2001年夏 北海道東部写真集 (4)


4: 4日目

そんなこんなで、ついに最終日である。

この日は、(地図に書き忘れたが)釧路湿原展望台に行き、阿寒湖を見て、それで
おしまいである。帰りは、夜7時発の羽田行き。

しかし、北海道、バスだけしか使わないと、本当に行動が制約される。

列車など、もう論外である。都市間の移動にしても、バスのほうが安いし便利だ。

やはり、北海道ではレンタカーが一番であろう。
シーズン中(7月、8月)は、値段を高くふっかけられるが、仕方がないか。

 

早朝、各駅停車の網走ゆきJRに乗る。3つめの「釧路湿原」駅で下車。

この駅での滞在時間は22分。逃すと、3時間以上列車を待たねばならない。

駅から500mほど登ると、釧路湿原細岡展望台、というのがある。


↑ 細岡展望台。曇っているが、釧路川や湿原がよく見える。

3分ほど鑑賞し、急いで引き返す。

駅に戻ると、構内の売店の人が「中を見ていってくれ」という。
丁重にお辞儀して、無視した

線路、駅などの撮影をする。本当に何もないところで、3時間待たされたら
どうなったことだろうと思うと、ぞっとする。

定刻に釧路行きが来て、めでたく帰還(?)。

ここで荷物を持って、釧路空港へ。
そこで荷物をコインロッカーに入れ、ついでに航空券のチェックインを済ます。

思えば、旅行前、JAS無料航空券センターに電話して、あれほど「窓側」と
言ったのに、行き・帰りとも通路側とはどういう事か。

行きは機内で勉強していたので構わないが、帰りはじっくり車窓を見ようと、朝っぱらから
釧路空港に寄って、窓側の席を取ろうとしていたのに、だ。

いくら無料航空券の客とはいえ、このまま手をこまねいているわけにはいかない。

既に通路側で予約を入れられてしまっていたが、かけあった結果、窓側にめでたく
変更となった。

しかし、窓側希望の私に、あえて通路側をリザーブしたJAS予約センターとは一体・・・。

 

とにかく安心して、空港からバスで阿寒湖へ。

阿寒湖は、阿寒国立公園の奥地にあり、たしかに秘境なのだが、あまりにも俗化が
激しかった。ホテルは林立し、沿岸はボートだらけだ。

観光船も凄まじかった。一般(90分一周;1,620円)コースに加え、
高速船(55分一周;2,200円)もあり、さらにモーターボート(ウン千円)まであった。

私は、時間が無いので高速船を使う。

一般船のほうは、客が50名以上。高速船は、こぎれいな船であったが、客は5名

ところで、阿寒湖といえば「まりも」である。

「まりも」は、今や阿寒湖の、奥地のほうの立入禁止区域に残存するのみになって
しまった。

では、我々は阿寒湖まで来て、実物の「まりも」を見ることができないのか?

答えはイエスである。しかし、、、

船に乗れば、湖底の固定カメラからの「まりも生中継」が見られる(アホらし)

しかも、この船、阿寒湖の中にある小島に立ち寄る。
この島には、「まりも博物館」なるものがあり、展示用まりもが展示されている。

あくまでも「展示用」らしい。

展示用と、本物とは違うものなんだろうか???


↑ 観光船が必ず立ち寄る、湖内の島、チュウルイ(忠類?虫類?)島。


↑ チュウルイ島の全景。左側に、(のろいほうの)観光船が停泊している。

チュウルイ島に降り立つと、「何時何分までに戻ってきてくれ」と指示を受ける。

戻らない客がいたら、どうするんだろう。全員チュウルイ島に監禁か?(笑)

 

そんなこんなで(?)、船旅を終える。

ちなみに、船旅が終盤に近づくと、「まりもの唄」なるものがスピーカーで流れる。
だがこれを聞くと、悲しくなってくる。(笑)

悲しい曲調になっているというのも、「まりも伝説」というものがあるからだろう。

『アイヌのある勇敢な男が、ある女と恋に落ちました。
しかし(詳しくは忘れた)、女は阿寒湖に身を投げ、二度と帰ってきませんでした。
それからというもの、まあるい「まりも」が、阿寒湖で観測されるようになったのです。』

ううっ(涙)

 

桟橋に戻る。

本当は、ここから30分ほど離れた「オンネトー」という湖にも行きたかったのだが、
バスが1日3本じゃ、しょうがない。

仕方ないので、みやげ物屋を見て回る。

アイヌ民族の土産を売る「アイヌコタン」。

けっこう感じが出ていて趣深いのだが、なんとも客がいない。かわいそうだ。

そして、普通の土産物屋。

販売しているのは、まりもばっかし。よく見る文句は

「水道水で育つ!まりも1個500円」

ってお前、それまりもじゃねえよ。

なんだそれ。昔流行した「ムニュムニュ」(1個1,800円)の類似品か?

 

しかし、阿寒湖温泉街は広く、バスターミナルの場所を探すのに苦労した。

やっとの思いで見つけると、釧路空港方面行きのバスがちょうど信号にかかる
ところであった。

無理だろうなと思いつつ手をあげてみたら、乗せてくれた。

乗客「兄ちゃん良かったなー、間に合わなかったら、次は何分後だ?」

運転手「2時間後になりますね」

実際は、40分後にもバスはあるし、飛行機の時間までは数時間あるので
あわてることもなかったが。

しかし、なんだか観光地化はなはだしい、といった感じだった。
湖それ自体は、なかなかきれいなんですが。

阿寒湖に秘境さを求めるのは、無理難題である。
北海道の東部には、ほかにも裏摩周、オンネトー、神の子池、シュンクシタカラ湖など
秘境がいっぱいであるが、レンタカーでないと行くことができない。

途中、ある集落で高校生が大量に乗り、携帯のメロディ音が絶えなかった。

そして夕方、釧路空港に到着。ここで、遅い昼飯。

土産物を買い、3階の椅子で2時間ほど勉強し、一路東京へ。

日ごろの行いのせいか、後半は天候には恵まれなかったが、
北海道の東のほう(特に釧路)は本当に涼しい。

それに、北海道の大自然が味わえるのも、やっぱり道東のほうではないかと思う。

道東はなかなか奥が深い。4日あっても、その10%も回ることができない。

 

だが、確実にいえることが一つある。

 

もし、新婚旅行などでカップルが、私と全く同じルートを通ったとすると、

成田離婚ならぬ、羽田離婚の実現性「ほぼ確実」、といえるだろう。

 

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