6: 熊本・熊本城
熊本駅に降り立つ。私にとれば、初めて北緯33度より南に来たことになる。とにかく「頑固な人間、古い考えを持つ人間の集まり」のイメージ色濃いので、駅も古いものかと思っていたが、なぜか新しいものであり、しかも横文字で KUMAMOTO STATION と書いてあったのが意外であった。 駅から路面電車に乗って、約6個目の電停が「熊本城前」らしい。初乗り運賃は確か 130円であり、熊本城までも 150円くらいだったと思う。ありがたい値段だ。
市電に乗り込んだ。市電の行先表示が「健軍町」。さすが、といった感じである(^^; 最近ここに床の低い新型車両が出来たらしいが、それらしき市電は見当たらず、どの電車もゴーゴー音を立ててすれ違っていく。 路面電車は、どこでもそうだが網棚が無い。片手にカバンを、片手に整理券と小銭を持つと、吊革につかまれない。困ったものだ。
熊本城。日本三名城の一つである。その肩書きに恥じず壮大で壮麗であった。特に、同行した城マニアが感激していた。「今まで来た中で、一番いい」のだそうだ。小西行長が建て、細川家代々が受け継いできたと書いてある。電車の中で、隣のおばさんが 「熊本城は、道が曲がっていて、敵がまっすぐ侵入できないようになっててね。 あと西南の役(西南戦争)の時に大砲が石垣に開けた穴も見えるよ」とおっしゃっていた通り、道はクランク状に曲がっている。石垣の穴は確認できなかったが。車内での会話の時も、城の説明を見ている時もそうだが、日本史をやっておいて良かったと思う一瞬であった。受験で積み上げた半ばマニア知識も、無駄にはならないということか。
まずは、建立当時の姿を残している「やぐら」のような建築物に登ってみる。スリッパに履き替えさせられる。{素足でのスリッパはご遠慮下さい}という注意書きもあった。水虫対策か?(^^; 内部は、さすが昔のままであり、蛍光灯もなければコンセントもない。もちろん「セコム」もない。消火栓はあったが、友人は「仕方ないでしょう」と言っていた。「やぐら」にもかかわらず5階もあり、中津城の天守閣といい勝負であった(^^; この屋上からの眺めは良かった。(悪かったら意味がないけど)
次は、天守閣に登ってみる。時間が迫っているので急いで登る。城の中に入ると、デパートみたいな「各階案内図」があり、まるで新装した美術館のような内装であった。当然「城」のイメージはどこにもない。どの階にも、展示品やら説明やらが所せましと並べられている。4階まで行くと、さすがにネタが尽きたのか展示品が全く無かったが、最上階からの眺めは、例によって良かった。「城」に登りたがる人は、歴史に触れたい人、登山を手軽に味わいたい人、そして私のようなミーハーに大別される。
気がついたら、特急の発車時間まで残り20分となっている。これに乗り遅れたら、待ち合わせ時間まで2時間ありながら早々に遅刻が決定的となる情けない状況に立たされる。さすがにそれは寒いので、急いで市電に乗る。道が混雑中(^^; 2分前に駅に到着し、文字通り特急に「飛び乗」った。