2001年冬 小樽と札幌 (2)


2: 宇宙飛行士・毛利衛 さんの町、余市へ

長万部からは、北斗星は海側を通って札幌へ行く。
だが私は、まだ乗ったことの無い、山側(羊蹄山・蝦夷富士側)を通る、通称「函館本線の山線」を使うことにした。

長万部から、ニセコ、倶知安を通って小樽まで行く路線だ。

ここで、名物「かにめし」を買う。駅から1分歩いた所にある「かなや」の直売店。
開店は朝の8:30だ。
ちなみに、駅の売店キオスクでは売っていない。直売店への道筋が、キオスクに書かれていた。

このキオスクのオバチャンだが、地元の人と談笑しており、ちょっとした町のアイドル的存在に思えた。

朝9時出発の列車だが、同じ番線に、1両の車両が2つも停まっている。
行き先はそれぞれ違うので、厳重な注意が必要だ。
車内でも、繰り返しアナウンスしていた。

汽車(北海道の人は、JRをこう呼ぶ)に揺られること3時間。
小樽郊外の、余市(よいち)という町に着く。

ここではまず、駅に近い物産店「かきざき」の2階食堂でウニ丼にありつこうと考えていたのだが、
2階は既に物置となっていたらしく、断念。
1階は海産物を買い求める地元住民で、ごった返していたのだが。

仕方なく、ニッカウヰスキー(なんで なんだ?)の余市工場(駅歩5分)に行くことにする。

 


↑ ニッカウヰスキー余市工場の入口。

 

ここでは、ウイスキーの試飲ができる。
が、相手は原液を出してくるので、水で薄めないととても飲めない。

ガイドつきの工場見学は、毎時00分と30分から。
それを待てない者でも、自由にうろつくことができる。

広い構内をうろつき(すごい静か)、そこで食事にする。

「レストラン たる」

という名前の食堂。なかなか味は良かった。ワイングラスがついて1,300円ほど。

酔っ払いながら見学を終え、千鳥足で駅へ向かう(嘘)。
小樽行きの列車は行ってしまっていて、つぎは1時間後らしいのでバスを使う。バスはちょうど来た。

バスで30分ほど、小樽駅に到着。

 

3: もっとも12月の似合う街、小樽へ

駅に着いて、まずホテルにチェックイン。
小樽で最も評判の良い、「オーセントホテル小樽」。

常に入口付近にベルボーイ(荷物持ち)が常備されており、明るく応対する。
航空会社でいえば、全日空といったところか。

明るいのはいいのだが、通された部屋は眺望最悪で、
「おたるしんくみ」
と書かれた建造物の壁(立体駐車場?)しか見えなかった。

インターネットで、6,000円(サービス料込)という格安で取ったので、文句は言えない。
もっとも、この値段でも事前にお願いすれば、眺めのよい部屋をアサインしてくれるらしいが。

このホテル、眺望はともかく、たしかに使い勝手は良かった。詳細は後ほど。

荷物を置いて、市街へ繰り出す。
実は、小樽は3年前の冬にも行ったことがある。

【06】 1998年12月、突発!道南への一人旅 (OLD) 、に載っているのが、それである。

ただ、そのときは運河しか見ていないし、北一ガラスはさらに1km先ということで断念した。
今回、徒歩ではなく、おたる散策バス「ろまん号」を使用した。

小樽駅から、いろいろな観光地を経由する市内散策バス。
乗っているだけでも楽しく、おすすめ。

 


↑ 小樽市内散策バス「ろまん号」の車内。

 

横浜よりも、ずっと古い建物の比率が高いので、まさしく「ろまん号」と呼ばれるにふさわしい路線だ。

で、この「ろまん号」(ちょうどレトロバスが来た。千葉のチーバスみたいなもの)で北一ガラスへ。

ただ、北海道のバスは、相当揺れる。
路面に雪があるおかげで、震度6か7はあるんじゃないかってほどに揺れる。
ギャグではなく、下手すると壁に頭を打ちつけかねない。

北一ガラス前に到着。で、いくつかある内のひとつの店へ。

ここがすごく綺麗。

店内はウッド調になっていて、ガラス製の作品が燦然と輝く。
そして、店内放送のお姉さんの声が優雅で、いい雰囲気を作り出していた。

なんとも表現しにくいが、観光土産店にありがちな
「ヘイイラッシャイイラッシャイ、イラッシャイヨー」

という感じではなく、

「皆さま、、本日は、、北一硝子に、、お越し下さいまして、、ありがとうございます、、」

と、ゆっくり話す。
なかなか店の感じとマッチしていた。

いくつか買って(あんまり買うとカバンがパンクする)、次のオルゴール堂へ(徒歩3分)。

ここも、また綺麗。
ケヤキ造りの室内は、高さ10mほどはあろう吹き抜けに、さまざまな電球が飾られて、
いろんな販売用オルゴールがジャンジャンと鳴る。

ここは、土産を買うというよりは、入って雰囲気を楽しむべきところだと思う。
#こんなこと言うと店に殴られそうだが、、

どちらの建物も、ロマンチックである。
で、この付近にある交差点(メルヘン交差点と呼ぶ)も、また綺麗だ。

 


↑ メルヘン交差点付近の道路。

その付近の北ーヴェネツィア美術館をちょっと見て、バスで小樽へ戻ろうとした。
だが、ちょうどレトロバスが行ってしまった後(普通のバスなら15分おきに来るが)だったので、
ここから歩いて運河へ行ってみることにした。

3年前に歩くのを断念した、1kmの道のりを逆に進むことに。
この時は雪も降っておらず(でも暴風雪警報が出ていたらしい)、歩行もさほど困難ではなかった。
意外とあっという間に着いた。

運河の建物の横に「びっくりドンキー」なる店が付着していたので、若干景観を損ねた感はある
が、風格は衰えていなかった。

 


↑ 小樽運河。ちょっとブレたか やや、光をぼかして撮影してみた。

 

写真に収め、ホテルへ戻る。
その途中でも、こんな建物が。


↑ 日銀の小樽支店(って、まだあったんだっけ?)

 

ホテルへ戻る。
ホテルでの楽しみは、そう、

地元の番組。

特に夕方は、どの局も地元特化型の番組をやるので、なかなか面白い。
北海道ローカルの番組は、どことなくアットホームな感じがする。
これは、地元の人全般に言えることだが、東京の人のように殺伐としたところがない。

今回、あまり番組を見る時間がなく、ここで伝えることができないのが残念だ。
ただ、どっかの局の道内天気予報が、パワーアップしていた。

去年、つまり2000年・冬の稚内旅行記で、
「北海道の雪マークは2種類ある」
と書いた。「普通の雪ダルマ」と、吹雪を表す「傾いた雪ダルマ(口の形は8次曲線)」の2つ。

今回パワーアップしたのは、吹雪を表すマークのほう。
どうなったのかと言えば、垂直に立った雪ダルマと、傾いた雪ダルマとが、
ネットでよく見かけるGIFアニメーションのように、交互に表示されるようになっていた!!

これはすごい進歩であった。さすが吹雪。(?)

夕飯の時間となる。
近くに寿司屋通りなどがあったが、6時前でどうも閑散としていたので気味が悪く、
コンビニで調達した。

このホテルは大浴場があって、部屋のバスを作るのに手間取る心配がない。
これは便利だった。

 

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