アメリカ東部 訪問記 (6)


11: 7月28日: 夜でも面白いぞニューヨーク

ニューヨークでの宿は、ニューヨーク・ヒルトン。超高級ではないが、知名度が高く、よくネタにされるらしい。建物自体は35階くらいあるが、我々の部屋は6階であった。6階ではあるが、さすがに部屋は広い。エレベータ内には液晶テレビ画面があって CNN を放送していた。

部屋に戻って、すぐまた外出。日本食レストランへ。着物姿の人が出迎えてくれる。髪型が着物と不相応な(ご想像にお任せします)人もあったが、そんな人でもサービスは良く、ミュージカルの劇場への行き方も丁寧に教えてくれた。
ちなみに、ツアー同行者の話では、同じ日本食でも、日本語が全く通じず、メニューが日本語ではない日本食レストランもあるようだ。(笑)

日本食も、中華でも、箸が出る。そして、箸の使い方が英語で書かれていた。 説明の最後には、" Now you can pick up everything !! " だって。。

大急ぎで食べて、オペラ座の怪人をやっている Majestic Theater へと向かう。
ところで、整然としているニューヨークの道にも、一本だけ斜めに走っている道がある。
それが Broadway という通りで、よくブロードウエイ・ミュージカルというが、この通り沿いに劇場が多いのでそう言うらしい。

日本食レストランを出たのが7時半で、劇場の開演が8時。レストランのある57丁目から、一気に44丁目まで南下しなくてはいけない。劇場に着いた頃には汗だくであった。

劇場(とはいっても、町はずれの劇場くらいの規模)の客は、紳士的な顔立ちが多かった。肝心の劇は、さすがに主役から脇役に至るまで演技がきめ細かく、本物のオーケストラなどもあって面白かった。ただ、全部英語なのであらすじが分からず、意味不明なまま終了(汗)。

終わったのが午後10時半。これから、夜のニューヨークを 1kmほど歩かなくてはいけない。地下鉄もあるが、こんな深夜ではかえって危ないし、みんながタクシーを使おうとするから、タクシーはまずつかまらない。近くにある劇場はすべて、ほぼ同じ時刻に終わるから、周辺は大混雑する。

途中タイムズ・スクエアと呼ばれる繁華街を歩いていると、ミュージシャンが音楽を奏でており、観客がそれを聴いている、といった光景が所々で見られた。治安はそれほど悪くはないようだ。ただ、途中でいきなり雨が降り出し、北のほうで稲妻が光った。大急ぎでホテルへ戻る。

ホテルで風呂に入った後、なんとドライヤーがないことに気付いた。仕方がないので自然乾燥に任せ、タオルでくるんだり手で覆ったりして乾かす。こんなホテルのどこが名門なんだよっ!! と本気で思ったが、翌朝清掃の人に聞いてみると、鏡になっているキャビネットを開けると、その中にドライヤーが入っていた。これで今日も頭が洗える。とにかく、
鏡とキャビネットを一緒にするなっっ!

朝はお決まりのバイキング。とりあえず席に座り、「Coffee or tea?」(コーヒーか紅茶か) と聞かれたら答えて、それから食べ物を取りに行く。中には、tea を選択しただけで実に 8種類ものティーバッグを提示してきた所もあった。どれが普通の紅茶なんだか分からないのですが…。

 

12: 7月29日: 高いとこ巡り

午前中は高い所巡り、別名エレベーター巡りツアー(といっても2ヶ所)。まずは第1弾、エンパイア・ステートビル(443m)。6ドルのチケットを買って、いったんエレベータで80階へ行く。このエレベータは、ちょっといい加減で階数表示が10階毎にしか変わらない。つまり、20と表示された次は 30と表示される。

80階から、乗り継ぎエレベータで86階へ。ここが第一展望台。外にも出ることができる。

↑ エンパイア・ステートビル86階からの眺め。
高さは推定 350メートルくらい。

おみやげショップなどもあった。ここには 102階への第二展望台行きエレベータもあるが、この時は102階がクローズされていて、使えなかった。というより、普段からほとんど閉まっているらしい。

エンパイアステートビルは、長い間「世界一」の高さを誇ってきたが、今となっては後述の世界貿易センタービル( World Trade Center )や、シカゴのシアーズタワーなどに抜かされて世界一ではない。しかも、付近には似たような建物が多く、どれがエンパイアビルなのかすら分からなくなっている始末だ。
とはいえ、このエンパイア・ステートビル、知名度はかなりのもので、たまに映画で怪獣に登られたりするそうである。このビルが完成したのは 1931年、世界大恐慌の最中。よく作ったな。。


このビルに行くにも、次の貿易センタービルに行くにも、地下鉄を使った。ということで、地下鉄についても触れてみます。

昔は落書きと犯罪のメッカだったニューヨーク地下鉄も、今は落書きが消せる日本製の車両と、ニューヨーク警察の努力によって、悪いイメージは払拭されてきたようだ。(でもやっぱり夜は危ないそうだ

地下鉄に乗るには、トークンと呼ばれる硬貨(=切符の代わり)を窓口で買う。日本でいう自動券売機のような機械はほとんどなく、窓口に行かないと切符が買えない。 それでも窓口が混まないのは、みんな回数券カードを使っているからだ。 Fun Pass という1日乗車券もあるが、ごく限られた店(マンハッタンの中にたった数箇所)でしか売っていない。それ以前に、まず駅には置いていない。売る気まるでなし。我々は1日乗車券を買おうとしたが、どこにいっても首を振られ、ある駅で訊いたら窓口の人が怒った。(なんで怒るんだ?)

乗車券トークンは、1ドル50セント。約180円。これさえ買えば、1駅乗っても、いくら1日じゅう地下鉄を乗り回していても、ジョン・F・ケネディ国際空港の近くまで足を伸ばそうとも、改札を出さえしなければ、行けてしまう。非常に安い。 改札では、トークンを入れた後に、回転バーを回して入る。

電車の中は冷房完備。だが、駅の構内は空調が効いていないので、夏は暑い。構造が古いので、駅にまでは、なかなか導入できないとのことらしい。そして、電車はほとんどが24時間、休むことなく走っている。昼間はほぼ5〜10分間隔で、深夜は30分に1本ペースだそうだが、運行ダイヤ通りには走らない。日本とはちがう。

マンハッタン島の主な駅は、2大ターミナルの Grand Central (42丁目) と、 Penn. Station (34丁目)であり、これは東京でいう東京駅・上野駅のような存在。Penn. Station の地上には、マディソンスクエア・ガーデンという NBAと NHLの会場がある。 地下鉄には「急行」というのがあるそうだが、私は一度も見なかった。この急行というのが謎で、なぜか治安の悪いハーレムの125丁目には全急行が停まる(一部除く)。

地下鉄の話はこの辺にして、第2の目標、 世界貿易センタービル、いわゆるツインタワーに行ってみることにした。最寄り駅は、南のほうにある Chambers Street 駅である。

世界貿易センタービルは6棟の建物で構成されていて、うち4棟は普通の建物だが、残りの2棟( 1ビル と2ビル )は、共に世界屈指の高さ(442m)。440mの高さのビルが2棟並んでいるのは圧巻。ちなみに、1ビルと 2ビルの違いは、屋上にアンテナがあるかどうか。アンテナのあるほうが1ビルであり、展望台があるのは 2ビルのほうである。

↑ 世界貿易センタービル(1ビル)

展望台への登りかたであるが、駅と直結しているので分かりやすい。駅から [ World Trade Center 2 ] と書かれた方に進み、 [ Top of the World ] と書かれた展望台入口を探せばよい。かつて爆破事件があったらしく、念のために荷物検査がある(エンパイアビルでもあった)。入場料は大人12ドル50セントであり、入場の証として、手にスタンプを押される。

エレベータは、エンパイアビルに比べれば新しく、階数表示も小刻みである。1階から、この直行エレベータで107階(!)まで上がる。降りると、そこが展望フロアになっているが、ここは窓で閉ざされているので、外には出られない。

しかし、この107階からも、さらに乗り継ぎエスカレータが出ており、これで110階(屋上!)に行くことができる。屋上は柵があるだけで、開放されていた。

↑ (左) 107階展望台からの窓越しの眺望
(右) 110階・屋上から、北方向を望む(左の建物は、貿易センター 1ビル)

↑ 107階から下を見下ろす。左は貿易センター 1ビル。
ちょっと見にくいが下は広場であり、人々が昼食を食べて、くつろいでいる。

ひとまずここを降りて、高層ビルツアー、終了。 昼どきを過ぎていたが、この近くにあるウォール街へも行ってみる。

↑ ニューヨークの金融街、ウォール街。

ここには、アメリカの連邦準備銀行(日本でいう日本銀行みたいなもの。地下 2,440mの場所に大量の金塊が保存されており、建物自体の撮影も禁止)がある。大手銀行のオフィスなどもある。狭い通りに高層ビルが立ち並んでいるので、日中でも暗い。そして、彼らの昼食は、それほど豪華なものではなく、立ち食いピザとか、露店のホットドッグなどで済ませてしまうらしい。私も、ある立ち食いピザ屋で昼食とした。

昼食後は買い物に興じ、宿に帰った。これが最後の夜。

 

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