YUTAKA OHNO, Forever... (3)


5. 試合開始

試合開始は午後1時半。その前に、先発投手が発表される。大方の予想は今季14勝を挙げているミンチーだったろうが、なんと「黒田」。今季未勝利の2年目、2年目のジンクスにまんまとかかった黒田が先発である。当然、反応も悪い(^^; 肝心の大野は、さすがに先発ではなかったようだ。「中継ぎで一人限定の登板」となりそう。

そんな中、隣りに座るUさんが 「大野さんと正田さんと高さんに何か書いて」と手帳を手渡して下さった。この3人は、今年でカープを引退しコーチとなる3人である。こういう些細な企画は、実に嬉しいものだ。ちなみに、これは後日、球場係員を通して渡されたそうである。

1回表。先発黒田が、いきなり4連続でボールを投げる。フォアボールである。あ〜あ、といった感じが球場に漂う。一方、レフトポール際に陣取った横浜ファンは盛り上がる。その横浜ファンの数も半端ではなかった。羽田からの飛行機でも横浜のメガホンをもっている人を見かけたが、全国各地から押し寄せた横浜ファンは、通常の約3倍。普段は外野にすら入れず、内野自由席で50人ほどが応援していた時もあったのだが。。

しかし、ここから黒田は別人となり、1回をゼロに抑えてしまう。そして、その裏、いきなり苫篠のホームラン。カープ先制。カープの先制を生で見るのは、何年ぶりだろう(笑)

黒田は完全に立ち直り、横浜をゼロに抑えていく。その中で4回には、緒方にもホームランが出て、黒田の併殺崩れの間にも加点し、なんと 3対0 となった。首位相手に予想外の展開。こんな展開を予想外だと感じる私も情けない。

ところで、球場には様々な名物がある。ヤジもその一つであろう。広島でも例外ではなく、たまにヤジが出る。この日も、多少のヤジが出た。しかし、消化試合ということもあって、真剣なヤジはあまり聞かれなかった。 心配された天気は、家を出る前には降水確率70%と予報されていたのが、いつしか雲の間から日が差すようになった。気温も上昇し、まるで夏日のようになった。そこにきて、後方のファンからレフトの守備位置についていた横浜・佐伯選手に、「佐伯、暑い!」 との意味不明なヤジが飛んだ。 暑いのは野手の所為なのか(笑)

5回に入り、ペットボトルの水が底をつく。近くに出入り口があったので、そこに行ってジュースを買う。球場のジュースは200円だが、躊躇せず買う。(球場への奉仕^^;) オバチャンの愛想もよく、「ここ(値段が)高いけぇね」 と苦笑いしていた。

横浜が1点を取り、なんとなく横浜の追い上げムードが漂っているうちに、7回まで来た。恒例のジェット風船。満員の試合でのジェット風船は、迫力満点。

↑ あたり一面のジェット風船。これでも消化試合。
あたかも優勝決定ゲームのような雰囲気であった。

↑ ジェット風船が乱れ飛ぶ。
右下端の顔は、人間ではなくマスコット型メガホンの一部。

7回表を終わって黒田に代打が出される。黒田、7回を1失点。すばらしすぎる出来である。

この時、代打に指名されたのは2日後に引退試合を控えている正田であった。

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