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第四書・第六章

王たちの礼拝

 三人の王たちが神の子を探しに来ました。パレスチナの東の国々、ペルシャ、アラビアとサバ(詩編72・10)の王たちです。このことはダビデと、その前にバラムによって預言されています。バラムはモアブ人の王、バラクに雇われ、イスラエル人を呪うことになっていましたが、その代わりに祝福しました(民数23・11)。バラムの何世紀か後の子孫たちがこの三人の王たちです。バラムは、ヤコブの家から起き上がる星はキリストであり、ヤコブの家を治める(ルカ1・33)と言いました。この三人の王たちは、天使から神の子についての啓示を聞きました。天使が作った良く見える星を見ました。この星は昼間でも見えました。それぞれの固から見える星に導かれて旅してくると、ある場所で三人は落ち合いました。お互いに話し合ってみると、お互いが聞いた啓示は全く同じで、神の子を拝むという熱烈な信心に燃えました。

 天の御母は信心深い熱心な王たちを待っていました。王たちが洞穴の中に入り、光り輝く御子と御母にお会いし、地面に平伏し、御子を真の神である人間、人類の敷い主として崇め、拝みました。御子から新しい啓示を頂きました。王の王に仕える大勢の天使たちがいるのに気付きました。上半身を起こし、跪きの姿勢で全人類の女王を、永遠の御父の御子の御母として誉め称えました。膝で歩み寄り、御母の御車に接吻しようとしましたが、御母は御手を引っ込め、その代わり、世界の救世主の御手を差し出し、言いました、「私の霊魂は主を喜び、崇めます。諸国民から、あなたたちを主は選び、あなたたちを招いて下さったからです。大勢の王たちや預言者たちには、人となられた永遠の御言葉である主に会うという望みが叶えられなかったのです。神の神秘を成し遂げられた主の御名を誉め讃え、主のおられるこの地を接吻しましょう。」 この御言葉を聞き、王たちは御子を伏し拝み、正義の太陽なる御子が闇を照らすために乗られた(マラキ4・2)時に生きていることを感謝しました甘聖ヨゼフに向かい、神の御母の夫に選ばれた幸運を祝いました。その後、エルサレムの宿舎に行き、自分たちの見聞きしたことを話し合いました。「神の全能の偉大さが世間に知られず、清貧の中に隠されている! この謙遜は人間には想像もできない! これを見る幸運を掴むため、あらゆる人たちが来るであろう!」 王たちは聖家族の貧乏ぶりを思い出し、贈り物を召使いたちに送らせました。これは自分たちの国から用意してきた物の他に、旅で買った物です。聖マリアと聖ヨゼフは贈り物をていねいに受け取り、王たちのために多くの霊的贈り物をしました。王たちからの贈り物は、貧乏人や訪問者たちに、聖マリアによって分配されることになりました。重たちはその晩は眠り、天使たちから別の道を通って帰国するように教えられました。

 翌朝、明け方、王たちは生誕の洞穴に戻り、平伏し、黄金、乳香と投薬を主に捧げました(マテオ2・11)。王たちは、神秘、信心、両親や善政の問題について御母に質問しました。御母は心の中で御子に相談し、上智の先生として王たちに教えました。教えの美しさに魅惑され、王たちはお側から離れたくありませんでしたが、天使が現れ、自国に戻る義務を諭しました。帰る前に、王たちは御母に宝石を差し上げようとしましたが、御母は、黄金、乳香と投薬だけを受け取ると言われ、王たちに、御子の産着を一枚づつ送りました。王たちは恭しく頂き、金と宝石の箱の中に収めました。産着から芳香が溢れ、約三マイル(約五キロ)四方に広がりましたが、不信心の人たちは唄げませんでした。産着はそれぞれの国で大奇跡を起こすことになります。

 なお、王たちは出発に先立ち、御母がお受け取りにならなかった贈り物の代わりに、家を建てたいと申し出ました。御母は聖なる王たちの厚意を感謝し、受け取りませんでした。出立に於て、王たちは御母に、自分たちのことを覚えてくださるようにお願いし、御母の御約束を頂きました。聖ヨゼフの御約束も頂きました。御子、御母と御養父の祝福を受け、王たちの心は全く溶け出し、洞穴の中に定着してしまったようでした。王たちは泣き、悲しみながら、聖家族を後にし、天使たちに教えられたように、他の道をとり、ヘロデ王に会わなくて済みました。

元后の御言葉

 私の娘よ、王たちの贈り物は素晴らしく、贈り物と一緒に捧げた愛情はもっと素晴らしいです。汝も同様の贈り物をするように。一番の贈り物は清賞です。この世の金持ちは、自分の兄弟である貧乏人にも、神にも、自分の持ち物を上げようとせず、独り占めしています。汝は、自分の生計に必要なものの一部を貧乏人に与えることができます。汝の絶え間ない献金は、愛であり黄金です。続けて祈ることは乳香です。労働と本当の自己放棄は投薬です。主に対する献げ物は、熱心に即座に捧げなさい。そのために、神の信仰と光がいつも汝の心を燃やし続けるように。

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