の犠牲として私自身を捧げますから、人々の正義と自由を回復させて下さい。人々が少しでも協力したければ、私は人々を御身の胸に連れ戻せます。」

 主の祈りの間中、御母はおそばで同じ姿勢で主の御旨に心を合わせました。主が口に出されたこと、胸の内に抱くこと全ては御母の祈りとなりました。御子の血の汗を見て御母は悲しみで一杯となり、人々の罪と忘恩がどれほど御子を苦しませるかを嘆き、叫びました、「ああ、人の子らよ、主があなた方をどれほど大切にされておられ、あなた方のために血を流し給うことを軽んじています。主を愛し、仕えなさい。感謝する人たちや義人たちは幸いです。人々が光と恩寵に満たされ、救い主を受入れますように。私はアダムの子らの奴隷の中でも下っ端の奴隷となりたいと思います。人々が罪を棄て、地獄に堕ちないように少しでもお手伝いしたいと思います! 主よ、私の霊魂の命と光よ。御身の祝福を感じないほどの頑固者はいるでしょうか? 御身の燃える愛を無視するほど忘恩の者はいるでしょうか? ああ、アダムの子らよ、あなた方の人でなしの残酷さを私に向けて下さい。気のすむまで私を軽蔑して下さい。主だけを敬愛して下さい。我が御子なる主よ、御身は光の光です。永遠の御父の御子、御父と全く同じ御子、永遠、不滅、広大無辺であられます。」 御母は、御子の御顔から血と汗を拭いました。他の時には、御子は光栄に輝き、タボル山の御変容のようでした。大群の天使たちが御子の周囲で讃美と感謝の歌を美しく歌いました。御母もコーラスに参加しました。ありったけの力を振り絞って歌ったので、倒れそうになりましたが、天使たちに支えられました。主の御受難にも御光栄にも、御母は全身全霊で参加し、全能の御父の計り知れない審判には、御自身を塵にまで引き下げ、尊敬を表しました。全てに於て全能の御父の御旨に叶いました。

元后の御言葉

 私の娘よ、あなたの言行が主の言行に一致するかどうか、あなたが主を崇め、隣人のためにする意志を持っているかどうかをよく見極めなさい。それが確かになったら直ちに主と一致して、主を見倣って行動に移りなさい。私自身、主なる先生をいつも見倣い、全くためらわず、完全に主を模倣することだけを望みました。今日から私を先生にしなさい。何事もする前に、母であり先生である私に相談し、許可を願いなさい。私の返事を聞いたらすぐに主に感謝しなさい。私があなたの度重なる質問に答えない時は、主が御旨について教えて下さいます。全てに於てあなたの霊的指導者に導きを請いなさい。このことをしっかり覚えておきなさい。

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