2003年1月 東京砂漠、伊豆大島 (2)
3: いきなり困った
空港に降り立って、まずは土産物屋で飲み物を買って、あとは観光案内所で地図の書かれた観光パンフレットをもらわなくてはならない。
ガイドブックなど買っていないので、地図はどうしても必要だった。滑走路から、歩いて空港ロビーの建物内に入る。あれ?
何も無い。
あるのはただ、航空会社のカウンターのみ。
観光案内所はおろか、売店の一つもない。
困った。仕方がないので、島で一番栄えている(と思われる)港に出てみることにした。
ちょうど、元町港フェリーターミナル行きのバスがあったので乗る。
飛行機の乗客は40人くらいいたが、路線バスに乗ったのは自分だけ。
なんで?午前9時10分。元町港到着。
大島への交通機関は、主として船だ。
だから、船のターミナルに行けば、ガイドブックなど腐るほどあろう。
ターミナルの建物に入る。
お。ありました。観光案内所・・・
閉まってるぅ!
落胆しているところに、地元の人々の声が。
土産物店の人たちが、店を開けに来たようだ。「おはよお」
「あ、おはようございまーす」お前らが店開けたって意味ないんだよね(^^)ノ
だが、それと同時に船のチケット売り場も開いた。
そこには、「コースガイド」と呼ばれる冊子が積んであった。なんだゴルフ場かよ、、
と思いつつ、見てみたらそれがガイドブックだった。
「まぎらわしい名前つけるんじゃねえ。」
自動販売機でペットボトルを2本買って、いざ三原山へ。
バス乗り場でバスを待つ。来ない。
よく見てみたら、三原山へ行くバスは別の港からの出発だった。
もうバスは当分来ない。
仕方なく、タクシーを拾うことにする。余談であるが、ここ伊豆大島にはコンビニが全くないそうだ。
自動販売機か、個人商店で調達するしかない。東京から100kmしか離れていないのに、だ。
4: タクシーで三原山へ
港の前で、2台のタクシーが待っていた。
タクシーの前まで歩いたが、ドアが開かない。
運転手は、タクシーの中で寝ていたようだ。
これでも一応東京都である。基本的に、この日の自分はあまり人としゃべりたくない気分だったが(笑)、運転手が積極的に話しかけてきてくれたので、自分もいろいろと話した。
まずは、お決まりの天気&温度の話題から。
運 「今日は寒いねえ」
私 「いやあ、でもここは、東京に比べたら寒くないんじゃないですか?」
運 「いやあ、寒かったよ。今朝は7時からあそこ(港の前)に並んでたんだけどさあ、、」7時から並んでも、客を乗せて走り出すのは9時半。
これでは、居眠りするのも無理はない。運転手氏、お次は伊豆大島の名物、椿(つばき)に話題を移す。
だが、花には全くといっていいほど関心のないこの自分に、椿の話題を振ること自体が無謀であったのだ。
私は伊豆大島の名物が椿とは知らないどころか、椿が冬の花ということすら知らなかった。(知らなすぎ?)もちろん、どんな花が咲くのか、どんな色なのか。そんな知識(常識)は持っていない。
あ、もちろん「つばき」って名前は知ってますよ。あー花の名前ね、って感じで。運転手氏も、私のこの無知を察してか、この話題は1分ともつことなく、終了した。
おつぎは、なぜだか雪の話題。
前日、関東一円は快晴であったが、大島ではなぜか雪が降ったそうだ。「いやあ、昨日はもっと雪がすごかったんだよ。今は積もってないけどさ。チェーンなんか30年前に買ったっきりで、1度もはめたこと無いんだよね。もう忘れちゃってさ。ハッハッハ。そもそも大島では雪が降ると通行止めになるから、チェーンをする機会がないのさ−−−」
なるほど。
てか、まだ着かないかね〜?
おやおや、メーターが3,000円いっちゃったよ。どうするよ。(笑)お次は、自分から三原山の話題を切り出した。
実は、三原山の裏側は、大砂漠地帯になっていて、そこに行く遊歩道もついているようだ。
普通の登山道から分岐して、さらに3.5kmくらいのルートらしい。
ただ、このルートはかなり危険らしく、霧が出たら生きて帰れないルートだ、ということを事前のネット情報で仕入れていた。それを詳しく聞きたかった。まず運転手氏、三原山の噴火の様子について語られた。
運 「1986年11月○△日、山頂で噴火して△?日になったら中腹の割れ目からも噴火が起きてね、、我々は東京に避難したんだよ。1ヶ月間ね」
私 「ああ、、でも1ヶ月で済んだんですかぁ (三宅島に比べれば短いですね^^;)」
運 「いや大変だったよ。この島ではね、町が違うと人の性格からなにから全部違ってくるわけ。その人たちが、一緒になって避難所で暮らしたもんだから、ケンカが絶えなかった」
そして、話は三原山の登山道のうちの一つ、「裏砂漠ルート」についての話に。
霧での行方不明事件は、本当にあったそうだ。そりゃ確かに、砂漠の中で霧が発生したら、GPSがあっても居場所が分からなくなろう。ただ、
運 「今日は天気がいいから、絶好のコンディションだよー」
この一言で、私は裏砂漠ルート行きを決めた。