2001年夏 北海道東部写真集 (3)


3: 3日目

3日目に突入。

 

相変わらず、意味不明なルートである。

これでも、旅行前に練りに練って、しかも前日の晩、練りに練り直して
出た結論である。

特に3日目なんか、「なんだこりゃ」という感じであるが、3日目が実はメインだったり
するのだ。

 

さて、3日目。

釧路から、早朝のJR各駅停車で根室へ。

この路線の車窓ハイライトは、厚岸〜糸魚沢の間の、色丹島チックな入り江だ。
この路線では、進行方向向かって右側に座ることをお勧めしたい。

しかし、来た車両は例によって、窓の間隔とシートの間隔が、、のやつと同型であり、
おまけに席の半分が逆方向を向いているという、集団お見合い式の席配置。

意味ねえ。

車窓を見てみるが、私は左側に座ってしまったこともあり、また車窓も、日ごろ海の近くに
住む私にとって、それほど新鮮に映らなかった。あくまでも自分は、だが。

途中、いくつかの駅を過ぎる。
無人駅だが、なぜか駅舎にイヌ(=駅長?)がつながれているなど、謎な駅もあった。

列車は厚床(アットコ)まで来た。根室まであと40分。単線なので、ここで列車すれ違い
のための停車。しかし、

対向車故障。

しかも、対向車はSLで、試運転中に壊れたとのことらしい。例によって、復旧のメドが立たぬと
スピーカーのように繰り返す。

しかし、もっとアホなのは、代行バスであった。

 

お前カネ取る気か!!

 

なんと、臨時代行バスの分際で、正規料金を払えというのである。根室まで1,100円余り。
しかも、皆そろいも揃って、駅事務室で金を払い始めている。

しかし、その前に列車が動くということなので、そっちへ乗り込む。

しかし、過失100%なのはJRのほうである。さらに追加料金を払えとは、
いったいどういう魂胆であろうか。関東人としては、少なくとも納得いくものではない。

列車は30分遅れで、根室到着。

結局、壊れたというSLは根室に引き返されており、駅で幼稚園児の喝采を受けている
ところであった。

 

ところで前日に、これまでこの旅行記の写真の大半を担当したコンパクトカメラ様が、
耐用年数を大幅に上回る活躍の末、お壊れあそばされた。

というわけで、これから先は「映るんデス」を使用している。

列車が遅れたので、根室駅発、中標津空港行きの連絡バスにギリギリ間に合った。

別に、東京に帰るわけではない。

根室から中標津市街へは、この空港連絡バスしかないのである。

このバス、地図帳で見てもあきらかに辺鄙な、根釧台地を通る。
小学校かなんかで、「パイロットファーム」「サイロ」などと習った、あれである。

根室駅で、バスの最前列をゲットした。カメラ構えて、いざ出発だ。


↑ バス車中から。このへんは、何kmにもわたって直線道路が続く。
周囲には酪農地帯が。

地図でみても、明らかな直線で示される道路群は、まことに圧巻である。

が、調子に乗ってスピードを上げると、鹿をはねることになるので気をつけたい。

根室から2時間。中標津(なかしべつ)という、根釧台地ド真ん中の集落に着いた。

ここでのお目当ては、なんといっても開陽台展望台!

と、

そこへ向かう道路

 

中標津空港でバスを降り、他の人が真っ先に搭乗カウンターへ行くのを尻目に
私は観光案内所で、パンフレットを取りまくる。

しかし、中標津という町は、公共交通機関がない。
いや、町内循環バスというものがあるにはあるが、
インターネットはおろか、道内時刻表にも、その記載が無い。

というわけで、タクシーに乗る。
レンタカーでもいいのだが、往復25km程度だから、タクシーのほうが若干は安くつくと思い
到着ロビーのタクシーへ。なんと運転手は、オバチャンであった。

「あれっ?もう飛行機着いたの?」

という運転手の第一声。さすがに、飛行機の時間を熟知しているようだ。

行き先を告げる。「北19号線(道路名)までお願いします」

怪訝そうな顔をされるかと思ったが、さすがに観光名所のようで、驚かれなかった。
ここで、雨が降ってきた。雨といっても、しとしとと降る程度ではあったが。

 


↑ 北19号線。

これを見た後、オバチャンに

「ここまで来たんだから、開陽台行きなさいよー」と促される。

こいつも商売人だなー、と思ったが、本当にすぐそこのようなので、お願いする。
私としては、北19号線を見ればもう満足なのだが、

まあ、行ってよかったが。。


↑ 若者ライダーあこがれの地、開陽台。


↑ そこからの眺め。曇っているのが残念であった。
晴れた日には、国後島が見えるらしい。

実は、カバンをタクシーに置いたまま出てきてしまったので、
タクシー料金を水増しされていないか、だとか、
カバンの中から航空券やらお札やらが抜き取られていないか、だとか
心配しまくっていた。

人のいいオバチャン風だとはいえ、油断は禁物である。

タクシーに帰る。料金は上がっていなかった。

急いで航空券やら財布やらをチェックするが(こんなときにチェックしても遅いのだが)
どうやら大丈夫らしい。杞憂だった。

その後、オバチャン(運転手)が、

「帰りは、26線(道路名)を通っていくといいよ。これはミルクロードと呼ばれている云々」

という。まあ特段回り道ではないので、喜んでお願いする。


↑ 26線(別名・ミルクロード)。周辺は酪農地帯。

 

この写真で見ると、さほどではないが、晴れた日の写真をみると、それはもう圧巻だ。

インターネットで検索すれば、いくらでも出てくることだろう。

現に、旅行前日に初めて「北19号線」の写真を見つけて感動し、
急きょ、旅行プランを書き換えたほどだ。

それからの帰り道は、オバチャンと中標津について語る。

「中標津は治安がいい。年に1回しか犯罪が・・・」

というが、あの小さな町で年1回犯罪が起きるほうが、はるかに恐いような
気がするが・・・。

それにしても、中標津は北海道の大自然が味わえる町だと思う。

これ以外にも、酪農の体験、牧場ミルクの販売、温泉、など、レンタカーさえ
あれば、かなり満喫できると思う。

今度、無料航空券で北海道に行くなら、中標津キックターンというのもいいかもしれない。

中標津空港は羽田からの直通便もあるが、ANA系列の飛行機しか来ない。

 

バスセンターで降ろしてもらい、近くの公民館チックな所で昼飯後、羅臼から来ている
釧路行きのバスで、釧路へ帰る。

さて、ページもかなり長くなったが、1日1ページにするので、もう少し。。

 

中標津から釧路行きのバスは、最前列が取れなかった。

この路線も、10km以上の直線道路が2箇所もある絶景なのだが、3列目の席で我慢した。

 

釧路到着。まだ日が高いので、市内散策。


↑ 駅から1kmほどの所にある、幣舞橋(ぬさまいばし)。
日銀の釧路支店がある。
左側の大きな建物は、釧路フィッシャーマンズワーフ(MOO)。

海産物などを売っている所だ。


↑ 市内の大通り。上が気温、下が路面の温度。

釧路は、日本の都市の中でも段違いに肌寒い。
うらやましいといえば、うらやましいのだが、暑さがない分、物足りないような気もする。

今日はこれで終了。ホテルに戻る。

 

最終ページへ