4: 監獄良いとこ一度は・・・
タクシーで監獄へ行く。バスだとタダだが、1300円ほど取られる。(これでも、網走パスポートがあったので1割引だった)
この監獄は、昔あった監獄を移設したものらしく、本物の監獄はまた別にある。タクシーの運転手とは、またしても気候の話。網走は、太平洋側なので晴れる日が多いそうだ。ところで網走のタクシー運転手は、仲間と携帯電話で連絡を取り合うのが好きなようだ。網走でも電波は入るのである。これは後で分かったことだが、私の携帯(NTTドコモ)は、よっぽどの僻地でない限りアンテナは3本立つ。
監獄に着き、中に入る。シーズンオフであるからか、広大な敷地にはほとんど誰もいない。観光バスは1台ほどあったが、観光客はみな散らばっている。立ち止まってみると、ほんとに静かだ。
監獄の中にはいろいろ建物がある。資料館では、脱獄しようとした受刑者の話、アイヌ受刑史、そして所内での食事、仕事内容などがあった。さらには、開拓をするため山林を歩行している受刑者らをクマがのぞいている、という恐ろしい模型展示もあった。この監獄博物館には、こうした模型が多く、ビジュアル的に分かりやすい。
そして、風呂、教会などもあったが、部屋はというと、こんな感じであった。
↑ 独房などが並ぶ。天井には、脱獄を試みる裸の受刑者の模型。
もちろん暖房などないので、とても寒い所であった。
一通り見終わって、橋をわたりバス発着所に戻る。この橋は「鏡橋」と呼ばれており、刑期を終えた受刑者が、ここを通って出所し、外界に戻るという。下を流れる川の水面に映る自分の姿を鏡のように見て、襟を正すという由来らしい。
ここの名物には 「出所まんじゅう」というものがあり、出所の朝に必ず出される饅頭である。受刑者は、この饅頭を見ると涙で目がかすむという。・・・さて、バスで市街地へと向かう。
5: 寒い、寒いぞ
さて、腹が減ったのでバスで、網走バスターミナル(網走駅から歩いて15分ほど)近くにある有名な寿司屋「福昌」に入る。オホーツク海でとれた魚介類を使用しているそうで、エビなどが甘く、美味しかったです。
↑ 網走の中心街近くにある寿司屋(左)。ん? 中心街・・・?
さて、ここからがトホホであった。バスが出るまでには時間があったので、近くのモヨロ貝塚館に行く。このあたりは、アイヌでもなくモヨロ族という別の民族が住んでいたようなのだが、行ってみると定休日であった。ここはあきらめ、さらに2分ほど歩いてオホーツク海を見に行く。
↑ オホーツク海。流氷のメッカ。海産物が引きしまっていて美味しい。
さて網走バスターミナルに戻り、流氷館行きのバスに乗ろうと思って待っていたが、発車時刻を過ぎても現れない。始発なのに、時間にルーズなんだな、とか思っていたら、別の信号からバスが勢い良く出てしまった.(!) このバスが出てしまったら、駅まで歩いてタクシーを拾うしか道はなくなる。仕方なく、厳寒の網走市内を15分ほど歩いた。しかも路面が滑る滑る。
駅に着き、待機している数台のタクシーのうち、一番前のやつに乗る。「流氷館まで」と言ったら、
「流氷館? 今日やってたっけなぁ」
パスポートには、定休日はなしとあったのだが。とりあえず電話で聞いてもらう。休みだそうだ。すると、運転手が今度は、 「民芸品に興味ある? 北方民族資料館というところもあるんだけど」
という。まあアイヌの民芸なら興味なくはないと思い、そこに行くことにした。しかしここで運転手が携帯をかけ連絡をしてみると、「あっ、ごめん。ここも休みだわ」
やはり(T_T) というか、どちらも、出発前の情報では定休日でないはずなのだが。なんなんだ。
しかし、ここで運転手が
性懲りもなく勧めてきたのが、
「白鳥に興味はないかい? 能取湖(ノトロ湖)なんかどう?」であった。しかし、私は能取湖まではなかりの距離があることを事前に知っており、タクシーを使ったら何千円かかるか分からないので丁重に断り、タクシーを降りた。
仕方ないから、ホテルでチェックインすることにする(笑) ほかに有名な観光地はないし、街を歩くといっても前出の風景では、歩くにも目的がない。チェックインまでに30分ほど時間があったので、駅で明日の切符を買う。普通の人から見れば非常にもったいない観光方法であろう。こんな遠くまで来て、ほとんど何も見ずに帰るのだから。でも、今回の旅の目的は寒さの体験と風景が目的であったので、あまり気にしなかった(爆)
北海道では、学生向け割引運賃が存在する。 [ Young Go-Go Club ] というものであり、これに加入すれば、特急運賃が45%割り引かれる。さらに、旭川〜札幌〜函館のドル箱路線では、特急だけでなく普通運賃も45%割引。私が買ったのは 網走〜旭川の特急券(45%引)と、網走〜新千歳空港の普通乗車券(旭川・富良野線・深川・白石経由)。これを買って、駅近くのホテル「網走ロイヤルホテル」にチェックインした。
しかし、帯広でもそうだが北海道には通行人が少ない。駅前を歩いても、ほとんど人とすれ違うことがないし、人影もほとんどない。買い物とかには行かないのだろうか?もっとも、買い物するためのスーパーマーケットは駅付近には1個もなかったが!
6: ホテルで
ここまで書いていると、またしても私による自慢話が展開されそうな雰囲気になってきた。有益な情報も載せるつもりなので、何とか読んで頂きたいと思います。(急に丁寧語)
ホテルではとにかくのんびりしたかったので、娯楽用具とか勉強道具は持ってこなかった。(だから試験の出来が悪かったのかなぁ・・・)普段はほとんど見ないテレビをノホホンと見ることにする。
テレビは、NHKではGLAYが出演しており、インタビューに答えていた。よくありがちな番組だが、どうも会話の内容が北海道ローカルだ。後で調べてみると、これはNHK札幌制作の、北海道ローカル番組であった。
「北海道の人は、、、まず札幌で地盤を作り上げて、それから東京にね、、、」
「幕張 (昨年、駐車場に20万人を集めてライブをした幕張メッセ) って所は、、うん、、、とにかく昔の僕らには遠いところでしたね、、、北海道のファンが行くとしたら、、、ほら、新千歳空港から飛ぶわけじゃないですか、、、」こんな感じのお話。グレイに限らず大物というものは、会話が非常に自分ペースだ。(笑)
夕食までくつろぎ、1階へ行く。このホテルは、都会ではまず見られないが、スリッパ・浴衣姿で館内を歩き回ることができる。
他に誰もいなそうだったから別にいいんだけど。1階の食堂へ行くと、誰も客はいない。男の店員が暇そうにソファーで雑誌を読んでいた。私が入ると、すかさず席を立って応対する。メニューには、1800円のオホーツクセット(1合の日本酒の熱燗付き)があったので、これを頼む。注文しようと手をあげると、店員はちょうどあくびをしていた。(笑) 酒が出るということで、店員に年齢を聞かれて、ちょっと若返った気分♪
このセットは豪華で、カニや海産物が入った鍋、エビ8尾を含む豪華8品。だが、注文してから来る時間が早いため、冷凍ものだと推測される。(まあこの値段だったらそうだろう) あと、日本酒が美味しかった。どんな銘柄かは分からない(ワンカップ大関かもしれない)が、熱燗1合飲み干した。酒嫌いの私には珍しいことなんです。
食べ終わって部屋に戻る。私が食堂にいる間、ついに誰も客は来なかった。経営は大丈夫なんだろうか?
そして、次に風呂である。ここはホテルだが、1階に大浴場がある。そして、地元の人も数人入浴に来ていた。浴場だと、決まって私はタオルを湯船に1回は落とすのだが、今回もやってしまう。進展なし。
翌朝は9時半に特急が出る。旭川まで約4時間。 日本一辺鄙なJR石北本線をゆく〜〜。